無表情ドールマスター

ダンジョン化

「どんなのがあるかな？」
掲示板には昨日と変わらない依頼が張り出されていた
(昨日と同じ？)
掲示板を見ていて
違和感に気づいたすだちがよく見てみると
(所長さんの依頼がなくなっている、なんでだろう？)
目立つところに張られていた依頼がなくなっていた
(まぁいいか、えっと依頼)
一枚一枚ゆっくりと見ていくと一枚の依頼に目が止まった
(鉄鉱石を１０個納品、報酬は300R)
すだちは依頼書を取り
カウンターへと向かった
「すみません」
フィアラは笑顔で
「すだち様いらっしゃいませ、今日はいかがなさいましたか？」
「依頼を受けたいんです」
フィアラはすだちから依頼書とカードを受け取り
内容を確認してると
「そういえば一つ聞きたいことがあるんですが」
「なんでしょうか？」
「所長さんの依頼がなかったんですが、どうしてですか？」
フィアラの動きが一瞬止まり
何もなかったように作業を進めながら
「あの依頼はカラン支部長が勝手に張り出したものなので剥がしているんです」
「そうなんですか」
「はい、それではカードをお返しいたします」
すだちはカードを受け取り
アイテムボックスへと入れた
「鉱石採取は〈朽ちた坑道〉ですか？」
「はい、そういえば〈朽ちた坑道〉って鉱石が採れるのですか？」
「もちろん、採れますがどうしてですか？」
「朽ちたとついていたので」
「あぁなるほど、〈朽ちた坑道〉と呼ばれているのは鉱石が採れなくて呼ばれているのではなく、魔物が住み着いてしまい採掘をすることが出来なくなったので、そう呼ばれているんです」
「なるほど、退治とかはしないんですか？」
「もちろん、冒険者の皆さんに討伐依頼は出してますが、どうやらダンジョン化してるみたいです」
「ダンジョン化ってなんですか？」
「ダンジョン化というのはダンジョンコアにより魔物の住みかになる現象のことです」
「ダンジョンコア？」
「ダンジョンコアというのは、いつの間にか現れて魔物を生み出してしまう魔石です」
「じゃあダンジョンコアを壊せば」
「ダンジョンではなくなり魔物も生まれることはありません、しかし」
「しかし？」
「ダンジョンコアを護る強い魔物により出来ません」
「そんなのが居るんですね」
「ちなみに〈朽ちた坑道〉にいる魔物はミスリルゴーレムです」
「ミスリルゴーレム？」
「全身がミスリルで出来たゴーレムで物理・魔法が効きにくいゴーレム」
「そんなすごいゴーレムだったら所長さんが食いつきそうですね」
「はい、あのバカもといカラン支部長が挑もうとしたので全力で止めさせてもらいました」
「そうなんですか」
(バカっていったよね？)
「はい、なのでダンジョンコアを壊せないんです」
「そうなんですか、私みたいな初心者が入って大丈夫なんですか？」
「大丈夫ですよ、ミスリルゴーレムがいるのは坑道の最奥ですだち様が採掘するところに現れるのはアイアンゴーレム等の弱い魔物ですので、カボスさんが居れば問題ないかと」
カボスを見るとゆっくり頷くのを見て
「そうなんですか、良かった」
「はい」
「それじゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃいませ」