異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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 ここは、ワウラの街の入口付近です。

 私たちは飛行島から転移してきました。
 これから街を案内します。

志村 「魔法で移動、すごいですね」
加藤 「しかも一瞬です」

 わたしは、行列に並んでいる間に街での注意事項を説明します。

 私たちは手続きを済ませて街の中に入りました。

志村 「魔道具のおかげで、言葉が理解できました」
加藤 「日本語吹き替えの映画を見るようでしたね」

 私たちは停車場に向かっています。
 
 停車場に到着しました。馬車の数が増えています。
 わたしはおカネを多く支払い、馬車を貸切にしました。
 四人で馬車に乗ります。

アンナ「クッションを使ってください」

 わたしは全員にクッションを配りました。
 馬車が出発します。

アンナ「陽子さんは、馬車に乗った経験がありますか?」
陽子 「いいえ。初めてです」

 陽子さんは、まだ知らないことが多いですね。一緒に連れて来て正解でした。

 二人は町並みをスマホで撮影しています。

加藤 「素敵な街」
志村 「活気がありますね」

加藤 「建物のデザインが統一されていて美しいです」
志村 「日本の町並みとはまるで違いますね」

加藤 「あ、人以外の種族」(小声)
志村 「ファンタジーですね。地球では体験できませんよ」

     *

 私たちは馬車で街の中を見学して、停車場に戻ってきました。

アンナ「どうでしたか?」
加藤 「生徒達に街を見せたいです」
志村 「ただ、街の人に迷惑をかけないか、心配です」

 わたしもそれが心配です。

 これは、わたしが日本にいるときに聞いた話ですが、
 ある修学旅行の生徒が某有名テーマパークのキャラクタースタッフを池に突き落としたため、
 その学校の生徒は永久に出入り禁止になっているそうです。

加藤 「迷惑行為は困りますね。どうしましょう」
志村 「街の見学は前向きに検討したいです。
    ルールについてはあとで考えましょう」
加藤 「はい」

 そのあと私たちは、ギルドや市場、人気店などを見て、街を出ました。

加藤 「街に入るときも気になっていたんですが、
    たくさんの馬車やテントはなんですか?」
アンナ「街の宿が足りず、皆さんここで寝泊まりをしています」
加藤 「そういうことですか」
志村 「それだけ人気がある街ということですね」
アンナ「はい」

     *

アンナ「この近くに発展途中の村があります。ご覧になりますか?」
志村 「はい」
加藤 「見たいです」

 私たちは歩いてアンナミラ村に向かいました。

     *

 アンナミラ村に到着しました。

アンナ「ここがアンナミラ村です」
志村 「アンナ、ミラ? アンナさんと関係がある村ですか?」
アンナ「街の食事を充実させるために、食材作りをお願いしたら、
    いつの間にか発展しました」
加藤 「村の発展にも関わるなんて、すごいです」

 わたしは仕事を丸投げしているだけです。

 さて、わたしは集会所に行きました。

コン、コン、コン。

アンナ「アンナです」
ジミー「どうぞ」
アンナ「こんにちは」
ジミー「アンナさん、いらっしゃい」
アンナ「知り合いを連れてきました。村を見学してもいいですか?」
ジミー「はい。私は忙しくて手が離せません。ご自由に見てください」
アンナ「はい」
 
 忙しいのは、たぶんわたしのせいです。すみません。
 わたしは集会所を出ました。

アンナ「村の中を見学しましょう」

 わたしは二人を案内しました。

加藤 「ここも建築中の建物が多いですね」
アンナ「はい。住居が足りないので、バラックに住んでいる人も多いです」

 わたしは二人を砂糖工房に案内しました。

アンナ「ここが砂糖工房です」
加藤 「甘いにおい」
志村 「暑いですね」
アンナ「はい。火を使うので工房内は暑いです」
志村 「薪を使っているんですか?」
アンナ「はい。火の加減が難しいそうです」

 火加減を間違えると砂糖ではなく、カラメルソースが出来ます。

アンナ「次に行きましょう」

 次は畜産工房を案内します。

     *

 畜産工房に到着しました。

アンナ「ここでは、バターやチーズ、ヨーグルト、生クリームなどを作っています
    ここの乳製品は街で人気があります」
志村 「ここも機械ではなく、すべて手作業ですか?」
アンナ「はい、大変な作業です」

 次は畜舎を案内します。

     *

 畜舎に到着しました。

アンナ「ここでは、鶏、イノシシ、羊、ヤギ、牛などを飼育しています」

加藤 「黒い鶏ですね」
アンナ「はい。元は野生の鶏です」

 私たちは畜舎を見学したあと、牧場に向かいました。

     *

 ここは広い牧場です。
 ちょうど、牛が放し飼いにされています。

アンナ「あの牛、なんだかお分かりになりますか?」
志村 「まさか、オーロックス?」
アンナ「はい。そうです」
加藤 「数百年前に絶滅した牛ですね」
志村 「はい。ラスコー洞窟の壁画にも描かれています」

 二人はスマホで写真を撮っています。

志村 「生徒達にこの牛を見せたいです」
加藤 「いいですね」

 最後は農場を案内します。

     *

 農場に到着しました。

アンナ「ここが農場です」
加藤 「広いですね」
志村 「向こうの畑はなにも栽培していないようですが?」
アンナ「秋に種まきをする予定です。栽培するのは小麦、菜種、ソバなどです」

アンナ「街や村の人口が増えると農作物も増産する必要があります」
加藤 「村の発展が楽しみですね」
アンナ「はい」

アンナ「村の見学は以上です」

     *

 わたしは、集会所に向かいジミーさんに挨拶をします。

 コン、コン、コン。

アンナ「アンナです」
ジミー「どうぞ」
アンナ「見学が終わりました」
ジミー「なにもお構いできず、すみません」
アンナ「気にしないでください。それでは失礼します」
ジミー「また来てください」
アンナ「はい」

 わたしは集会所を出ました。

アンナ「次は観光地を見に行きます」

アンナ「転移」



 私たちは次の場所に転移しました。
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