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二章
デートが終わったら……
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「―――ルフス様、重たいです……」
私は今、貴金属、宝石類に全身を覆われていた。
「すまんリア! どれも似合うからつい着け過ぎてしまった!」
ルフス様が慌てて私の全身を覆っていたアクセサリー達を取り外してくれた。ふぅ、一気に身軽になりました。重さもですけど、個々のアクセサリーの値段を考えたら一歩も動けませんでした。落としても弁償できるだけのお金なんて持ってませんからね。
取り外したアクセサリーを前にルフス様が顎に手を当て、真面目な顔で考え込む。
「ふむ、どれも捨てがたいな。いっそのこと全部買うか……」
「ぴぇ」
恐ろしい呟きに変な声が出た。ルフス様がバッとこちらを向く。
「なんだ今の声。かわいいな。子竜の時の鳴き声みたいだ」
もう一回出せるか? と期待するような目で見られる。もう出せないですよぅ。
結局、ルフス様はブレスレット一つプレゼントしてくれた。小さなサファイヤが付いたとてもかわいらしいブレスレットだ。
「ルフス様、ありがとうございます」
「どういたしまして」
えへへ、今度私もなにかお礼をしよう。
お父さんもお母さんに何か買ったみたいで、お母さんがとってもご機嫌だ。
そして少し名残惜しく思いながらも、私達は家路についた。
自分のベッドの上に寝転がってサファイヤの付いたブレスレットを眺めると、楽しそうなルフス様の笑顔が目に浮かぶ。
楽しかったなぁ……。
私は全然歩いてないのに自分で思ってたよりも疲れていたようで、目を瞑るとすぐに眠りに落ちてしまった。
***
次の日。
……? なんか体が重いです。それにいつもより肌寒い。
ぶるると震える体を布団で包み直すと、コンコンと部屋の扉がノックされた。
「リア? 朝ご飯の時間だけどまだ寝る?」
「お……かあさん……」
あ、なんか声が出しづらい……。
「リア? 入るわよ」
お母さんが部屋に入ってきた。
「あら、お顔が真っ赤ね」
少し冷たい手が私のおでこに触れた。
「うん、完全に熱が出てるわね。昨日のおでかけで疲れたのかしら。とりあえず様子をみましょうか」
「はい。あの……ルフス様には内緒にしてください」
私が掠れ声でそう言うと、お母さんはあら、と目を見開いた。
ルフス様が知ったらきっと責任を感じちゃうだろうから、私が体調を崩したことはルフス様には言わないでほしいのだ。最悪の場合、もう一緒におでかけしてくれなくなるかもしれない。
すると、お母さんは微笑みを浮かべる。
「分かったわ。お父さんには言うけどね」
「はい」
私の頭を一撫ですると、お母さんは部屋を出て行った。それから間もなくお父さんが私の部屋を訪れる。
「リア! 大丈夫かい?」
「だいじょうぶ、げんきです……」
「そんな見え透いた嘘つかなくていいよ!」
お父さんがオロオロとしている間にお母さんがスープと果物を持ってきてくれた。頼もしいです。
「食べられそうなら食べてね。ほら、あなたはそろそろ出勤の時間でしょ?」
「え~、俺、今日は休もうかな」
そう言ってなんとか家に残ろうとするお父さんをお母さんが多少強引に仕事に送り出す。それをちょっと意外に思ってると、お母さんが苦笑した。
「アルフがいるとリアがゆっくり休めないでしょう? あの人、看病の仕方もろくに分からないのにきっと一日中リアに張り付てるわよ?」
「……」
それは、ちょっと困るかもしれません……。別に嫌じゃないですけど、寝れなさそうです。
そんなことを考えながらスープを飲む。うぅ、おいしいのに全然食べられない……。胃がすごく小さくなってる気分だ。
申し訳ないけど、お皿の半分ほどを食べたところでお腹がいっぱいになった。
「ごちそうさまです」
「うん、頑張って食べられたわね」
えらいえらい、とお母さんに頭を撫でられる。
それから横になって目を瞑ると、すぐに眠気はやってきた。
