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少女と日常
少女と恋する乙女のお悩み2
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「というわけなんだけど五穀。どう思う?」
「いやどう思うと言われてもじゃな」
反応に困っている。そりゃそうだ。
「そもそも問題として神様と人間の恋は許されるのかね?」
「あーそれは別にじゃな。その神の見解次第じゃ。人間と神とでは寿命も違うし能力も違う。子をなすのであれば話は別じゃが恋程度なら割と許してる奴らの方が多いと思うぞ」
え、神様ってそんなフランクなの?
「それで五穀はそのビルの屋上の神様のこと知ってる?」
「知らん」
ですよねー。
「わしはほとんどあの社に引きこもっていたのじゃぞ?外のことや他の神のことなど知るわけなかろう」
「うんまぁそうだよね」
「これで手詰まりか」
「・・・お主ら。そのビルの屋上にある神社に出てきたという浴衣の男を神だと言っているが本当に神なのか?」
「「え」」
「だって神社だよ?普通に神様がいるんじゃないの?」
「神がいるから神社が建つのではない。神社が建った場所に神が来るのじゃ」
「どういうことだね?」
「神社に祀られているからと言って神とは限らないということじゃ。お主らにはまず神について教えよう」
「「お願いします」」
座り直し彼女の方に向く。
「よろしい。ではまず神とはなんじゃ?リュヌ、答えてみろ」
「流石にそれはわかる。神とは昔その土地に住まう人々が団結の証として祀ったものだ。今ではその数は増え神の定義も変わり八百万の神なんて呼ばれていたりするが基本はそうだ」
「うむあっておる。さすが小説家じゃな。ではウサギよ。神社とは何か言ってみぃ」
「えっと神様を祀るところ?」
「違う」
「え、違うの?」
「神社とは神に地上に降りてきた時に快適に暮らしてもらうための施設じゃ。故に神社を作った土地に神が必ず降りてくるとは限らない」
へぇーそうなんだ。普通に知らなかった。
「じゃから神社があるからといってそこに神がいるとは限らん。そしてここからが話の本題じゃがその神社にいるのは果たして本当に神なのかということじゃ」
「?今の話を聞く限り神が降りてくる場所が神社なら屋上のは神ではないのかね?」
「わからん。そもそも人々の団結の証、そして一定の信仰によって定義上、神と扱われるが実際には妖怪だって人間だって神になる。わしを例に取っても良いがそれより平将門やぬらりひょんなんかがわかりやすいかの?」
確かに。ぬらりひょんは妖怪だけど神聖視されてほとんど神様扱いだし平将門は人間の身で神様になった人だし。
なるほど。だから神社があるイコール神様がいるじゃないんだ。そこに祀られているのは妖怪かもしれないしただの人間かもしれない。どっちみち定義上神様として扱われてはいるが神様なのか人間なのか妖怪なのかはわからないんだ。
「じゃからその話を聞いただけでは神かどうかわからん。それともう二つ疑問点がある」
「疑問点?」
「その神?はなぜ普通の人間に見えたのかということなぜ消えかかっているのかということじゃ」
「どゆこと?」
「普通に考えてみぃ。神がそんなポンポン見えるわけなかろう。見えないからこそ信仰の対象になるし逆に見える人間は巫女や術士扱いされる」
それはそうか。神様が普通にみんな見えたら神聖視されないから。
「この点についてはわしも疑問なのじゃ。ウサギ。リュヌ。お主らはなぜわしのことが初見で見えたのじゃ?」
「え?五穀が見えるようにしてくれたんじゃないの?」
彼女は首を横に振る。
「しとらん。確かに可視化と不可視化を分けることはできるがウサギと初めて会ったときもリュヌと初めて会ったときもわしは可視化を使っておらん。なぜ見えたのじゃ?」
私たちは顔を見合わせる。そう言われてもお互いに全く心当たりがない。
「その質問には答えられない。私たちも身に覚えがないのだ」
「そうか。それならあのトレミといったか?そやつはどうなのじゃ?」
私たちはトレミさんがその神様と初めて会ったときのことを話した。
「話を聞いた限り特別なことはしてないようじゃな。ますます謎じゃ」
「まぁそれは一旦置いといていいんじゃない?」
「そうじゃな。もう一つの疑問点について話そう」
「いやどう思うと言われてもじゃな」
反応に困っている。そりゃそうだ。
「そもそも問題として神様と人間の恋は許されるのかね?」
「あーそれは別にじゃな。その神の見解次第じゃ。人間と神とでは寿命も違うし能力も違う。子をなすのであれば話は別じゃが恋程度なら割と許してる奴らの方が多いと思うぞ」
え、神様ってそんなフランクなの?
