また出会えたらその時は

華月

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神殿編

55.楽しむ余裕などない! side.レオナルド

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 息の荒いカイをやっと馬車に乗せることが出来た。さてこれからどうしようか。直ぐに城へ向かうか、少し発散させてからの方がいいか。そう思案していると、馬車の扉から手が差し込まれた。

「殿下ッ! これを!」
「何者だ!」

 その手には、白い包み。薬のようだ。警戒して腕の先を見ると、知っている顔だった。

「お前は……グラート!?」
「はい! お久しぶりです殿下! こちら、ルドレスの特効薬です。司教と司祭があの花を取り寄せているのを見て、準備していたものです。よろしければお持ちください!」

「……! 頂こう。助かる。」

 そう言って扉を閉めて、すぐに薬らしきものを鑑定すると、グラートが言う通りルドレスの特効薬だった。しかし水がない。

「カイごめん、神殿まで水をもらいに…」

 言い切る前に、腕を掴まれた。

「やだ……待てない。……レオの、唾液があるだろ。」

 カサリと薬の包みをあけてみると、そこまで多くはない粉薬だ。これなら大丈夫かもしれない。とりあえず、ゆっくりと馬車を走らせる。城の周りをぐるぐる周回するように指示をした。

「……わかった。ちょっと待って。」

 少し唾液を溜めて、粉薬を口に含んだ。そっとカイに口付けると、少し口が開く。隙間から、少しずつ薬を送り込んでいくが、これがなかなか難しい。   
 全部送り込んで口を離そうとすると、カイの方からぐいっと引き寄せられて、俺の口の中を全部舐め尽くして掻っ攫っていった。

「これで……全部、かな。」

 ふふ、と笑うカイが本当に扇情的で、思わず目を逸らしてしまった。カイだって、こんな風になりたくてなっている訳ではないのに、不謹慎にも欲情してしまう自分が許せなかったんだ。

「はふ……レオ、どした?」
「いや、とても見てられなくて。カイ、辛いか?」
「そか……はぁ……つら、…じゃあ、そのまま、そっち……向いてて。」

 わかった、と横を向いていると、なにやらゴソゴソと音がする。暫くすると、くちゅくちゅと水音が耳に届いた。

「ん……はぁ。……はっ……」

 間違いなく、カイは一人でシてる。俺は手伝った方がいいのか……。いや、下心があるし……そんなの、今の状況じゃ不純では……。

「は、……ん、んんッ!」

 どうやら上手くイけたみたいだ。発散させると楽になるらしいから、落ち着けばいいけれど。

「レオ、これ……おかしい、はぁ、早いし、いつもこんなに、気持ちくないのに……!」
「そういうものだよ。感度も増してるからね。」
「なあレオ、どしたら……いい? くすり、まだ、きかない?」

 辛そうな声に、ついカイの方に顔を向ける。目に涙をいっぱい溜めて、俺を見ていた。

「カイっ」
「あっ、……んん、」

 思わず抱きしめてしまったら、それですらも感じてしまうようだった。

「催淫効果が強いから、薬が効いてくるまで自分で加減しながらしたほうがいいと思う。俺にできることあったら言って。……城まで我慢できる?」
「あんまり、できないけど、今出したから……なんとか……はぁっ」

 急いで城まで直行すると、一気に寝室へ駆け込む。これでカイの姿を晒すのは最小限にできたはず。
 ゆっくりカイをおろすと、幾分か落ち着いたような顔をしている。

「気分は? さっきより良さそう?」
「ん、ちょっとだけうずうずするのおさまったかも。」
「そうか……よかった。」

 頬を撫でると、小さく声が漏れた。

「あ…ッ!」
「ごめん!」

 少しよくなっただけだから、まだだめだろ! 俺の馬鹿!

