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2章 婚約と新たな火種
家庭教師1
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「あ、あーん」
「あーん」
風呂から上がったマリア王女はお腹がすいたと言い始めたため、近くにあったお菓子を渡すと、先程約束したあーんをして欲しいと言い始めたために今に至る。
ちなみに今食べてるのはクッキーに近い焼き菓子に見える。
「美味しいーアーマンくんもあげるね、あーん」
「え、いや自分で食べてますから大丈夫です」
そう言ったがマリアは笑顔でもう1度言ってきた。
「アーマンくん、あーん」
「はい」
何故か、逆らってはいけないと本能から伝わってきた気がした。
そして出されたクッキー?を食べると予想しているより美味しかった。
日本のスーパーでよく売っているクッキーの殆どは砂糖が使われており、サクサクした食感に対して、このクッキーはドライフルーツが砂糖の代わりに使われていて果物特有の酸味と甘みがいい感じに合わさって美味かった。
「美味しい……」
「でしょ! もうひとつ食べる?」
「いえ、夕食が控えているので遠慮しておきます。」
「えーまたあーんしてあげようかと思ったのに……」
「マリア、夕食があるんだからあんまり食べてはいけませんよ」
「はーい」
カナリア王妃から注意されやっとクッキーを食べるのを止めた。
「そうだ。アーマンに伝えなければいけないことを思い出した。」
「なんでしょうか」
「ペネシット子爵との約束のことだ。お主の専属家庭教師になる人物が決まったので伝えておこうかと思ってな」
そう言えば、五歳になったら結界魔術師の家庭教師を一人つけてくれる約束をしていたっけ。
「そう言えば色々なことありすぎてすっかり忘れていました」
「そうだな。俺もパルチナ宰相に言われるまですっかり忘れていた」
「それで誰か決まったので連絡が来たと?」
「それが、まだらしくてな。どうせなら候補の中から本人に直接見てもらって、その中から一人選んでもらった方がいいかと結論が出てな。夕食後に選んでもらえるかな」
なるほど。確かに、宰相やアルバーン国王陛下がこの人物なら任せられると思っても、俺と相性が悪ければ問題だし、自分で選べるならそれに越したことはないしな。
「分かりました」
その時、タイミングよく外から夕食の準備が出来たとの連絡が来た。
「うむ。では夕食後にパルチナ宰相を呼ぶから詳しいことはそっちで聞いてくれ」
「アーマンくんお話終わった?」
「えぇ終わりました」
「なら早く行こ! お腹がペコペコ」
「焦らなくてもご飯は逃げませんよ」
そう伝えたが結局俺も腕を引っ張られながら夕食の部屋まで早歩きで連れていかれるのだった。
###
夕食が食べ終わるとマリアはカナリア王妃と一緒に部屋に戻っていった。
マリア王女はもっと俺といたいと言って言っていたが、大事な話だからと伝えると渋々カナリア王妃について行った。
カナリア王妃とマリアが出ていくと入れ替わりでパルチナ宰相が入ってきた。
「パルチナ宰相こんばんわ」
「アーマン公爵こんな遅くに悪いですね」
「公爵付けはいらないです」
「そうかね。なら遠慮なくアーマンくんと呼ばせてもらおう」
「はい」
あっさりと君付けにしたことから軽い冗談みたいなものだったのだろう。
「パルチナ宰相、詳細を頼む」
「はい。候補者は3人まで絞らせていただきました。」
「そんなに立候補が多かったのか?」
「えぇなんせ立候補者が123人もいたので3人まで絞るのが大変でした。」
123人もの人が俺の家庭教師に立候補したのか……嬉しいけど少し申し訳ない気分だ。
「1人目の候補者は男性で名前はクロードです。王城で結界魔術師として雇ってから5年は経つベテランで、熱く優しい男で部下からも慕われている。一度した約束は終わるまで守ると有名でとても信頼の厚い人物だぞ」
「なるほど」
熱い男か……ちょっと声が大きかったり暑苦しかったりするのかな?
「2人目は女性でソヒィー。結界魔術師としてまだ2年しか経っていないが、秀才と言われており将来に期待されている中の1人。さらに親は元結界魔術師団長。私の中では一番のオススメかな。性格はちょっと恥ずかしがり屋な性格だが、頑張って克服してる最中」
「2年しか経っていないのによく候補者として最後まで残りましたね。」
「彼女は勉強熱心でほかの結界魔術師より優れていますからね。それに心の底からアーマンくんの家庭教師になりたいと言っていたのでね。」
「女性の家庭教師をとったらマリア王女になんて言われるか……」
「アーマンは既にマリアの尻に敷かれているからな」
「家庭教師だと言えばマリア王女様も文句は言えないと思うから大丈夫だと思うぞ」
「そうだといいですね……」
「最後の1人は男性で名前はベン。結界魔術師を4年務めており同時にオリジン宗教の信者。実力は並くらいだが、知識は結界魔術師の中でもトップクラス。アーマンくんの知らないことを丁寧に教えてくれると思うぞ。」
「なんでそんな人を……」
少なくてもこの人を選ぶことはないだろう……
「信者と言ってもそこまで過激ではないから安心していいぞ。一番はじめに握手を求められたり、敬語で話されるくらいかな」
「……」
結界魔術師としての知識はとても教えて欲しいが、信者という点がなぁ……
「これで候補者の紹介は終わりだ」
「選ぶのとても難しいですね。どの人もそれぞれ長所が違って。」
「そういう風になるように選んだからな。とりあえずそれぞれ別の部屋に待機しているから1人ずつ面会するか」
「そうですね。聞くより見た方が色々わかると思いますし」
そうして1人目の待つ部屋に俺とパルチナ宰相とアルバーン国王陛下で向かった。
