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第3部 ヒロイン編入
7: 虫遣いシロエの反撃
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※ちょっと長めです。
シロエは怒っていた。
この世で一番大切なお姉ちゃんを哀しませたエンヤルトに、それはそれは怒りまくっていた。
「シロエは決めたの!」
「……あんまり聞きたくないけど、何を決めたの?」
「エンヤルト様に仕返しするのよ!」
「………兄様?」
シェンルウは、どうしますかと兄を見る。
「──許可する。やるんなら精神的に徹底的にやりなさい。私も今回のことは腹がたっている」
何か事情があってのあの態度だと推測していても、本音ではシロエの気持ちは理解できる。ジンセルとしては、シロエ相手にエンヤルトが外交問題に発展させる可能性はないと踏んだ。
「はい! もう泣いちゃうぐらいの仕返しをするんだから!」
◇◇
──登校。
下駄箱の中を凝視し、エンヤルトは深いため息をついた。
「……うぇ、気持ち悪い」
覗き込んでしまったアズナルの呻きは、エンヤルトの心の声と一致している。
うごうごうご……と、下駄箱いっぱいに蠢くソレは暗虫という。黒い球体型の躰の真ん中にデンッと大きな単眼の、ピョコンと飛び出した尻尾のようなものが生えている暗虫は、親指の爪ほどの大きさで、害はない。
害は……ない。
ただし、狭い下駄箱内にビッシリと詰め込まれ、一斉にこちらに向く単眼が気持ち悪い。
「……域内清浄化」
──放課後。
街中をエンヤルトとタリ・クレセント、《紅蓮》の側近たちは走っていた。
「何でこんなについてくるのよっ!」
ゲギョ、ゲギョッ、ゲギョッ
ぐぎゃ、ぐぎゃ、ぐぎゃぎゃッ
キュア、キュアキュアキュア
街中の魔虫が、エンヤルトたちの到着と共に一匹また一匹と纏わり付き、今では恐ろしいほどの数が彼らを追っている。
「い~や~あ~!」
転倒したタリ・クレセントはあっという間に黒山の人だかりならぬ虫だかりになった。
害のある虫ではない。
ただ、吐き気を催す数というだけだ。あちこちから向けられる非難の眼差しに、エンヤルトはため息をついた。
「……域内清浄化」
──帰宅。
玄関外で勢ぞろいで出迎える顔面蒼白な侍女たちに、エンヤルトは嫌すぎる予感に半眼になった。
「……何があった」
「う、ううっ…お屋敷の中が…」
突如、液虫と呼ばれる粘性の虫の大群が湧き出て、凄まじい勢いで増殖をし始めたのだと、執事が泣きながら語る。
エンヤルトは無言で玄関まで進み一瞬躊躇った後で、液虫の粘液でベタベタの取っ手を握り一息に押し開いた。
「「……うっ」」
アズナルは無意識に後退しかけ、イズナルが口を押さえて目を背ける。
「探索と浄化……」
呪を唱えるエンヤルトの声は疲れ切っていた。
──就寝
ゲヒョ~ッ、ゲッヒョ~ッ
大音量で高音の鳴き声が屋敷内に木霊する。
ゲヒョ~ッ、ゲッヒョ~ッ
ゲヒョ~ッ、ゲッヒョ~ッ
「ね、眠い……」
「う、煩い……」
鳴虫と呼ばれるただけたたましく鳴くだけの虫が大群で屋敷内を飛び回る。
「……域内清浄化」
一時間毎に繰り返される攻防に、睡眠不足は必至だった。
◇◇
魔力量も少なく魔力操作も不得手だが、何故かシロエの得意な魔法と言えば「召喚」だった。
それも、小さな生き物。
どちらかと言うと単純な構造の……虫系に特化して、幾らでも異界からもどこからでも自由自在にぽんぽんと召喚してしまえるシロエは、《蒼嵐》で有名な虫遣い。
「……まだ続けるの?」
召喚した虫を任意の場所へ送り込むための空間連結から出現時間の調整はシェンルウが行っていて、疲労困憊まではいかないが、精神的に限界が来ている。