この一時間後、職場でのお父さんのソワソワした態度で勘付いたルフス様が家に突撃してくることを、私はまだ知らない。
私は今、貴金属、宝石類に全身を覆われていた。
「すまんリア! どれも似合うからつい着け過ぎてしまった!」
ルフス様が慌てて私の全身を覆っていたアクセサリー達を取り外してくれた。ふぅ、一気に身軽になりました。重さもですけど、個々のアクセサリーの値段を考えたら一歩も動けませんでした。落としても弁償できるだけのお金なんて持ってませんからね。
取り外したアクセサリーを前にルフス様が顎に手を当て、真面目な顔で考え込む。
「ふむ、どれも捨てがたいな。いっそのこと全部買うか……」
「ぴぇ」
恐ろしい呟きに変な声が出た。ルフス様がバッとこちらを向く。
「なんだ今の声。かわいいな。子竜の時の鳴き声みたいだ」
もう一回出せるか? と期待するような目で見られる。もう出せないですよぅ。
結局、ルフス様はブレスレット一つプレゼントしてくれた。小さなサファイヤが付いたとてもかわいらしいブレスレットだ。
「ルフス様、ありがとうございます」
「どういたしまして」
えへへ、今度私もなにかお礼をしよう。
お父さんもお母さんに何か買ったみたいで、お母さんがとってもご機嫌だ。
そして少し名残惜しく思いながらも、私達は家路についた。
自分のベッドの上に寝転がってサファイヤの付いたブレスレットを眺めると、楽しそうなルフス様の笑顔が目に浮かぶ。
楽しかったなぁ……。
私は全然歩いてないのに自分で思ってたよりも疲れていたようで、目を瞑るとすぐに眠りに落ちてしまった。
***
次の日。
……? なんか体が重いです。それにいつもより肌寒い。
ぶるると震える体を布団で包み直すと、コンコンと部屋の扉がノックされた。
「リア? 朝ご飯の時間だけどまだ寝る?」
「お……かあさん……」
あ、なんか声が出しづらい……。
「リア? 入るわよ」
お母さんが部屋に入ってきた。
「あら、お顔が真っ赤ね」
少し冷たい手が私のおでこに触れた。
「うん、完全に熱が出てるわね。昨日のおでかけで疲れたのかしら。とりあえず様子をみましょうか」
「はい。あの……ルフス様には内緒にしてください」
私が掠れ声でそう言うと、お母さんはあら、と目を見開いた。
ルフス様が知ったらきっと責任を感じちゃうだろうから、私が体調を崩したことはルフス様には言わないでほしいのだ。最悪の場合、もう一緒におでかけしてくれなくなるかもしれない。
すると、お母さんは微笑みを浮かべる。
「分かったわ。お父さんには言うけどね」
「はい」
私の頭を一撫ですると、お母さんは部屋を出て行った。それから間もなくお父さんが私の部屋を訪れる。
「リア! 大丈夫かい?」
「だいじょうぶ、げんきです……」
「そんな見え透いた嘘つかなくていいよ!」
お父さんがオロオロとしている間にお母さんがスープと果物を持ってきてくれた。頼もしいです。
「食べられそうなら食べてね。ほら、あなたはそろそろ出勤の時間でしょ?」
「え~、俺、今日は休もうかな」
そう言ってなんとか家に残ろうとするお父さんをお母さんが多少強引に仕事に送り出す。それをちょっと意外に思ってると、お母さんが苦笑した。
「アルフがいるとリアがゆっくり休めないでしょう? あの人、看病の仕方もろくに分からないのにきっと一日中リアに張り付てるわよ?」
「……」
それは、ちょっと困るかもしれません……。別に嫌じゃないですけど、寝れなさそうです。
そんなことを考えながらスープを飲む。うぅ、おいしいのに全然食べられない……。胃がすごく小さくなってる気分だ。
申し訳ないけど、お皿の半分ほどを食べたところでお腹がいっぱいになった。
「ごちそうさまです」
「うん、頑張って食べられたわね」
えらいえらい、とお母さんに頭を撫でられる。
それから横になって目を瞑ると、すぐに眠気はやってきた。
この一時間後、職場でのお父さんのソワソワした態度で勘付いたルフス様が家に突撃してくることを、私はまだ知らない。
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