無表情ドールマスター

けんはる

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「じゃあ、依り代の設定をしましょうか」
ユランはカシャンの顔を見て
「依り代の設定って終わってるのじゃ」
「まぁ終わってるちゃ終わってるけど、そのままの姿で行ったら大騒ぎよ」
「そうなんですか?」
「そりゃそうよ、今じゃ十天聖を倒そうとするPKギルドが現れるくらいなんだから」
「PKってなんですか?」
「あぁPKというのはPlayerKillと言って、プレイヤーを殺すプレイヤーの事よ」
「そんな人達がいるんですか?」
「まぁプレイヤーは殺しても罪にはならないからね、でも住人を殺すと全ての国から指名手配されるのよ」
「そうなんですか」
「そうなのよ、じゃあ依り代の設定をしましょうか、なにか希望がある?」
「いえとくには」
カシャンは目を輝かせて
「じゃあ、私が決めてもいい?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ私のとっておきのキャラにしてあげる」
カシャンが指を鳴らすとユランは光に包まれて
光が消えると姿が変わっていた
「うん、かわいい♪見てみなさい」
地面から姿見が生えてきた
「これが私」
鏡に写っていたのは
銀髪で後ろは腰までの長さの三つ編みで瞳は緑色で眼鏡を掛けており、耳は尖っていた
「エルフ、それにこの格好は」
服はメイド服に変わっており、ちなみにヘッドセットもちゃんとある
「どうしてメイド何ですか?」
「かわいいからに決まってるからよ」
「そうですか」
「そうよ、じゃあステータスを出してみて」
「はい」
ユランはステータスと念じた
〈名前〉
〈レベル〉1
〈種族〉エルフ
〈職業〉錬金術師
HP:17/17
MP:30/30
AGE:5
DEX:50
STR:5
ATK:15
DEF:10
スキル
ゴーレム生成レベル1
MP15
鉱石を消費しゴーレムを作り出す
ゴーレム召喚レベル1
MP10
ゴーレム生成で作ったゴーレムを一体喚ぶことができる
錬成レベル1
MP5
素材同士を錬成し新しい物を作り出す
装備
メイド服一式
「さっきのに比べたら」
「ショボいでしょ、仕方がないのよ、それが普通の初期数値だから」
「そうなんですか、それと錬金術師ってなんですか?」
「あぁ、簡単に言えば〈人形師〉の劣化版よ」
「劣化版ですか」
「そうよ、あと」
カシャンが指を鳴らすとベアベアは仙人が持っていそうな一メートル位の大きさの木の杖に変わった
「これは?」
「それは〈錬金術師の杖〉よ、錬金術師の初期武器よ」
ユランは杖を見つめ
「初期武器」
「じゃあ、最後に名前を決めてね」
「じゃあ、すだちでお願いします」
「わかったわ」
すだちがステータスを見ると名前がすだちに変わっていた
「あっそれとこれ」
すだちの目の前に古びたローブが現れた
すだちはローブを手に取り
「これはなんですか?」
「それは〈隠者のローブ〉よ」
「〈隠者のローブ〉ってなんですか?」
「そのローブを着ていると誰にも見られなくなるのよ、どんだけレベルの高い気配察知でも無理よ」
「すごいローブですね」
「そうよ、それを着て入れ替わると良いわ、入れ替わりかたは名前をタッチすると入れ替わるわ」
「わかりました、えっと」
「あぁ収納と言えばアイテムボックスに入るわよ」
「アイテムボックス?」
「あぁ無制限に入る箱のことよ、ステータスの一番下に書かれてるでしょ」
すだちはステータスを下へとずらすと一番下にアイテムボックスと書かれていた
「あとは収納」
〈隠者のローブ〉は光の粒になって消えた
「消えた」
「じゃあアイテムボックスをタッチしてみて」
「はっはい」
すだちがタッチすると
アイテムボックス
〈隠者のローブ〉
「入ってる」
「出すときはタッチすれば出てくるわ」
「わかりました」
「じゃあ、一通りの説明が終わったからそろそろ送るわね」
「あっお願いします」
「あっ忘れるところだったは」
カシャンは胸の谷間から手紙を出した
すだちはあきれ顔で
「どこから出してるんですか」
「まぁいいじゃない、はい」
カシャンはユランに蝋で封をされた手紙を差し出した
「これは?」
「ギルドで渡せばわかるから」
「わかりました」
手紙をアイテムボックスに閉まった
「それじゃあ送るわよ」
「はい」
「いってらっしゃい、楽しんでね」
すだちは光に包まれて消えた
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