「当分虫見たくない……」
「ふふふ、エンヤルト様はきっと泣いて反省しているころよね?」
「あ~、ある意味では泣きたいだろうね……」
シロエ発案の仕返しは、地味に心を痛めつける。たかが虫。されど虫。大群に一日に何度も遭遇すれば、魔力で覗き見したシェンルウですら悪夢を見たほどだ。
「ここまではお仕置きなの。仕返しはこれです!」
「──!?」
ひらりとシロエが取り出した一枚の公的申請書を目にし、シェンルウは絶句した。
ニコニコと長いつきあいの中でも一、ニを争うほどの笑顔に、シェンルウはエンヤルトへの同情を抱いた。
激怒させちゃうから……と。
◇◇
怒濤の虫攻勢に明け暮れる数日間で、エンヤルトを含めた屋敷内の全員はすっかり虫に対して麻痺していた。
「……あ、またなんか虫が出た」
「………ああ、大量ですね」
居間の壁から現れた虫は、筒虫といい、細長い中空の管のような形状をしている。
ポコ、ポコ、ポコポコッと、壁一面に筒状の虫がビッシリと刺さっている光景を、屋敷内の者たちは渇いた笑みで眺める。
「おや、筒の中にこのような物が──ヒッ!?」
筒をこじ開け取り出した一枚の書類に目をやった執事は、ぱくぱくと口を開け閉めしつつも声も無く、震える指でイズナルへと渡す。
「? ……うっ!!」
イズナルもまたぶるぶる震える手でアズナルへと押しつける。
「?? ──げっ!?」
怪訝な様子のエンヤルトと書類を何度も何度も往復して見つめ、
「イズナル…嫌な予感する…どれでもいいから他の筒虫にも入ってるか確認して…」
「うわっ、こっちにもある!」
「こ、これにもあります!」
「全部取り出せ!!」
事態が掴めずにいるエンヤルトを放置し、イズナル、アズナル、執事の三人は必死で筒をこじ開け、中身を取り出し続け──束になったそれを、
「「「………」」」
俯き無言でエンヤルトへ押しつけ、何か言われる前に、
「「「ごゆっくり!」」」
一目散に逃走した。
◇◇
エンヤルトは怒りと動揺で震える拳を力いっぱい握りしめ、《蒼嵐》別邸の居間で用意された茶にも口をつけず、目の前の少女を睨みつけている。
「サインしてくださいな~」
シロエは愛らしく笑い、書類を差し出す。
「ふざけるな…」
受け取りエンヤルトは破り捨てる。
この動作が延々と繰り返される。
「また破いちゃったぁ。はい、新しいの」
「………」
「は~い新しいの。サインして」
「…………」
射殺すなど甘い完全な殺意をニコニコと払いのけ、シロエは頑なにサインを求める。
エンヤルトの屋敷内に大量発生させた筒虫の筒に入れた婚約解消届けを、淡々と取り出して差し出し、破かれても破かれても新しく差し出し続ける。
「一連の騒ぎは目を瞑れるが、これはやり過ぎだと思わないか…」
「だってエンヤルト様はお姉ちゃんを傷つけたもの。大切にしないもの。だから、シロエは認めませ~ん。はい、サイン」
「……解消などしない」
「ダメ~。お姉ちゃんなら《蒼嵐》でシロエが幸せにするもの。はい、サイン」
「しないって言ってんだろうがっ!!」
「お姉ちゃんよりあの子が可愛いんでしょ~、ならお姉ちゃんはあげませ~ん」
「…………あんな女、いらん。俺はクロエと婚約解消なんて絶対にしない!」
「駄目です~、嫌です~、絶対にシロエは婚約解消をしてもらうんです~」
だからサインをくださいな──と譲らないシロエに、
「もう少し時間をくれ……頼む!」
とうとうエンヤルトは頭を下げた。
「え、ええっと……ううっ?」
素直にサインしてもらえると思っていたのに拒否され、しかもこの展開。まさか頭を下げられるとは想像していなかったシロエは、困った。
「……う、うわぁぁぁん!」
ポロポロと涙がこぼれ落ちる。
