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しおりを挟む木造の一軒家、いろんな角度から見回してみたが、それ以外に感想が思い浮かばない。
取り敢えず、訪ねてみるかと、三回。ノックをした。
・・・・・・・・
反応が無い。もしかして、誰も住んでないのではないか。
でもメグリの個体反応は有るらしい
ドアノブをゆっくりと握り、開ける。
するといとも簡単にカチャリと開いてしまった。
目の前の人を見た時、俺は驚いた
俺にそっくりな…俺が後10歳位歳を取ったらこうなるであろう。みたいな人物がいた。
「お前まさか…俺の…クローン…?」
咄嗟に出た言葉に、その男性はぽかんと呆けた後に「あっはっは!」と大笑いし始めた。
何がおかしいのやら、こっちは分からない。
数分笑い転げた後、男性は此方へ向き直り、こう言った。
「初めまして、今の僕。僕は未来の僕だよ」
頭がこんがらがる。どうして未来の自分が此処に居る?
「ははっ、どうしてっていうような顔をしてるね。僕はね、君のバグなんだ」
「バ…グ……?」
意味が分からない。
「君、自分が死んだらまたあの浜辺からスタートすると思ってるでしょ?それ、違うからね?」
「…え?」
今までの常識が覆される、そんな予感がした。
「まぁ大体は有ってるよ。ただ、違うのは君が死んだ、と思った瞬間に浜辺からスタートするんだ。つまり、肉体が死んでなくても、君が死んじゃったと思うことで浜辺からスタートするんだよ。僕は、その死にかけた時に助けられてから、十数年ここで暮らしてる。そう、今の君の観察も兼ねてね。」
俺は頭が真っ白になった。そんな俺の様子を見て、メグリも不安そうにする。
「僕は君と敵対するつもりは無かったんだよ。ほんとだよ?でも、此処まで来てしまったのなら…仕方ないよね。」
そう言うと、未来の自分は拳銃のようなものを懐から取り出した。
そうして此方へと銃口を向ける。
撃たれる…!と思ったが一向に撃ってはこない。
「殺すつもりなら、いっそひと思いに殺せ」
俺はそいつを睨みつけながら言った。
「いやぁ、死ぬ前に少し、冥土の土産にでもお話をくれてやろうとおもってさ。メグリが、どうして出来たのか、知りたくないかい?」
それにメグリが反応する。
「はぁ、どうせ殺されるんだろ。教えろよ、俺はともかく、メグリには知る権利が有る。」
そう言うと、そいつはにんまりと笑って頷いた
「はは、随分と仲良くなったようだねぇ。」
「じゃあ、此処からは昔話タイムだ」
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