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出会い
奴隷
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執務室に着くと、オースティンがノックして声をかけた。
「クロード、大丈夫か?何があった」
声をかけて直ぐにドアが開きながらクロードが謝った。
「騒がしくて済まないオースティン、客人が来ただけ………どうやら起こしてしまったようだな。おいでフェリ」
オースティンに顔を向けて、抱えられてる私に気付きクロードが腕を差しだしたので、大人しく抱っこされて部屋の中に入ると予想通りの人たちがいた。
私を見て驚く人たちと、戻って来ていたアルに声をかけた。
「アル、お帰りなさい。久しぶりです。チェイス、バルドさん、ロイさん、ライルさん」
「だだいまフェリ」
「久しぶり……って、何でここに?」
チェイスの疑問に答えたのはクロードだった。
「私が答えよう。私はディアネス共和国宰相クロードだ。フェリーチェとアルベルトの父親でもある。ここは私の屋敷だ」
「アルベルト?」
「アルベルトは、僕の名前だよ。フィアフルのままだと、正体がバレるかもしれないからね」
「へぇ……って宰相!?どうやったら宰相が父親になるんだ!」
「隊長、落ち着いて下さい。今何時だと思ってるんですか」
「そうだぜ隊長。迷惑かけたらダメっすよ」
「そうですぞ。騒がしくして申し訳ありません」
「おま、お前らっ………」
チェイスたちのやり取りを聞いていた私は、あんぐりと口を開け呆けていた。
「どうしたのフェリ?そんなまぬ……ビックリした顔して」
「アル、それで誤魔化してるつもりなの?間抜けな顔ですいませんね!バルドさんが普通に話しててビックリしたの!」
「あぁそれ?何か気の持ちようらしいよ」
「気の持ちようって」
まさかの理由に言葉を詰まらせていると、オースティンが遠慮がちに話しかけてきた。
「なぁ……俺はオースティンだ。あんたたちがフェリーチェの恩人なのか?」
「名乗りもせず失礼した。俺はトラスト王国のチェイス」
「バルドと申します」
「ロイです」
「ライルです」
「恩人と言うが、それはこちらのセリフですよ。フェリーチェがいなければ、家族や仲間を失うとこでしたから」
「そうか……ところで、そこに転がってる連中は何なんだ?」
オースティンが、ブータンたちを指差しながら聞くと、アルが教えた。
「コイツらは帝国の人間だよ。あの魔道具を使って町を襲わせる任務だったみたいだ」
「このエルフと獣人はこのブタの奴隷です」
「隊長、ブタじゃなくてブータンですよ」
「たいして変わらないからいいだろ」
(うわぁ……見たまんまだな。名は体を表すって言うもんね)
たぶん違うが、心の中で考えていたのでツッコんでくれる人はいなかった。
「その男が首謀者なのか?」
「首謀者ではありません。首謀者は……その……」
クロードの質問にチェイスは言い淀んだ。
何かを察して、クロードは私に目を向けた。
「フェリ、そろそろ部屋に戻って寝るといい。明日……もう今日だな、スミス邸に行く予定だろう」
「お父様……でも」
「そうしなよフェリ。寝不足で魔力操作ミスったら、またお仕置きするよ?」
アルがニッコリ笑いながら言ったことに青ざめ急いで頷いた。
「ちゃんと寝るよ!大丈夫!私、とっても眠いから!」
「ならよかったよ。オリビア、フェリを部屋に連れてってから寝るまで見張ってて」
「畏まりましたアルベルト様」
いつの間にか気配なくドアの所にいたオリビアに驚いた。
(ビックリした!?アルがどうかしちゃったのかと思った)
「今、絶対失礼なこと考えてたよね?フェリ」
「な、な、何のこと?ただオリビアがいつ来たのか気付かなくてビックリしただけだよ」
「…………ふ~ん」
(納得してない顔だ!)
