異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

文字の大きさ
上 下
168 / 243

168 野球です 2

しおりを挟む
 ここは、孤児院の庭です。

 一時的に野球のグラウンドになっています。
 手打ち野球の試合が始まりました。

*1回表
 最初の打者はケン君です。

 ここはキャプテンとして、攻撃の見本を見せたいところですね。

 メリーチームの守備陣は、内野が4人、ファースト、セカンド、サード、ショートで、年上の子が多いです。
 外野は3人、ライト、センター、レフトで年下の子が多いです。
 手打ち野球にピッチャーとキャッチャーは、いません。
 陽子さんはファーストです。

 ケン君が打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。打球は弧を描き、レフトに落ちます。
 レフトの子はボールをどうしていいのか、わかりません。
 ショートの子が声をかけます。
 レフトからショート、ショートからファーストに送球されました。

アンナ「セーフ」

 余裕のセーフです。お手本のような打球でした。

 次の打者はローラです。打席にはいりました。

 ぽん。

 打ちました。今度はライトです。
 ライトの子がボールを拾いました。

二塁手「こっち」

 ライトの子がセカンドに送球します。

アンナ「アウト」

 ローラはセーフです。
 ケン君がベンチに戻ります。

 1アウト、1塁です。

 三番打者が打席に入りました。左利きです。

 ぽん。

 ファーストゴロです。
 しかし、打者は3塁に向かって走っています。初心者あるあるです。

子供達「ちがう、そっちじゃない」

 打者はあわてて、1塁に向かいますがアウトです。
 ファーストは2塁に送球しました。

アンナ「タッチアウト」

 ファーストの陽子さんは、ルールを完璧に覚えています。
 ナイスプレイです。

アンナ「スリーアウト、チェンジ」

 得点はゼロです。
 わたしはスコアボードにチョークで「0」と書き入れました。 
 攻守が入れ替わります。

 普通の野球と違って、ピッチャーからの投球がなく、打者がすぐ打てるのでゲーム展開が早いです。
 これも手打ち野球のいいところです。

     *

*1回裏
 最初の打者は陽子さんです。打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。打球が高いです。レフトの頭上を越えました。
 レフトはボールを追いかけます。
 陽子さんは1塁を踏み、2塁に向かいます。
 レフトが送球しました。

アンナ「セーフ」

子供達「すごーい」

 メリーチームから歓声があがります。

 ノーアウト、2塁です。

 次の打者はメリーさんです。打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。フライです。ファーストがキャッチしました。

アンナ「アウト」

 陽子さんは2塁から動きません。
 手打ち野球には、タッチアップがありません。

 1アウト、2塁です。

 三番打者が打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました? かろうじて右手に当たり、打球はホームベースの前にぽとりと落ちました。

アンナ「フェア」

 打者は1塁に向かって走ります。
 打球を誰も取りに来ません。
 サードがボールを取りに来ました。

 1塁はセーフです。陽子さんは2塁から3塁に進みました。

 ピッチャとキャッチャーがいないので、こういう時は内野手がボールを取りに来るしかありません。
 これも手打ち野球あるあるです。

 1アウト、1塁、3塁です。

 四番打者が打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。打球は1塁の外側です。

アンナ「ファウル」

 もう一度打ちます。

 ぽん。

 打ちました。1、2塁間を抜けていきます。
 陽子さんはホームに向かっています。
 バウンドしたボールをライトがキャッチして、1塁に送球しました。

アンナ「1塁、アウト」

 その間に走者は2塁とホームに進み、得点が入りました。

攻撃陣「やったー」

 打者はアウトになりましたが、走者二人を進めたので大きな貢献です。
 わたしはスコアボードに「1」と書き入れました。

 2アウト、2塁です。

 五番打者が打席に入ります。

 ぽん。

 打ちました。フライです。セカンドがキャッチしました。

アンナ「アウト」

アンナ「スリーアウト、チェンジ」

 1回裏が終わりました。
 それぞれのチームが攻守を体験して、野球の感覚がつかめたと思います。



 次は2回表です。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷宮の人形姫

りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。 幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。 ※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。 ※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので) そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?

志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。 そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄? え、なにをやってんの兄よ!? …‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。 今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。 ※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

処理中です...