「それで五穀はそのビルの屋上の神様のこと知ってる?」
「知らん」
ですよねー。
「わしはほとんどあの社に引きこもっていたのじゃぞ?外のことや他の神のことなど知るわけなかろう」
「うんまぁそうだよね」
「これで手詰まりか」
「・・・お主ら。そのビルの屋上にある神社に出てきたという浴衣の男を神だと言っているが本当に神なのか?」
「「え」」
「だって神社だよ?普通に神様がいるんじゃないの?」
「神がいるから神社が建つのではない。神社が建った場所に神が来るのじゃ」
「どういうことだね?」
「神社に祀られているからと言って神とは限らないということじゃ。お主らにはまず神について教えよう」
「「お願いします」」
座り直し彼女の方に向く。
「よろしい。ではまず神とはなんじゃ?リュヌ、答えてみろ」
「流石にそれはわかる。神とは昔その土地に住まう人々が団結の証として祀ったものだ。今ではその数は増え神の定義も変わり八百万の神なんて呼ばれていたりするが基本はそうだ」
「うむあっておる。さすが小説家じゃな。ではウサギよ。神社とは何か言ってみぃ」
「えっと神様を祀るところ?」
「違う」
「え、違うの?」
「神社とは神に地上に降りてきた時に快適に暮らしてもらうための施設じゃ。故に神社を作った土地に神が必ず降りてくるとは限らない」
へぇーそうなんだ。普通に知らなかった。
「じゃから神社があるからといってそこに神がいるとは限らん。そしてここからが話の本題じゃがその神社にいるのは果たして本当に神なのかということじゃ」
「?今の話を聞く限り神が降りてくる場所が神社なら屋上のは神ではないのかね?」
「わからん。そもそも人々の団結の証、そして一定の信仰によって定義上、神と扱われるが実際には妖怪だって人間だって神になる。わしを例に取っても良いがそれより平将門やぬらりひょんなんかがわかりやすいかの?」
確かに。ぬらりひょんは妖怪だけど神聖視されてほとんど神様扱いだし平将門は人間の身で神様になった人だし。
なるほど。だから神社があるイコール神様がいるじゃないんだ。そこに祀られているのは妖怪かもしれないしただの人間かもしれない。どっちみち定義上神様として扱われてはいるが神様なのか人間なのか妖怪なのかはわからないんだ。
「じゃからその話を聞いただけでは神かどうかわからん。それともう二つ疑問点がある」
「疑問点?」
「その神?はなぜ普通の人間に見えたのかということなぜ消えかかっているのかということじゃ」
「どゆこと?」
「普通に考えてみぃ。神がそんなポンポン見えるわけなかろう。見えないからこそ信仰の対象になるし逆に見える人間は巫女や術士扱いされる」
それはそうか。神様が普通にみんな見えたら神聖視されないから。
「この点についてはわしも疑問なのじゃ。ウサギ。リュヌ。お主らはなぜわしのことが初見で見えたのじゃ?」
「え?五穀が見えるようにしてくれたんじゃないの?」
彼女は首を横に振る。
「しとらん。確かに可視化と不可視化を分けることはできるがウサギと初めて会ったときもリュヌと初めて会ったときもわしは可視化を使っておらん。なぜ見えたのじゃ?」
私たちは顔を見合わせる。そう言われてもお互いに全く心当たりがない。
「その質問には答えられない。私たちも身に覚えがないのだ」
「そうか。それならあのトレミといったか?そやつはどうなのじゃ?」
私たちはトレミさんがその神様と初めて会ったときのことを話した。
「話を聞いた限り特別なことはしてないようじゃな。ますます謎じゃ」
「まぁそれは一旦置いといていいんじゃない?」
「そうじゃな。もう一つの疑問点について話そう」
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