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龍国の王 ザナ
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私の名は~元龍王ザナ。
私は、現在。
代々王が最期を迎える宮にあるベッドの上にいる。
この宮には、使用人も数名しかいない。
今までの龍王としての生活とは、比べ物にならない。
ま。死に行くものに、仕える者もいないだろう。
ベッドに横たわり、もう体を動かす事もできない。
あの日から、今日で1年。
明日を迎えられない悔しさに、苛立っていた。このまま。終わるのかと。
王の玉がなくなり、次の王に選ばれたのは~愛する西の番ダリアと私の息子の、第1王子マルクではなかった。
なぜ?あの者なのだ。
あれから。私の部屋に来るのは、ダリアとマルクのみだった。(使用人や引き継ぎ書類を持ってるのは別。)
側近達は私が王でなくなると、新しい王のもとに行ってしまった。薄情なものだな。
200年間。信頼関係を築いていたと思っていたが、勘違いだったのだろう。
あの者達は、権力のある者について甘い汁を飲んでいたいんだな。(私の時も直に来ていたな。前の王も、同じ気持ちだったのだろうな。)
ま。次の王は、やつらを側に置かないだろう。さんざん。下に見ていたしな。今更媚をうっても無理だろう。いいように使われて、ボロボロになって捨てられるだろう。
歴代の王も…1年間この宮に住んで最期を迎える時は、こんな風に考え亡くなったのだろうか?
今、思えば。
私が、王になったのも間違いではなかったのだろうか?
それとも。愚かな王になるとわかっていたから、選ばれたのかも知れない。
私は、現在。
代々王が最期を迎える宮にあるベッドの上にいる。
この宮には、使用人も数名しかいない。
今までの龍王としての生活とは、比べ物にならない。
ま。死に行くものに、仕える者もいないだろう。
ベッドに横たわり、もう体を動かす事もできない。
あの日から、今日で1年。
明日を迎えられない悔しさに、苛立っていた。このまま。終わるのかと。
王の玉がなくなり、次の王に選ばれたのは~愛する西の番ダリアと私の息子の、第1王子マルクではなかった。
なぜ?あの者なのだ。
あれから。私の部屋に来るのは、ダリアとマルクのみだった。(使用人や引き継ぎ書類を持ってるのは別。)
側近達は私が王でなくなると、新しい王のもとに行ってしまった。薄情なものだな。
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あの者達は、権力のある者について甘い汁を飲んでいたいんだな。(私の時も直に来ていたな。前の王も、同じ気持ちだったのだろうな。)
ま。次の王は、やつらを側に置かないだろう。さんざん。下に見ていたしな。今更媚をうっても無理だろう。いいように使われて、ボロボロになって捨てられるだろう。
歴代の王も…1年間この宮に住んで最期を迎える時は、こんな風に考え亡くなったのだろうか?
今、思えば。
私が、王になったのも間違いではなかったのだろうか?
それとも。愚かな王になるとわかっていたから、選ばれたのかも知れない。
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