【1話完結】5分で人の怖さにゾッとする話

火事

〇〇市で住宅火災、1人死亡ｰｰこの家に住む5歳の少女か


16日正午、○○市で住宅１棟が焼ける火事があり、焼け跡から１人が遺体で見つかりました。
火事のあと、この家に住む5歳の女の子の行方が分からなくなっているということで、警察が身元の確認を進めています。

近隣住民から「建物の窓から黒煙がでている」と119番通報がありました。

消火活動の結果、火はおよそ５時間後に消し止められましたが、この火事で、焼け跡から１人が遺体で見つかったということです。

また近所の人などによりますと、この家に住んでいるのは夫婦と小学生の男の子、それに未就学の女の子だということです。
男の子は自力で逃げましたが、喉と足にやけどを負い搬送されました。

これまでの警察の調べで、出火当時、夫婦は外出しており、住宅の玄関は鍵がかかっていました。
室内には荒らされた形跡などもなかったということです。

警察は亡くなったのは夫婦の子どもの女の子とみて身元の確認を進めるとともに、火事の原因を詳しく調べています。


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「なんで菜々ちゃんいるのに玄関に鍵閉めて逃げたの！！」

「だって、だって…」

「お母さん、鍵閉めてないわよね？あんたに鍵渡してたわよね？」

｢ぼくね、ぼくね、｣

｢うるさい！あんたのせいで菜々は死んだの！！この能無し！！あんたが死ねばよかったのよ！！」

この言葉を皮切りに、男の子は大声を出して泣き出す。傍にいる父親らしき人物は見向きもせずぐったりと肩を落とし座ったままだ。

「なんで、なんでぇっ～」

「泣きたいのは菜々の方よ！！このグズ！あんた、菜々が鍵開けられないの分かってる！？」





（お母さん、なんで褒めてくれないのぉ？
ぼくね、ぼくね、酸素がなくなると火が消えること知ってるよ、だから、だからね、窓も鍵もぜんぶ閉めて逃げたのに…なのに…ぼくもやけどして痛いのに…ぜんぶ…菜々のせいで…）