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121話 共闘
・ライト「アリシア何故分かってくれないんだ。」
ライトはアマリリスに突っ込んで行き剣を突き刺した。
ボワッ。
アマリリスの刺されたところは煙となりライトはダメージを与えることが出来なかった。
・ライト「!!」
・ネイチャー「ずっと気になってはいたが、やはりあの色技、前国王のジュシャと同じものか……いや火の力により更に能力が上がってるな。」
【色即是空】ジュシヤの色技。実体を空無に空無を実体にする能力。ジュシヤの子であるアマリリスもこの力を開花させた。ラークインや実体化した嘘吐の大鎌もこの能力によるものである。
・ライト「炎奏団」
ライトがタクトを振るうとたくさんの炎の波がアマリリスを襲う。
・アマリリス「不死鳥の翼」
アマリリスは炎の翼で空を浮遊する。
炎の波はアマリリスを追尾するように追いかけるがアマリリスは空中で飛び回り回避した。
・ネイチャー「ライト手を貸せ。」
・ライト「なんだと?」
・ネイチャー「今のあいつはもう一人では手に負えない。」
・ライト「やってみないとっ…」
・ネイチャー「力量が分からないほど馬鹿じゃないだろう。」
・ライト「……」
・ライト「どうする。」
・ネイチャー「俺が足場を作る。俺に殺す気で色技を打ち込んでこい。それを動力にする。」
・ライト「なんだか気に食わないね。死んでも文句いうなよ。」
・ライト「黒薔薇炎奏団」
ライトはさっきの数倍の大きさの黒炎をネイチャーに放った。
・ネイチャー「"色相蕾咲"楽園の三叉戟」
ネイチャーの色相蕾咲、同時発動。
ズズズズズズ……
ネイチャーは色彩強奪剽窃でライトの炎を吸収する。
・ネイチャー「百花斉放」
ズワズワズワ!!!!!
荒れた大地からたくさんの巨大な植物が生え足場となる。
ニョキニョキ!!
ネイチャーは植物の乗り、植物の成長を利用してアマリリスに突っ込む。
ネイチャーは鶴嘴で殴りかかる。
ボッ…
アマリリスは煙化しようとするが色技発動時の色素を吸収されて実体に戻る。
・アマリリス「!!」
その瞬間ネイチャーは三叉戟をアマリリスの腹部に突き刺した。
グサッ!!!!!!
アマリリスの腹部から大量の血が流れる。
・アマリリス「ぐはっ!」
アマリリスは口からも血を流す。
ポロッ。
アマリリスの持っていた大鎌は下へと落ちていく。
・ネイチャー「勝負ありだな。」
アマリリスはニヤリと笑った。
・ネイチャー「??」
ズシャッ!!!
ネイチャーは後ろから斬られた。
・ネイチャー「!!!」
アマリリスは大鎌を落とすふりをして煙で操りネイチャーの後ろから攻撃したのだった。
二人は落ちていく。
アマリリスは空中で刺さった三叉戟を抜き捨て去った。
アマリリスは他の植物の上に着地した。
・アマリリス「油断したらいけないよ。ちゃんと死ぬまで殺さないと。」
122話 最後の灯火
ホワァ。
アマリリスは自らで治癒をした。
ネイチャーはふらつきながら立ち上がる。
・ライト「大口叩いておいてそのザマか?」
・ネイチャー「うるさい。お前も大技の連発で立っているだけで限界に見えるが。」
・ライト「何を、まだまだこれからだよ。」
ライトもネイチャーも色素枯渇ギリギリであった。
・ライト「俺は俺の正義を証明する。」
・アマリリス「正義?」
アマリリスはその言葉にイラつきを見せた。
・ネイチャー「お前は自然の摂理に反しようとしている。ならばそれを俺は止めなければならない。あいつの後はお前も葬る。覚悟しておけ。」
・ライト「それはこっちのセリフだよねっ!!!」
二人は勢い良くアマリリスに突っ込んだ。
ガキンッ
ライトは二人の攻撃を大鎌で受ける。
二対一の激しい攻防が繰り広げられる。
・ライト「もう終わってくれよ。」
・ライト「俺の最高傑作だ。火の舞踏」
激しい炎が踊り狂うように燃え上がる。
・ネイチャー「自然の儘に。百花繚乱」
ネイチャーの足元から夥しい量の植物が生えてきた。
ライトとネイチャーはアマリリスを挟み撃ちにして攻撃を繰り出した。
・アマリリス「……やっと力が馴染んできたな。」
・アマリリス「"色相蕾咲"世界樹」
ゾワゾワゾワゾワ!!!!!!!