わあわあと泣いて、それでもグイグイと書類を差し出すシロエに、
(──ものすごい既視感があるね)
黙って見守っていたジンセルは天を仰いでいた。
シロエは怒っていた。
この世で一番大切なお姉ちゃんを哀しませたエンヤルトに、それはそれは怒りまくっていた。
「シロエは決めたの!」
「……あんまり聞きたくないけど、何を決めたの?」
「エンヤルト様に仕返しするのよ!」
「………兄様?」
シェンルウは、どうしますかと兄を見る。
「──許可する。やるんなら精神的に徹底的にやりなさい。私も今回のことは腹がたっている」
何か事情があってのあの態度だと推測していても、本音ではシロエの気持ちは理解できる。ジンセルとしては、シロエ相手にエンヤルトが外交問題に発展させる可能性はないと踏んだ。
「はい! もう泣いちゃうぐらいの仕返しをするんだから!」
◇◇
──登校。
下駄箱の中を凝視し、エンヤルトは深いため息をついた。
「……うぇ、気持ち悪い」
覗き込んでしまったアズナルの呻きは、エンヤルトの心の声と一致している。
うごうごうご……と、下駄箱いっぱいに蠢くソレは暗虫という。黒い球体型の躰の真ん中にデンッと大きな単眼の、ピョコンと飛び出した尻尾のようなものが生えている暗虫は、親指の爪ほどの大きさで、害はない。
害は……ない。
ただし、狭い下駄箱内にビッシリと詰め込まれ、一斉にこちらに向く単眼が気持ち悪い。
「……域内清浄化」
──放課後。
街中をエンヤルトとタリ・クレセント、《紅蓮》の側近たちは走っていた。
「何でこんなについてくるのよっ!」
ゲギョ、ゲギョッ、ゲギョッ
ぐぎゃ、ぐぎゃ、ぐぎゃぎゃッ
キュア、キュアキュアキュア
街中の魔虫が、エンヤルトたちの到着と共に一匹また一匹と纏わり付き、今では恐ろしいほどの数が彼らを追っている。
「い~や~あ~!」
転倒したタリ・クレセントはあっという間に黒山の人だかりならぬ虫だかりになった。
害のある虫ではない。
ただ、吐き気を催す数というだけだ。あちこちから向けられる非難の眼差しに、エンヤルトはため息をついた。
「……域内清浄化」
──帰宅。
玄関外で勢ぞろいで出迎える顔面蒼白な侍女たちに、エンヤルトは嫌すぎる予感に半眼になった。
「……何があった」
「う、ううっ…お屋敷の中が…」
突如、液虫と呼ばれる粘性の虫の大群が湧き出て、凄まじい勢いで増殖をし始めたのだと、執事が泣きながら語る。
エンヤルトは無言で玄関まで進み一瞬躊躇った後で、液虫の粘液でベタベタの取っ手を握り一息に押し開いた。
「「……うっ」」
アズナルは無意識に後退しかけ、イズナルが口を押さえて目を背ける。
「探索と浄化……」
呪を唱えるエンヤルトの声は疲れ切っていた。
──就寝
ゲヒョ~ッ、ゲッヒョ~ッ
大音量で高音の鳴き声が屋敷内に木霊する。
ゲヒョ~ッ、ゲッヒョ~ッ
ゲヒョ~ッ、ゲッヒョ~ッ
「ね、眠い……」
「う、煩い……」
鳴虫と呼ばれるただけたたましく鳴くだけの虫が大群で屋敷内を飛び回る。
「……域内清浄化」
一時間毎に繰り返される攻防に、睡眠不足は必至だった。
◇◇
魔力量も少なく魔力操作も不得手だが、何故かシロエの得意な魔法と言えば「召喚」だった。
それも、小さな生き物。
どちらかと言うと単純な構造の……虫系に特化して、幾らでも異界からもどこからでも自由自在にぽんぽんと召喚してしまえるシロエは、《蒼嵐》で有名な虫遣い。
「……まだ続けるの?」
召喚した虫を任意の場所へ送り込むための空間連結から出現時間の調整はシェンルウが行っていて、疲労困憊まではいかないが、精神的に限界が来ている。
「当分虫見たくない……」
「ふふふ、エンヤルト様はきっと泣いて反省しているころよね?」
「あ~、ある意味では泣きたいだろうね……」