「なんか、っは、さっきから……レオ変じゃない? 変な顔して……」
「……なりたくてなったわけじゃないのに、こんな状況のカイに欲情してて、俺最悪だなと……。」

 一瞬呆気に取られた顔をして、カイは笑う。

「ふ、あはは……ッ! おまえは真面目すぎるよ……。ふぅ、なっちまったもんは……はぁ……しょうがないんだから、さ。楽しめばいいよ。……楽しんだもん勝ちでしょ。」
「……そういうもの?」
「少なくとも、今、は。……はぁ……ところで、いつになったら、襲ってくれんの? 待ってるんだけど?」
「もう……」

 こんな誘い方するなんてズルい。シたいけど……。そりゃシたいけど……!

「カイ、すご…」

 見れば、いつもより硬く勃った陰茎から先走りがたらたらと流れている。それを指に取ると、後ろの蕾に埋めた。

「ひゃああぁぁ……!! あっ! すご、むりぃぃ!」

 指を挿れただけでこれだなんて、刺激が強すぎる……。ダメかな、と思いつつも指をくっと曲げて前立腺をコリコリと擦ってみた。

「あ゙あ゙ああ! イく! イくぅ!」

 背中を反らせて達したカイは、びくびくと震えている。射精していないから……。中だけでイったのか。

「カイ、大丈夫? 強すぎた?」
「きもひぃ……はぅ……」

 カイは恍惚とした表情を浮かべている。あまりやりすぎて快楽堕ちしても困るから、加減が難しい……。本当は、自身で慰めながら薬の効果を待つのがいいのだけど。

「意識ある?」

 ぺちぺちと頬を軽く叩いてみると、ちゃんと返事が返ってきた。

「ある、あるよ。ああ……今の、指? やっっばかった……ぁ。」

 ちゃんと話せてる。よかった。ふぅ、と息をつく。

「どうする? 落ち着いたならもうやめとこう?」

 不意に、カイが俺の下半身を寛げ始める。下穿きから取り出したそれは、しっかり勃っていた。
 何も言わずにべろっと舐めて、そのまま俺を見上げてくる。うぅ……可愛い……。

「これ、ちょうだい?」

 首を傾げて、頬にぺちぺちと当てている。どこでそんなの覚えたの……。

「あげたいのはやまやまだけど、カイが壊れてしまう。だから、俺にこれちょうだい。」

 カイの身体を起こして、陰茎を口に含んで舐めてやると、先走りが更に溢れてきた。

「んんあぁ……! レオなんでっ、あっ! ああ゙ああぁぁ……きもちいぃ……!」

 ずっと張り詰めていたそれは、少し舐めてから扱くと、すぐに達してしまった。カイの腹が白濁に塗れる。

「はぁ、はぁ、はぁ、おれの、とけちゃう……。はぁ……。」

 もう少しかと今度は胸を弄ってみる。摘むとびくんと身体が跳ねた。もう片方の手は、腹の白濁を指に塗りつけて、再び前立腺を目指して挿れた。

「ひぃぁぁ! ぁ、あ! あ」

 ぬるぬると動かして、前立腺を刺激する。様子を見ながら胸も触る。さっきより時間が掛かっているから、催淫効果が落ち着いたということでいいのかな。

「れお、や、あああ! そこ、あっ! あッ……んんんんッ!!」

 一気に責め立てると、また中でイッたようだ。

 カイの顔に掛かった髪をどけてやり、頭を撫でる。俺の手にすりすりと擦り寄ってくるのが愛らしい。

「身体はどう? まだ疼く?」
「大丈夫……。レオ、ごめん、ありがと……」

 そう言い残して、カイは瞼を閉じた。疲れたのだろう、気持ちよさそうな寝息が聞こえる。身体を清めてやり、夜着を着せた。

 なんとか落ち着かせることが出来た。カイを壊すようなことがなくて本当によかった……。カイってば、楽しめだなんて。心配で全然それどころじゃなかった。明日になれば、またカイの元気な姿を見られるかな。
 なんだかそんな気分になれなくて、俺は自然に萎えるのを待ってからカイを抱きしめて眠った。
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