雲を突き抜ける程の世界樹が生える。
・ライト「!!!なんて規模だ。」
・ネイチャー「!!これ程までとは。」
・アマリリス「樹海 」「火ノ海」
アマリリスはネイチャーに樹海、アマリリスに火ノ海を繰り出した。
ライトとネイチャーの色技はアマリリスの色技に飲み込まれてゆく。
ライトとネイチャーは倒れた。
・アマリリス「これで終わりだ。世界もな。」
アマリリスはゆっくりと、倒れているライトの元に歩いていく。
アマリリスはライトを見下ろしながら
・アマリリス「正義だっけか。……教えてやるよ。正義が勝つわけでも勝ったやつが正義でもない。俺が正義だ。」
そう言うとアマリリスはライトの胸に手を突っ込んだ。
グシャッ!!
そして心臓を抜き取った。
ボワッ。
アマリリスの手の上で心臓は燃え上がる。心臓は消し炭になりアマリリスに火の力が入ってゆく。
・アマリリス「ハハハ……ハハハハハハ!!!!これが太陽の火か。おかえり!!リコリス!!おかえり!!兄様が仇をとったよ!!!」
ザッ。ザッ。
アマリリスの後ろから足音が聞こえる。
・アルテミシア「アーリス。」
123話 ラストソング
・アマリリス「アルテ?」
アルテミシアは賢者の霊灰で本当の姿に戻っていた。
・アルテミシア「そうなの。これが本当の姿なの。」
・アマリリス「やっぱり……綺麗だよ。」
・アルテミシア「ありがとうなの。嬉しいなの。」
・アマリリス「で、俺を殺しに来たの?」
アルテミシアは悲しそうに頷く。
・アルテミシア「もう元には戻れないなの?」
・アマリリス「ああ。」
・アマリリス「これだけ殺したんだ。蜜柑もグラジオラスも……」
アルテミシアは涙を流してた。
・アルテミシア「残された人はどうするなの?!!トリカは?センノは?モンブランさんは?櫻子は?向日葵姫は?桂は?薊さんは?ダンテは?モルトさんは?レーゲンさんは?それにそれにフォリアにフォルビアにエウビア、フェイおじいさん、ジョアは!!みんなみんな!!アーリスの大切な人達じゃないなの!!!!」
・アマリリス「今でも大切だよ。それはずっと変わらない。みんな俺に楽しくて幸せなひと時をくれた。」
・アルテミシア「ならまだっ……」
・アマリリス「ごめん。」
・アルテミシア「…………」
アルテミシアは辛さを押し殺しながら、
・アルテミシア「わかったの。…………アーリス。死んでなの。」
スッ。
アルテミシアは小さなベルをだした。
・アルテミシア「魔術 過剰摂取 不協和音」
チリーン。
アマリリスがその音を聞いた瞬間。
・アマリリス「うっ。」
アマリリスは頭を抑えながら苦しんだ。耳からは血が流れてきた。
アマリリスは音を聞いたことにより体内から過剰摂取のダメージを受けていたのである。
苦しみながらアマリリスは大鎌を振り上げた。
そしてアルテミシアを切りつけた。
ザシュッ!!