「先程、アルベルト様から連絡を頂きましたので」
「そうなんだね」
クロードはオースティンにも部屋に戻るように言った。
「オースティンも戻ってくれ、今日の事もあるし、彼女も一人で心細いだろう」
「すまんな。何かあれば必ず呼んでくれ」
「あぁ分かった」
クロードは振り返り黒幕について聞いた。
「それで、黒幕は誰だ?」
「あの子を部屋に返したんだから、察しはついてるでしょう?」
「……やはりベイリー家か」
「はい、成功報酬として奴隷をもらうと言っていました。フィアフルに借りたこの魔道具に記録されています」
チェイスはカフス型の魔道具をクロードに渡した。
「僕のも渡しておくよ。魔道具を設置した 2人の会話が入っているから」
フィアフルから魔道具を受けとると、奴隷たちの話をした。
「この奴隷たちはおそらく違法奴隷だろ?」
「本人たちに確認しないと分かりませんが、おそらくそうでしょう」
「ねぇこういう場合、奴隷はどうなるの?」
「正規の奴隷は、主人が捕まったり死んだ場合は譲渡されるか奴隷商に戻されるかだな。違法奴隷は解放するのが決まりだが、主人が生きていると契約解除をしないと解放されない」
「だからこの4人の場合は、このブタが解除しないと奴隷のままなんだよ」
クロードが奴隷について説明し、チェイスはブータンを見ながら吐き捨てるように言った。
バルドたち3人の表情も暗い。
そんな中、フィアフルは少し考えてからある事を尋ねた。
「主人以外が契約解除することは絶対出来ないの?」
「奴隷契約の契約書があれば、奴隷商のスキルで解除は可能だが、この者たちに契約書があるとは思えん。おそらく、この首輪で縛りつけているのだろうが、こういった物は無理に壊すと危険だ」
「帝国の奴隷に契約書なんか無いさ。見かけるやつは皆、首輪をしてますよ」
「成る程ね。……あのさ、もしこの首輪を何のリスクもなく壊せるとしたらやっぱり騒ぎになるかな?」
「そんなものがあるなら違法奴隷は騒ぐだろうな。心当りでもあるのかよ?」
「あ~ほら、僕もベイリー家の屋敷に捕まってたとき、この首輪付けられて鎖もされて動けなかったんだけど、フェリが首輪も鎖も壊してくれたんだ」
「な!?本当か!」
「隊長、フェリーチェに頼んで解放してもらおうぜ」
「それは……駄目ですよライル」
「何でだよ!他に方法があるのかよ、ロイ」
「落ち着くのだライル。フェリーチェに頼めば事情を聞いて来るだろう。そのときにベイリー家の名を聞く、彼女の気持ちも考えなければ」
「バルド副隊長……分かりました」
ライルが肩を落として返事をすると、黙って聞いていたクロードが口を開いた。
「君たちは本当にフェリを心配し、大切に思ってくれているのだな」
チェイスたちがクロードを見ると、そこには先程までの真剣な表情を緩め穏やかに笑う父親がいた。
しかし、その表情は直ぐに戻りチェイスたちの懸念を否定した。
「フェリなら心配ないだろう。あの子はとっくに気付いているからな。そうだろう、アル」
「「「「な!?」」」」
チェイスたちがフィアフルを見ると、クロードの言葉に頷いた。
「うん。気付いてるよ。今回の件にベイリー家が関わっていることも、君たちがフェリを心配していることもね」
「私がフェリを部屋に帰したのも、あの子が大人しく戻ったのも、人に会う約束があるからだ」
「そういえば、初めてまともに話したときから頭の回転が速くて驚かされたな。あの後、いろいろあってそれを疑問に思う事もなかったが」
「私たちも、フェリと話した時はその知識と考え方に驚いたし、あの歳で有り得ないとも思った。ベイリー家の事を聞いた時も、自分がされたことを冷静に話していたからな」
「フェリは何を言われてもどんな扱いをされても、その時は傷付き泣くけど、直ぐにしょうがない事、当たり前の事として頭で処理してしまうんだ」
「だが、頭て処理したとしても心は傷付くだろ?それは大丈夫なのか?」
「大丈夫なわけない……本人に自覚はないけど。でもね、今は少しずつだけど癒されてると思うよ。お父様、お母様や屋敷の人たちからは家族愛、オースティンたちは友愛をもらってね。もちろん君たちの思いもあの子を癒してる」
「あんたは……あんたはどうなんだ?」
「僕は……何だろうね。‘家族愛’でもあり‘友愛’でもあるけど、それだけじゃないんだ。前に言ったけど僕にとってフェリーチェは一番で唯一で、大切にしたい。でも……フェリーチェにとって僕が一番で唯一じゃないと赦せない……って思う事もあるんだ。可笑しいよね」
「……それは」
フィアフルが素直に胸の内を言葉にすると、チェイスたちは絶句した。
「心配するなアル、その気持ちは深い愛情からくるものだ。可笑しな事ではないさ」
「いや……それはそうだが」
「そうなの?ならいいや!」
「いやいやいや、ちゃんと考えた方がいいと思うぞ」