シロエ発案の仕返しは、地味に心を痛めつける。たかが虫。されど虫。大群に一日に何度も遭遇すれば、魔力で覗き見したシェンルウですら悪夢を見たほどだ。
「ここまではお仕置きなの。仕返しはこれです!」
「──!?」
ひらりとシロエが取り出した一枚の公的申請書を目にし、シェンルウは絶句した。
ニコニコと長いつきあいの中でも一、ニを争うほどの笑顔に、シェンルウはエンヤルトへの同情を抱いた。
激怒させちゃうから……と。
◇◇
怒濤の虫攻勢に明け暮れる数日間で、エンヤルトを含めた屋敷内の全員はすっかり虫に対して麻痺していた。
「……あ、またなんか虫が出た」
「………ああ、大量ですね」
居間の壁から現れた虫は、筒虫といい、細長い中空の管のような形状をしている。
ポコ、ポコ、ポコポコッと、壁一面に筒状の虫がビッシリと刺さっている光景を、屋敷内の者たちは渇いた笑みで眺める。
「おや、筒の中にこのような物が──ヒッ!?」
筒をこじ開け取り出した一枚の書類に目をやった執事は、ぱくぱくと口を開け閉めしつつも声も無く、震える指でイズナルへと渡す。
「? ……うっ!!」
イズナルもまたぶるぶる震える手でアズナルへと押しつける。
「?? ──げっ!?」
怪訝な様子のエンヤルトと書類を何度も何度も往復して見つめ、
「イズナル…嫌な予感する…どれでもいいから他の筒虫にも入ってるか確認して…」
「うわっ、こっちにもある!」
「こ、これにもあります!」
「全部取り出せ!!」
事態が掴めずにいるエンヤルトを放置し、イズナル、アズナル、執事の三人は必死で筒をこじ開け、中身を取り出し続け──束になったそれを、
「「「………」」」
俯き無言でエンヤルトへ押しつけ、何か言われる前に、
「「「ごゆっくり!」」」
一目散に逃走した。
◇◇
エンヤルトは怒りと動揺で震える拳を力いっぱい握りしめ、《蒼嵐》別邸の居間で用意された茶にも口をつけず、目の前の少女を睨みつけている。
「サインしてくださいな~」
シロエは愛らしく笑い、書類を差し出す。
「ふざけるな…」
受け取りエンヤルトは破り捨てる。
この動作が延々と繰り返される。
「また破いちゃったぁ。はい、新しいの」
「………」
「は~い新しいの。サインして」
「…………」
射殺すなど甘い完全な殺意をニコニコと払いのけ、シロエは頑なにサインを求める。
エンヤルトの屋敷内に大量発生させた筒虫の筒に入れた婚約解消届けを、淡々と取り出して差し出し、破かれても破かれても新しく差し出し続ける。
「一連の騒ぎは目を瞑れるが、これはやり過ぎだと思わないか…」
「だってエンヤルト様はお姉ちゃんを傷つけたもの。大切にしないもの。だから、シロエは認めませ~ん。はい、サイン」
「……解消などしない」
「ダメ~。お姉ちゃんなら《蒼嵐》でシロエが幸せにするもの。はい、サイン」
「しないって言ってんだろうがっ!!」
「お姉ちゃんよりあの子が可愛いんでしょ~、ならお姉ちゃんはあげませ~ん」
「…………あんな女、いらん。俺はクロエと婚約解消なんて絶対にしない!」
「駄目です~、嫌です~、絶対にシロエは婚約解消をしてもらうんです~」
だからサインをくださいな──と譲らないシロエに、
「もう少し時間をくれ……頼む!」
とうとうエンヤルトは頭を下げた。
「え、ええっと……ううっ?」
素直にサインしてもらえると思っていたのに拒否され、しかもこの展開。まさか頭を下げられるとは想像していなかったシロエは、困った。
「……う、うわぁぁぁん!」
ポロポロと涙がこぼれ落ちる。
わあわあと泣いて、それでもグイグイと書類を差し出すシロエに、
(──ものすごい既視感があるね)
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