血飛沫がまう。
アルテミシアは抵抗することすらしなかった。
アルテミシアは涙を流しながら、でも笑顔で両手を広げて大鎌を受けた。アマリリスの全てを受け入れる様に。
アルテミシアは倒れた。
ポツポツ……
雨が降ってきた。
124話 悲しき思い出
アルテミシアの血と雨が混ざり合う。
アルテミシアは元の姿に戻った。
アマリリスはアルテミシアの頭を抱えた。
・アルテミシア「ボク…ちゃんと覚悟…してたつもりだったなの。なのに……やっぱり……出来なかったなの。」
・アマリリス「アルテ。君との旅は宝物だったよ。」
・アルテミシア「嘘でも……嬉しいなの……」
・アマリリス「本当だよ。俺、実は家族が殺された後に後天的に花言葉が開花したんだ。花言葉は【悲しき思い出】俺は人を信じられなくなり、そのせいで何となく人の嘘を見抜ける様になったんだ。だから分かる、アルテの心の色は誰よりも綺麗だ。それにアルテと一緒に居ると落ち着くんだ。暖かいそんな気持ちだったよ。」
・アルテミシア「ふふふ……ボクも……一緒なの。」
・アルテミシア「アーリス……ボクは……アーリスと出会え…て……幸せだった…なの……」
その言葉を最後にアルテミシアは息を引き取った。
アルテミシアの目から涙が溢れていたが、表情は笑っていて後悔はない、そんな風に言ってる様に感じられた。
アマリリスはアルテミシアを抱き抱え歩きだした。
【太陽の祭壇】これはローズ家が長年かけて作り上げた祭壇である。この祭壇にはたくさんの色素と火の力が貯められていた。
アマリリスはそっとアルテミシアを寝かせた。
アマリリスは太陽神ソレイユからリコリスに受け継がれた太陽の火とアマリリス自身で開花させた火の力を混ぜ合わせ、祭壇に手を添えた。
・アマリリス「"色相枯死" 宇宙大樹」
暖かい火の塊から根が生えだし、その根はこの星の中心まで伸びていった。根は星の色素を吸収した。
ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ!!!!
その根は世界樹よりも巨大な樹木を咲かせた。
その影響で大地は割れ、海は荒れ、雲は流れた。雲間からは無数の日の光が差し込む。まるで世界の終わりを告げるようだった。
世界中の者たちは受け入れた。否、受け入れるしかなかった。
青族と白族も争いを止めた。
トリカはセンノと寄り添いながら空を見上げていた。
アマリリスはアルテミシアを抱き抱え火の翼で空高く飛んだ。
・アマリリス「見て、アルテ。」
アマリリスは空から世界を見下ろした。
・アマリリス「これで全て終わりだ。」
アマリリスは更に高く飛ぶ。
フヮッ。
アマリリスは全ての力を使いきった。
その瞬間、火の翼も消えて無くなった。
花園には誰もが知る古くからの言い伝えがある。
―太陽に近づき過ぎし者は翼をもがれ大地へと落ちてゆく―と。
太陽神書 第一章一節より抜粋
アマリリスとアルテミシアは落ちてゆく。
・アマリリス「忘却の大爆発」
星は中心から大爆発を起こした。
・アマリリス「アルテ、綺麗な花が咲いたよ。」
ズゴーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!