フェリーチェを心配して、フィアフルに考えさせようとするチェイスをロイが止めて、小声で話し出した。
「隊長、あまり首を突っ込まない方がいいですよ」
「そおっすよ。邪魔するとヤバいっていうでしょ?」
「こう言うことは、周りが口出すと拗れますからな」
「いやだからっ、4歳なんだよ」
「隊長、忘れたんですか?彼は龍です」
「だから?」
「鈍いな~龍といえば?」
「分からん」
「番ですな」
「つがっ!?……そういうことか。だからクロード殿はああ言ったのか」
「彼はまだ自覚してないようですから、余計なことは言わない方がいいでしょうね」
「そうだな」
話し合い?の結論が出た時、フィアフルがブータンたちをどうするかクロードに聞いていた。
「こいつらどうするのお父様」
「地下に牢があるからそこに運ぼう。奴隷は部屋を用意するからそこに運ぶ。見張りをおいた方がいいな」
「見張りは俺たちがやりますよ」
「いいのか?」
「はい、今回見張りと尾行しかしてないのでやらせて下さい」
「では頼む」
ひとまずブータンと部下の3人を地下牢に運び、奴隷たちの部屋を用意している間に、チェイスたちは宿に転移して部屋を引き払い戻って来た。
ちょうど、準備が出来ていたので奴隷たちを運びフィアフルが魔法を解かない限り目覚めないと言ったので全員、仮眠をとることにした。
「クロード、大丈夫か?何があった」
声をかけて直ぐにドアが開きながらクロードが謝った。
「騒がしくて済まないオースティン、客人が来ただけ………どうやら起こしてしまったようだな。おいでフェリ」
オースティンに顔を向けて、抱えられてる私に気付きクロードが腕を差しだしたので、大人しく抱っこされて部屋の中に入ると予想通りの人たちがいた。
私を見て驚く人たちと、戻って来ていたアルに声をかけた。
「アル、お帰りなさい。久しぶりです。チェイス、バルドさん、ロイさん、ライルさん」
「だだいまフェリ」
「久しぶり……って、何でここに?」
チェイスの疑問に答えたのはクロードだった。
「私が答えよう。私はディアネス共和国宰相クロードだ。フェリーチェとアルベルトの父親でもある。ここは私の屋敷だ」
「アルベルト?」
「アルベルトは、僕の名前だよ。フィアフルのままだと、正体がバレるかもしれないからね」
「へぇ……って宰相!?どうやったら宰相が父親になるんだ!」
「隊長、落ち着いて下さい。今何時だと思ってるんですか」
「そうだぜ隊長。迷惑かけたらダメっすよ」
「そうですぞ。騒がしくして申し訳ありません」
「おま、お前らっ………」
チェイスたちのやり取りを聞いていた私は、あんぐりと口を開け呆けていた。
「どうしたのフェリ?そんなまぬ……ビックリした顔して」
「アル、それで誤魔化してるつもりなの?間抜けな顔ですいませんね!バルドさんが普通に話しててビックリしたの!」
「あぁそれ?何か気の持ちようらしいよ」
「気の持ちようって」
まさかの理由に言葉を詰まらせていると、オースティンが遠慮がちに話しかけてきた。
「なぁ……俺はオースティンだ。あんたたちがフェリーチェの恩人なのか?」
「名乗りもせず失礼した。俺はトラスト王国のチェイス」
「バルドと申します」
「ロイです」
「ライルです」
「恩人と言うが、それはこちらのセリフですよ。フェリーチェがいなければ、家族や仲間を失うとこでしたから」
「そうか……ところで、そこに転がってる連中は何なんだ?」
オースティンが、ブータンたちを指差しながら聞くと、アルが教えた。
「コイツらは帝国の人間だよ。あの魔道具を使って町を襲わせる任務だったみたいだ」
「このエルフと獣人はこのブタの奴隷です」
「隊長、ブタじゃなくてブータンですよ」
「たいして変わらないからいいだろ」
(うわぁ……見たまんまだな。名は体を表すって言うもんね)
たぶん違うが、心の中で考えていたのでツッコんでくれる人はいなかった。
「その男が首謀者なのか?」
「首謀者ではありません。首謀者は……その……」
クロードの質問にチェイスは言い淀んだ。
何かを察して、クロードは私に目を向けた。
「フェリ、そろそろ部屋に戻って寝るといい。明日……もう今日だな、スミス邸に行く予定だろう」
「お父様……でも」
「そうしなよフェリ。寝不足で魔力操作ミスったら、またお仕置きするよ?」
アルがニッコリ笑いながら言ったことに青ざめ急いで頷いた。
「ちゃんと寝るよ!大丈夫!私、とっても眠いから!」
「ならよかったよ。オリビア、フェリを部屋に連れてってから寝るまで見張ってて」
「畏まりましたアルベルト様」
いつの間にか気配なくドアの所にいたオリビアに驚いた。
(ビックリした!?アルがどうかしちゃったのかと思った)
「今、絶対失礼なこと考えてたよね?フェリ」
「な、な、何のこと?ただオリビアがいつ来たのか気付かなくてビックリしただけだよ」
「…………ふ~ん」
(納得してない顔だ!)
