異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

文字の大きさ
上 下
199 / 243

199 修学旅行初日です 7

しおりを挟む
 ここは飛行島のコテージです。

 生徒と先生は客室を確認しています。
 わたしと陽子さんはダイニングにいます。

 わたしはダイニングの窓際にペットサークルを出してマオを入れました。

 テーブルとイスは準備してあります。
 ダイニングだけで60人くらいの食事は可能ですが、少し狭く感じるので、テラスも利用します。

アンナ「陽子さんはダイニングの食事を並べてください。
    わたしはテラスの食事を並べます」
陽子 「わかりました」

 わたしはテラスに出ました。まずはテーブルとイスをきれいにします。

アンナ「クリーン」

 そして、ランチョンマット、先割れスプーンと料理を並べます。
 料理には保温の結界が張ってあります。
 ダイニングとテラスには、おかわりコーナーを用意しました。
 ウェディングパーティーのビュッフェで使った魔道具です。

 昼食の準備が出来ました。

 先生方がダイニングに入ってきました。生徒達も集まってきます。

アンナ「A組はテラス、B組はダイニングで食事をします。
    夕食は逆にする予定です。同じ班の人にそう伝えてください」

アンナ「陽子さん、マオにフードとお水をあげてください」
陽子 「はい」

アンナ「先生方は窓際の席です」

 その席からダイニングとテラス両方が見えます。

     *

 全員着席しました。

 昼食はレバノン料理の「ハシュイー」です。

ハシュイー
 鍋にブイヨン、米、牛粗挽き肉(米と同量)、刻んだ玉ネギ、塩、胡椒、シナモンなどを入れて作る炊き込みご飯です。
 シナモンを入れると中東風になり、料理のいいアクセントになります。
 この料理はレバノン風牛丼みたいなものです。

 ハシュイーを盛り付けたあとは、上に目玉焼きをのせます。
 付け合わせは、カリフラワー、アスパラガス、ジャガイモ、ニンジンなどの蒸し野菜とフムスを添えました。
 ワンプレートランチです。

     *

アンナ「おかわりは、あちらに用意してあります。
    飲み物は各自出してください」

 わたしは料理の結界を解除しました。

アンナ「いただきます」
全員 「いただきます」

 ぱくぱく・・・

男子 「うめえ」
男子 「肉多すぎだろ」

 男子はものすごい勢いで食べています。

女子 「美味しい」
女子 「私、ダイエットのことは考えない」

 そうです。ダイエットは日本に帰ってから考えてください。

     *

 わたしと陽子さんは、窓際の席で先生と一緒に食事をしています。

加藤 「このご飯、美味しい」
志村 「肉入りごはんにシナモン、意外に合いますね」

高木 「このペースト美味しい。これなんですか?」
アンナ「ひよこ豆のペーストです。フムスと言います。
    中東諸国の料理です」
加藤 「野菜に合いますよね」
高木 「はい」

     *

 男子がおかわりを始めました。
 一人の女子が恥ずかしそうに、おかわりしています。
 恥ずかしいことはありません。堂々とおかわりしてください。

     *

 食事が終わりました。

アンナ「ごちそうさまでした」
全員 「ごちそうさまでした」

アンナ「恐れ入りますが、食器はクリーン魔法できれいにしてください。
    食器の回収はわたしがします」

 魔法を使うのは、あくまで異世界体験です。片付けを楽にするわけではありません。

     *

 さて、食後休憩のあとは街と村の見学をする予定です。
 私たちは、街や村での迷惑行為について話し合っています。

志村 「迷惑行為の罰則は、本日午後の外出を禁止。
    それは班ごとの連帯責任にしました」
加藤 「更に、不法行為のときは、停学や退学もあり得る
    ということになりました」
アンナ「わかりました」

 わたしが日本にいたとき、修学旅行の生徒による窃盗や落書きなどの器物損壊事件がニュースになっていました。
 停学や退学は当然の処分と言えます。

     *

アンナ「それでは街と村の見学に行きましょう」

 わたしはマオをスリングに入れてたすき掛けにしました。
 生徒達はコテージを出て、クラスごとに整列します。
 人数が多いので、見学場所はクラスごに分かれます。

アンナ「陽子さん、B組は任せますね」
陽子 「はい」

 わたしはA組の旗を持ちました。

アンナ「A組はこれからアンナミラの村を見学します。
    魔法で移動します・・・転移」


*    *    *


 私たちA組は、アンナミラの村に転移しました。
 ここは村の広場です。近くに集会所があります。

 B組は先にサンローラの街を見学して、その後アンナミラの村を見学する予定です。

アンナ「この村の名前はアンナミラと言います。
    まだ出来て数ヶ月の新しい村です。
    村の名前からもわかるように、この村の開拓には
    わたしも関わっています」

 あ、ジミーさんがいます。

アンナ「志村先生、あの人が村長さんです。挨拶あいさつに行きましょう」
志村 「はい」

アンナ「ジミーさん、こんにちは」
ジミー「アンナさん、いらっしゃい。今日から見学でしたね」
アンナ「はい。今回、見学の引率をする志村先生です」
志村 「志村です。お世話になります」
ジミー「ジミーです。この村の村長をしています。
    今日は新しい村役場が完成したので、
    引っ越しをしているところです。
    ご案内できず、すみません」
志村 「お忙しいところ、面倒をおかけします」
ジミー「アンナさん、村の中はご自由に見学してください」
アンナ「はい、ありがとうございます」
志村 「ありがとうございます」
ジミー「私はこれで失礼します」

 ジミーさんは、荷車を引きながら大通りの方に向かいました。



アンナ「それでは、村をご案内します」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

処理中です...