アマリリス達が生きた星、花園は跡形もなく宇宙から消え去った。
そしてこの星の魂は流れ星になった。
幾億年たっただろう。広大な宇宙のとある星に流れ星が落ちた。その星は地球と呼ばれていた。落ちた流れ星はその世界にたくさんの花を咲かせた。
花は美しく綺麗で強く可憐に咲いた。まるで何かを戒めるかのように。
そして更に数千年の時が流れる。
綺麗な花畑の真ん中に一人の少女がいた。
ビュー。
風がふき、花びらが舞い散る。
すると少女のお母さんの声が聞こえてきた。
・少女の母「よもぎー!!!!戻っておいでー!!ご飯よー!!」
少女は返事をした。
・少女「はーい!!今行くー!!」
少女は花畑の上で幸せそうににっこりと笑っていた。
[完]
・ライト「アリシア何故分かってくれないんだ。」
ライトはアマリリスに突っ込んで行き剣を突き刺した。
ボワッ。
アマリリスの刺されたところは煙となりライトはダメージを与えることが出来なかった。
・ライト「!!」
・ネイチャー「ずっと気になってはいたが、やはりあの色技、前国王のジュシャと同じものか……いや火の力により更に能力が上がってるな。」
【色即是空】ジュシヤの色技。実体を空無に空無を実体にする能力。ジュシヤの子であるアマリリスもこの力を開花させた。ラークインや実体化した嘘吐の大鎌もこの能力によるものである。
・ライト「炎奏団」
ライトがタクトを振るうとたくさんの炎の波がアマリリスを襲う。
・アマリリス「不死鳥の翼」
アマリリスは炎の翼で空を浮遊する。
炎の波はアマリリスを追尾するように追いかけるがアマリリスは空中で飛び回り回避した。
・ネイチャー「ライト手を貸せ。」
・ライト「なんだと?」
・ネイチャー「今のあいつはもう一人では手に負えない。」
・ライト「やってみないとっ…」
・ネイチャー「力量が分からないほど馬鹿じゃないだろう。」
・ライト「……」
・ライト「どうする。」
・ネイチャー「俺が足場を作る。俺に殺す気で色技を打ち込んでこい。それを動力にする。」
・ライト「なんだか気に食わないね。死んでも文句いうなよ。」
・ライト「黒薔薇炎奏団」
ライトはさっきの数倍の大きさの黒炎をネイチャーに放った。
・ネイチャー「"色相蕾咲"楽園の三叉戟」
ネイチャーの色相蕾咲、同時発動。
ズズズズズズ……
ネイチャーは色彩強奪剽窃でライトの炎を吸収する。
・ネイチャー「百花斉放」
ズワズワズワ!!!!!
荒れた大地からたくさんの巨大な植物が生え足場となる。
ニョキニョキ!!
ネイチャーは植物の乗り、植物の成長を利用してアマリリスに突っ込む。
ネイチャーは鶴嘴で殴りかかる。
ボッ…
アマリリスは煙化しようとするが色技発動時の色素を吸収されて実体に戻る。
・アマリリス「!!」
その瞬間ネイチャーは三叉戟をアマリリスの腹部に突き刺した。
グサッ!!!!!!
アマリリスの腹部から大量の血が流れる。
・アマリリス「ぐはっ!」
アマリリスは口からも血を流す。
ポロッ。
アマリリスの持っていた大鎌は下へと落ちていく。
・ネイチャー「勝負ありだな。」
アマリリスはニヤリと笑った。
・ネイチャー「??」
ズシャッ!!!
ネイチャーは後ろから斬られた。
・ネイチャー「!!!」
アマリリスは大鎌を落とすふりをして煙で操りネイチャーの後ろから攻撃したのだった。
二人は落ちていく。
アマリリスは空中で刺さった三叉戟を抜き捨て去った。
アマリリスは他の植物の上に着地した。
・アマリリス「油断したらいけないよ。ちゃんと死ぬまで殺さないと。」
122話 最後の灯火
ホワァ。
アマリリスは自らで治癒をした。
ネイチャーはふらつきながら立ち上がる。
・ライト「大口叩いておいてそのザマか?」
・ネイチャー「うるさい。お前も大技の連発で立っているだけで限界に見えるが。」
・ライト「何を、まだまだこれからだよ。」
ライトもネイチャーも色素枯渇ギリギリであった。
・ライト「俺は俺の正義を証明する。」
・アマリリス「正義?」
アマリリスはその言葉にイラつきを見せた。
・ネイチャー「お前は自然の摂理に反しようとしている。ならばそれを俺は止めなければならない。あいつの後はお前も葬る。覚悟しておけ。」
・ライト「それはこっちのセリフだよねっ!!!」
二人は勢い良くアマリリスに突っ込んだ。
ガキンッ
ライトは二人の攻撃を大鎌で受ける。
二対一の激しい攻防が繰り広げられる。
・ライト「もう終わってくれよ。」
・ライト「俺の最高傑作だ。火の舞踏」
激しい炎が踊り狂うように燃え上がる。
・ネイチャー「自然の儘に。百花繚乱」
ネイチャーの足元から夥しい量の植物が生えてきた。
ライトとネイチャーはアマリリスを挟み撃ちにして攻撃を繰り出した。
・アマリリス「……やっと力が馴染んできたな。」
・アマリリス「"色相蕾咲"世界樹」
ゾワゾワゾワゾワ!!!!!!!
