龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

生まれかわり

70 パターンC-8

風が止んだ。

リリアがハルトを見ると。ハルトが、フローラが歩いている方向を見ながら泣いていた。
「ハルトどうしたの？」と心配そうに声をかける。

返事がない。

ハルトが「母上…。」

「ハルト。ハルト。」と何度か呼ぶと。

ハルトが、リリアを強く抱きしめた。

「リリア。愛しているよ。昔から今もずっと変わらず。」

「こんなヨボヨボ(実際は若く見える)のおばあちゃんでも。」

「リリアは、いつまでも美しいよ。そのシワは、俺と共に歩んでくれた証だ。このシワの一つ一つが、愛おしい。(チュ)俺だって、ヨボヨボ(こちらも変わらず。年齢不詳)の爺さんだ。そんな俺は…嫌か？」

「ふふ。私はどんな姿でも。私の愛する旦那さまよ。」

「リリア。(チュ)(チュ)やっとやっと…この年まで一緒に過ごせた。母上も幸せな人生を…。」

「ハルト。どうしたの？」

ハルトは、リリアを抱きながら～願っていた。