異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

文字の大きさ
上 下
165 / 243

165 ワウラの街です 2

しおりを挟む
 ここは商業ギルドの前です。

 私たちは冒険者ギルドから歩いて、商業ギルドに到着しました。

アンナ「陽子さん、ここが商業ギルドです」
陽子 「はい」

 ここは来客が多いですね。外まで行列が出来ています。
 いま商業ギルドは拡張工事をしています。
 業務を停止する訳にはいかないので、大変ですね。

 私たちは中に入りました。

マギー「あ、アンナさん・・・ギルミス、アンナさんが来ました」
ジーナ「応接室に通して」
マギー「はい」

 私たちは応接室に通されました。

マギー「そちらのかたは?」
アンナ「妹の陽子です」
陽子 「陽子です。よろしくお願いします」
ジーナ「ギルドミストレスのジーナです」
マギー「サブミストレスのマギーです」
ジーナ「座ってください」

マギー「料理レシピと技術特許の登録をお願いします」

 未登録のレシピ? 技術特許?
 なにを登録したのか、全く覚えていません。

 未登録のものは書類になって用意されていました。
 カレーライス、クリームシチュー、その他・・・

 わたしは書類の目を通してサインしました。

マギー「次は、売ってほしいものがあります。
    コーヒー、ココア、チョコレート、それから・・・
    小麦粉はありますか?」
アンナ「小麦粉ならありますよ。」
ジーナ「どれくらいの量がありますか?」
アンナ「・・・・・・売るほどあります。ここに出しますか?」
ジーナ「ちょっと待ってください・・・
    倉庫にお願いします・・・マギー」
マギー「はい・・・倉庫のご案内します」

 わたしと陽子さんは商業ギルドの倉庫に案内されました。

マギー「小麦粉は、ここに出してください」

 わたしは小麦粉を20トン出しました。

マギー「こんなに・・・」
ジーナ「すごい量ね・・・アンナさん、米はあるかしら?」
アンナ「ありますよ」
ジーナ「この半分の量をお願いできますか?」
アンナ「はい」

 わたしは米を10トン出しました」

マギー「それから・・・」

 わたしは、塩、食用油、肉類、香辛料など、売るほど出しました。

 マギーさんは、そろばんで計算をしています。

ジーナ「アンナさんは、食材以外に木材や鉄をお持ちですか?」
アンナ「ありますよ」
マギー「こちらに来てください」

 わたしと陽子さんは資材置き場に案内されました。

マギー「ここにお願いします」

 わたしは、角材、板材、鉄のインゴットを大量に出しました。

マギー「すごい、加工済みの木材・・・」
ジーナ「アンナさん、ありがとうございます」
マギー「ありがとうございます」

ジーナ「マギー、計算は?」
マギー「すみません。資材は重さを量り、相場を調べる必要が
    あります。この場では買取価格を計算できません」
ジーナ「アンナさん、代金は後日でよろしいですか?」
アンナ「はい」

 二人は、この街の状況について話してくれました。
 わたしが登録した特許とレシピを目当てに商人が国中から集まっていること。
 送金というシステムがないので、特許とレシピを買うためには、登録されたギルドに出向く必要があること。
 この街に多くの商人がやって来るので、食材や宿が足りないこと。
 この街に移り住む人や、店の新築や改築をする人が増えたので建築資材が足りないことなど。

 ようするにこの街のあわただしい状況は、わたしが原因ということですね。
 しかし、街の経済が潤い、税収が増えるので、感謝していると言われました。
 しばらくすれば、食材や資材を売りに来る商人も増えるはずなので、やがて落ち着くとのことです。

 正直に言えば、わたしは街の発展に興味はありません。異世界ツアーが円滑に進めばそれで充分です。

陽子 「商業ギルド、ワウラの街の状況、記録しました」
アンナ「それでは次の場所に行きましょう」
陽子 「はい」

 私たちは商業ギルドを後にしました。

     *

 わたしと陽子さんは、お肉屋さんにきました。ニックさんのお店です。
 ここもお店が拡張されています。まだお昼前ですが何人か並んでいます。
 私たちは新しいお店に入りました。
 売っているのは、カツレツバーガー、ホットドッグ、フライドポテトです。
 ファストフードのお店ですね。お肉屋さん直営なので絶対美味しいです。

 ニックさんがいました。

アンナ「ニックさん、こんにちは」
ニック「アンナさん、いらっしゃい」
アンナ「今日はこの子を紹介するために来ました。
    妹の陽子です」
陽子 「陽子です。よろしくお願いします」
ニック「こちらこそ、よろしくお願いします。
    黒目、黒髪、アンナさんに似ていますね」

 わたしに似ていると言われたのは初めてです。

アンナ「お店、大きくしたんですね」
ニック「はい。アンナさんのおかげです。
    少し前まで肉だけ売っていたのが、うそみたいです」
アンナ「ニックさんが努力した結果ですよ」
ニック「加工肉やソースの売り上げも順調です。
    それからフォンドヴォー、作ってみましたよ」
アンナ「どうでしたか?」
ニック「手間と時間がかかりますが、最高です。
    シチューやソースが格段に美味しくなります。
    食堂や宿屋がよく買ってくれます」
アンナ「それはよかったです」

アンナ「今日はレシピを持ってきました」
ニック「ありがとうございます」
アンナ「以前に話していた内臓料理のレシピです」

 この街では、動物の内臓を食べる習慣がありません。
 解体場に行けば、内臓はただ同然でもらえます。
 
 わたしはニックさんにレシピを渡しました。

アンナ「それから、これがキョフテのレシピです。
    挽肉をねて作る料理です。
    焼く、煮る、揚げるなどの調理法があります」
ニック「ありがとうございます。」

 お店の中はいい匂いがしているので、お腹がすきました。
 もうすぐお昼なので、ここでランチを買いましょう。

アンナ「ニックさん、カツレツバーガーとポテトを三つずつください」

 わたしはバスケットを渡しました。

アンナ「これに入れてください」
ニック「はい。お待ちください」

 一人分多いのは、女神ローラの分です。

     *

 少し待つと出来上がりました。

ニック「お待たせしました」

 わたしはバスケットを受け取り、おカネを支払いました。

アンナ「また来ます」
ニック「はい。ありがとうございました」

 わたしはお肉屋さんを後にしました。



 次は公園に向かいます。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷宮の人形姫

りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。 幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。 ※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。 ※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので) そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

美しい姉と痩せこけた妹

サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

処理中です...