雲を突き抜ける程の世界樹が生える。
・ライト「!!!なんて規模だ。」
・ネイチャー「!!これ程までとは。」
・アマリリス「樹海 」「火ノ海」
アマリリスはネイチャーに樹海、アマリリスに火ノ海を繰り出した。
ライトとネイチャーの色技はアマリリスの色技に飲み込まれてゆく。
ライトとネイチャーは倒れた。
・アマリリス「これで終わりだ。世界もな。」
アマリリスはゆっくりと、倒れているライトの元に歩いていく。
アマリリスはライトを見下ろしながら
・アマリリス「正義だっけか。……教えてやるよ。正義が勝つわけでも勝ったやつが正義でもない。俺が正義だ。」
そう言うとアマリリスはライトの胸に手を突っ込んだ。
グシャッ!!
そして心臓を抜き取った。
ボワッ。
アマリリスの手の上で心臓は燃え上がる。心臓は消し炭になりアマリリスに火の力が入ってゆく。
・アマリリス「ハハハ……ハハハハハハ!!!!これが太陽の火か。おかえり!!リコリス!!おかえり!!兄様が仇をとったよ!!!」
ザッ。ザッ。
アマリリスの後ろから足音が聞こえる。
・アルテミシア「アーリス。」
123話 ラストソング
・アマリリス「アルテ?」
アルテミシアは賢者の霊灰で本当の姿に戻っていた。
・アルテミシア「そうなの。これが本当の姿なの。」
・アマリリス「やっぱり……綺麗だよ。」
・アルテミシア「ありがとうなの。嬉しいなの。」
・アマリリス「で、俺を殺しに来たの?」
アルテミシアは悲しそうに頷く。
・アルテミシア「もう元には戻れないなの?」
・アマリリス「ああ。」
・アマリリス「これだけ殺したんだ。蜜柑もグラジオラスも……」
アルテミシアは涙を流してた。
・アルテミシア「残された人はどうするなの?!!トリカは?センノは?モンブランさんは?櫻子は?向日葵姫は?桂は?薊さんは?ダンテは?モルトさんは?レーゲンさんは?それにそれにフォリアにフォルビアにエウビア、フェイおじいさん、ジョアは!!みんなみんな!!アーリスの大切な人達じゃないなの!!!!」
・アマリリス「今でも大切だよ。それはずっと変わらない。みんな俺に楽しくて幸せなひと時をくれた。」
・アルテミシア「ならまだっ……」
・アマリリス「ごめん。」
・アルテミシア「…………」
アルテミシアは辛さを押し殺しながら、
・アルテミシア「わかったの。…………アーリス。死んでなの。」
スッ。
アルテミシアは小さなベルをだした。
・アルテミシア「魔術 過剰摂取 不協和音」
チリーン。
アマリリスがその音を聞いた瞬間。
・アマリリス「うっ。」
アマリリスは頭を抑えながら苦しんだ。耳からは血が流れてきた。
アマリリスは音を聞いたことにより体内から過剰摂取のダメージを受けていたのである。
苦しみながらアマリリスは大鎌を振り上げた。
そしてアルテミシアを切りつけた。
ザシュッ!!
