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応接室に移動したら、マーサさんがお茶とお菓子を用意していたわ。
マーサさんの足元には、お菓子をカリカリ食べているルーナが……貴女いつの間に…。
ジ~っとルーナを見ていたら、エド様に座るよう促されたので彼の隣に座り、対面に座るお客様に視線を向けた。
年齢はエド様と同じ位かしら?格好いいと言うより綺麗な顔をしているわ。ジュリアがいたらほっておかないでしょうね。髪はわたしと同じ赤で、瞳は金に近い琥珀だ。
あの瞳は母を思い出す……二人とも元気にやってるかな?

「さて、まずは自己紹介だな。俺はライモンドだ」
「初めまして、レティシアです」
「うん……単刀直入に聞くけど、君の母の名はクローディアか?」
「……はい」
「髪と瞳は俺と同じ色か?」
「はい、そうです」
「そうか……そうなのかっ…」
「ライ……」

ライモンド様は、母の事を聞くと手で顔を覆い肩を震わせた。
どうして…どうしてみんなそんな顔をするの?
あのときのセルジオ様とクリストファー様、それにエド様もそうだった。
どうして良いか分からずオロオロしていたら、ライモンド様がいきなり抱きついてきた。

「あぁレティシア!レティ!生きていると信じてた!会いたかった!」
「ちょっ!?」
「ライモンド!離れろ!」
「うるさい!だいたい見つけたときに何故すぐに連絡しなかった!」
「あの段階では無理に決まっているだろ。それより彼女を離せ……びっくりして固まってる」
「ん?」

エド様が言ってる通り、わたしは初対面の男の人に抱きつかれて驚いていた。
でも、不思議と嫌悪感はくて、エド様みたいにドキドキもしない……懐かしくて落ち着ける。

「どうしたレティ?あれから何年も経っているから分からないか?ライ兄様だよ」
「ライ…兄様?」
「レティ?」
「ライ、レティは昔の記憶がないんだ」
「……どういうことだ?」

エド様の言葉に、眉間に皺を寄せているライモンド様に、セルジオ様たちにしたのと同じ話をした。
ソファに座りなおして話終わった頃には、ライモンド様は難しい顔をしていた。
さっきの話から察するに、わたしは彼等と知り合いだったみたいね。
全く覚えていないのだけど……何だか申し訳ないわ。

「あの……ごめんなさい」
「ん?レティが悪いわけじゃないから謝るな」
「…はい」
「そうだ。記憶がないなら俺達との関係を話しておこうか。どうせ何も言っないんだろ?エド」
「落ち着いてからの方が良いと思ったんだ」
「へぇ~…ほ~……そういう事にしておくか。それじゃあレティ、まずは俺と君の関係だがな。俺にとって君は大事な大事な……従姉妹だ」
「い、従姉妹!?」
「うん」

にこにこしているライモンド様の予想外な言葉に唖然としてしまいました。
ルーナ、お菓子ばかり食べてないでこっちに来てくれないかしら?太るわよ?




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