龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

生まれかわり

51 パターンB-29

「そんなぁ～。アキト…。」

アキトを思い出し涙を流すリリアをハルトは、拒絶されるが無理やり抱きしめ。

「俺達は前世では…数奇な運命にほんろうされながら、悲惨な最期を迎えた。あの女王と魔女のせいで、すれ違いをした。もう。俺達の邪魔をした、あいつらはいない。前世で実現できなかったが、今度こそ家族で幸せに暮らそう。」とリリアを強く抱きしめた。

「アキト。アキト。」とハルトの腕の中で、抵抗した。

「リリア。辛い事は、忘れてしまおう。」と[忘れ薬]をリリアに無理やり飲ませた。(口移しはできない)

「嫌。忘れたくない。ハルトなんて嫌いよ。前世で、私がどれだけ辛かったかわかる？どんなにハルトに会いたかったか。女王との噂やあれを聞いて、どんなに傷ついたか。そして…私がどんな気持ちで最期を迎えたのか。やっと。ハルトではないアキトと、幸せになるはずだったのに。また。辛い思いをしなきゃいけないの？嫌よ。嫌。離れて。セイ。ルナ。助けて～。」

バタン　

リリアは、薬の効果で眠りについた。

「リリア。おやすみ。(チュ)
俺がアキトとして、今度こそ幸せにするよ。この龍のアザに、誓って。」ハルトは部屋を出た。

リリアが涙を流し「アキト。夢の中で、会いたいよ。」と唇を動かしたのを、ハルトは知らない。