血飛沫がまう。
アルテミシアは抵抗することすらしなかった。
アルテミシアは涙を流しながら、でも笑顔で両手を広げて大鎌を受けた。アマリリスの全てを受け入れる様に。
アルテミシアは倒れた。
ポツポツ……
雨が降ってきた。
124話 悲しき思い出
アルテミシアの血と雨が混ざり合う。
アルテミシアは元の姿に戻った。
アマリリスはアルテミシアの頭を抱えた。
・アルテミシア「ボク…ちゃんと覚悟…してたつもりだったなの。なのに……やっぱり……出来なかったなの。」
・アマリリス「アルテ。君との旅は宝物だったよ。」
・アルテミシア「嘘でも……嬉しいなの……」
・アマリリス「本当だよ。俺、実は家族が殺された後に後天的に花言葉が開花したんだ。花言葉は【悲しき思い出】俺は人を信じられなくなり、そのせいで何となく人の嘘を見抜ける様になったんだ。だから分かる、アルテの心の色は誰よりも綺麗だ。それにアルテと一緒に居ると落ち着くんだ。暖かいそんな気持ちだったよ。」
・アルテミシア「ふふふ……ボクも……一緒なの。」
・アルテミシア「アーリス……ボクは……アーリスと出会え…て……幸せだった…なの……」
その言葉を最後にアルテミシアは息を引き取った。
アルテミシアの目から涙が溢れていたが、表情は笑っていて後悔はない、そんな風に言ってる様に感じられた。
アマリリスはアルテミシアを抱き抱え歩きだした。
【太陽の祭壇】これはローズ家が長年かけて作り上げた祭壇である。この祭壇にはたくさんの色素と火の力が貯められていた。
アマリリスはそっとアルテミシアを寝かせた。
アマリリスは太陽神ソレイユからリコリスに受け継がれた太陽の火とアマリリス自身で開花させた火の力を混ぜ合わせ、祭壇に手を添えた。
・アマリリス「"色相枯死" 宇宙大樹」
暖かい火の塊から根が生えだし、その根はこの星の中心まで伸びていった。根は星の色素を吸収した。
ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ!!!!
その根は世界樹よりも巨大な樹木を咲かせた。
その影響で大地は割れ、海は荒れ、雲は流れた。雲間からは無数の日の光が差し込む。まるで世界の終わりを告げるようだった。
世界中の者たちは受け入れた。否、受け入れるしかなかった。
青族と白族も争いを止めた。
トリカはセンノと寄り添いながら空を見上げていた。
アマリリスはアルテミシアを抱き抱え火の翼で空高く飛んだ。
・アマリリス「見て、アルテ。」
アマリリスは空から世界を見下ろした。
・アマリリス「これで全て終わりだ。」
アマリリスは更に高く飛ぶ。
フヮッ。
アマリリスは全ての力を使いきった。
その瞬間、火の翼も消えて無くなった。
花園には誰もが知る古くからの言い伝えがある。
―太陽に近づき過ぎし者は翼をもがれ大地へと落ちてゆく―と。
太陽神書 第一章一節より抜粋
アマリリスとアルテミシアは落ちてゆく。
・アマリリス「忘却の大爆発」
星は中心から大爆発を起こした。
・アマリリス「アルテ、綺麗な花が咲いたよ。」
ズゴーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!
アマリリス達が生きた星、花園は跡形もなく宇宙から消え去った。
そしてこの星の魂は流れ星になった。
幾億年たっただろう。広大な宇宙のとある星に流れ星が落ちた。その星は地球と呼ばれていた。落ちた流れ星はその世界にたくさんの花を咲かせた。
花は美しく綺麗で強く可憐に咲いた。まるで何かを戒めるかのように。
そして更に数千年の時が流れる。
綺麗な花畑の真ん中に一人の少女がいた。
ビュー。
風がふき、花びらが舞い散る。
すると少女のお母さんの声が聞こえてきた。
・少女の母「よもぎー!!!!戻っておいでー!!ご飯よー!!」
少女は返事をした。
・少女「はーい!!今行くー!!」
少女は花畑の上で幸せそうににっこりと笑っていた。
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