「あーん」
風呂から上がったマリア王女はお腹がすいたと言い始めたため、近くにあったお菓子を渡すと、先程約束したあーんをして欲しいと言い始めたために今に至る。
ちなみに今食べてるのはクッキーに近い焼き菓子に見える。
「美味しいーアーマンくんもあげるね、あーん」
「え、いや自分で食べてますから大丈夫です」
そう言ったがマリアは笑顔でもう1度言ってきた。
「アーマンくん、あーん」
「はい」
何故か、逆らってはいけないと本能から伝わってきた気がした。
そして出されたクッキー?を食べると予想しているより美味しかった。
日本のスーパーでよく売っているクッキーの殆どは砂糖が使われており、サクサクした食感に対して、このクッキーはドライフルーツが砂糖の代わりに使われていて果物特有の酸味と甘みがいい感じに合わさって美味かった。
「美味しい……」
「でしょ! もうひとつ食べる?」
「いえ、夕食が控えているので遠慮しておきます。」
「えーまたあーんしてあげようかと思ったのに……」
「マリア、夕食があるんだからあんまり食べてはいけませんよ」
「はーい」
カナリア王妃から注意されやっとクッキーを食べるのを止めた。
「そうだ。アーマンに伝えなければいけないことを思い出した。」
「なんでしょうか」
「ペネシット子爵との約束のことだ。お主の専属家庭教師になる人物が決まったので伝えておこうかと思ってな」
そう言えば、五歳になったら結界魔術師の家庭教師を一人つけてくれる約束をしていたっけ。
「そう言えば色々なことありすぎてすっかり忘れていました」
「そうだな。俺もパルチナ宰相に言われるまですっかり忘れていた」
「それで誰か決まったので連絡が来たと?」
「それが、まだらしくてな。どうせなら候補の中から本人に直接見てもらって、その中から一人選んでもらった方がいいかと結論が出てな。夕食後に選んでもらえるかな」
なるほど。確かに、宰相やアルバーン国王陛下がこの人物なら任せられると思っても、俺と相性が悪ければ問題だし、自分で選べるならそれに越したことはないしな。
「分かりました」
その時、タイミングよく外から夕食の準備が出来たとの連絡が来た。
「うむ。では夕食後にパルチナ宰相を呼ぶから詳しいことはそっちで聞いてくれ」
「アーマンくんお話終わった?」
「えぇ終わりました」
「なら早く行こ! お腹がペコペコ」
「焦らなくてもご飯は逃げませんよ」
そう伝えたが結局俺も腕を引っ張られながら夕食の部屋まで早歩きで連れていかれるのだった。
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夕食が食べ終わるとマリアはカナリア王妃と一緒に部屋に戻っていった。
マリア王女はもっと俺といたいと言って言っていたが、大事な話だからと伝えると渋々カナリア王妃について行った。
カナリア王妃とマリアが出ていくと入れ替わりでパルチナ宰相が入ってきた。
「パルチナ宰相こんばんわ」
「アーマン公爵こんな遅くに悪いですね」
「公爵付けはいらないです」
「そうかね。なら遠慮なくアーマンくんと呼ばせてもらおう」
「はい」
あっさりと君付けにしたことから軽い冗談みたいなものだったのだろう。
「パルチナ宰相、詳細を頼む」
「はい。候補者は3人まで絞らせていただきました。」
「そんなに立候補が多かったのか?」
「えぇなんせ立候補者が123人もいたので3人まで絞るのが大変でした。」
123人もの人が俺の家庭教師に立候補したのか……嬉しいけど少し申し訳ない気分だ。
「1人目の候補者は男性で名前はクロードです。王城で結界魔術師として雇ってから5年は経つベテランで、熱く優しい男で部下からも慕われている。一度した約束は終わるまで守ると有名でとても信頼の厚い人物だぞ」
「なるほど」
熱い男か……ちょっと声が大きかったり暑苦しかったりするのかな?
「2人目は女性でソヒィー。結界魔術師としてまだ2年しか経っていないが、秀才と言われており将来に期待されている中の1人。さらに親は元結界魔術師団長。私の中では一番のオススメかな。性格はちょっと恥ずかしがり屋な性格だが、頑張って克服してる最中」
「2年しか経っていないのによく候補者として最後まで残りましたね。」
「彼女は勉強熱心でほかの結界魔術師より優れていますからね。それに心の底からアーマンくんの家庭教師になりたいと言っていたのでね。」
「女性の家庭教師をとったらマリア王女になんて言われるか……」
「アーマンは既にマリアの尻に敷かれているからな」
「家庭教師だと言えばマリア王女様も文句は言えないと思うから大丈夫だと思うぞ」
「そうだといいですね……」
「最後の1人は男性で名前はベン。結界魔術師を4年務めており同時にオリジン宗教の信者。実力は並くらいだが、知識は結界魔術師の中でもトップクラス。アーマンくんの知らないことを丁寧に教えてくれると思うぞ。」
「なんでそんな人を……」
少なくてもこの人を選ぶことはないだろう……
「信者と言ってもそこまで過激ではないから安心していいぞ。一番はじめに握手を求められたり、敬語で話されるくらいかな」
「……」
結界魔術師としての知識はとても教えて欲しいが、信者という点がなぁ……
「これで候補者の紹介は終わりだ」
「選ぶのとても難しいですね。どの人もそれぞれ長所が違って。」
「そういう風になるように選んだからな。とりあえずそれぞれ別の部屋に待機しているから1人ずつ面会するか」
「そうですね。聞くより見た方が色々わかると思いますし」
そうして1人目の待つ部屋に俺とパルチナ宰相とアルバーン国王陛下で向かった。
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