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東の番クロエ 

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部屋の中に入ると、ベッドから上体をおこして座っている母がいた。

「母さん。」

「フローラ?」

「母さん。私。修業が終わったのよ。だから。これからは、この家で一緒に住むわ。そして。薬屋を手伝うわ。」

母の手を握った。

「本当?それは、嬉しいわ。これからは家族4人みんなで。あ、トムもだから~5人だわね。」

フローラは「母さん…あのね。」

「そうそう。フローラ。あのね。町長がね。変な事を言うのよ。アロンとトムが、亡くなったと言うのよ。それに。クロエが行方不明だって。酷い冗談だよね。もう。ついていい冗談といけない冗談の区別は、してほしいわ。」

フローラが、黙ると。

「いつものように、呼んだら直ぐに来てくれるわよね。
アロン。アロン。隠れてないで、出てきてよ。トムもよ。怒らないから。クロエとイチャイチャしてないで、私のところに来て。顔を見せて…安心させてよ。
フローラもいるわよ。家族で楽しく会話をしましょうよ。」

し~ん。返事が、こない。

「母さん(涙)。呼んでも…来ないわ。町長が言った事は、本当よ。私が、もっと早く帰って来れたなら…ごめんなさい。辛いと思うけど、なにがあったか教えて。それと。父さんとトムに、最期のお別れをしに行こう(涙)」

「あ~」と大きな叫び声を上げ、母は意識をなくした。

「母さん。母さん。」

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