「先程、アルベルト様から連絡を頂きましたので」
「そうなんだね」
クロードはオースティンにも部屋に戻るように言った。
「オースティンも戻ってくれ、今日の事もあるし、彼女も一人で心細いだろう」
「すまんな。何かあれば必ず呼んでくれ」
「あぁ分かった」
クロードは振り返り黒幕について聞いた。
「それで、黒幕は誰だ?」
「あの子を部屋に返したんだから、察しはついてるでしょう?」
「……やはりベイリー家か」
「はい、成功報酬として奴隷をもらうと言っていました。フィアフルに借りたこの魔道具に記録されています」
チェイスはカフス型の魔道具をクロードに渡した。
「僕のも渡しておくよ。魔道具を設置した 2人の会話が入っているから」
フィアフルから魔道具を受けとると、奴隷たちの話をした。
「この奴隷たちはおそらく違法奴隷だろ?」
「本人たちに確認しないと分かりませんが、おそらくそうでしょう」
「ねぇこういう場合、奴隷はどうなるの?」
「正規の奴隷は、主人が捕まったり死んだ場合は譲渡されるか奴隷商に戻されるかだな。違法奴隷は解放するのが決まりだが、主人が生きていると契約解除をしないと解放されない」
「だからこの4人の場合は、このブタが解除しないと奴隷のままなんだよ」
クロードが奴隷について説明し、チェイスはブータンを見ながら吐き捨てるように言った。
バルドたち3人の表情も暗い。
そんな中、フィアフルは少し考えてからある事を尋ねた。
「主人以外が契約解除することは絶対出来ないの?」
「奴隷契約の契約書があれば、奴隷商のスキルで解除は可能だが、この者たちに契約書があるとは思えん。おそらく、この首輪で縛りつけているのだろうが、こういった物は無理に壊すと危険だ」
「帝国の奴隷に契約書なんか無いさ。見かけるやつは皆、首輪をしてますよ」
「成る程ね。……あのさ、もしこの首輪を何のリスクもなく壊せるとしたらやっぱり騒ぎになるかな?」
「そんなものがあるなら違法奴隷は騒ぐだろうな。心当りでもあるのかよ?」
「あ~ほら、僕もベイリー家の屋敷に捕まってたとき、この首輪付けられて鎖もされて動けなかったんだけど、フェリが首輪も鎖も壊してくれたんだ」
「な!?本当か!」
「隊長、フェリーチェに頼んで解放してもらおうぜ」
「それは……駄目ですよライル」
「何でだよ!他に方法があるのかよ、ロイ」
「落ち着くのだライル。フェリーチェに頼めば事情を聞いて来るだろう。そのときにベイリー家の名を聞く、彼女の気持ちも考えなければ」
「バルド副隊長……分かりました」
ライルが肩を落として返事をすると、黙って聞いていたクロードが口を開いた。
「君たちは本当にフェリを心配し、大切に思ってくれているのだな」
チェイスたちがクロードを見ると、そこには先程までの真剣な表情を緩め穏やかに笑う父親がいた。
しかし、その表情は直ぐに戻りチェイスたちの懸念を否定した。
「フェリなら心配ないだろう。あの子はとっくに気付いているからな。そうだろう、アル」
「「「「な!?」」」」
チェイスたちがフィアフルを見ると、クロードの言葉に頷いた。
「うん。気付いてるよ。今回の件にベイリー家が関わっていることも、君たちがフェリを心配していることもね」
「私がフェリを部屋に帰したのも、あの子が大人しく戻ったのも、人に会う約束があるからだ」
「そういえば、初めてまともに話したときから頭の回転が速くて驚かされたな。あの後、いろいろあってそれを疑問に思う事もなかったが」
「私たちも、フェリと話した時はその知識と考え方に驚いたし、あの歳で有り得ないとも思った。ベイリー家の事を聞いた時も、自分がされたことを冷静に話していたからな」
「フェリは何を言われてもどんな扱いをされても、その時は傷付き泣くけど、直ぐにしょうがない事、当たり前の事として頭で処理してしまうんだ」
「だが、頭て処理したとしても心は傷付くだろ?それは大丈夫なのか?」
「大丈夫なわけない……本人に自覚はないけど。でもね、今は少しずつだけど癒されてると思うよ。お父様、お母様や屋敷の人たちからは家族愛、オースティンたちは友愛をもらってね。もちろん君たちの思いもあの子を癒してる」
「あんたは……あんたはどうなんだ?」
「僕は……何だろうね。‘家族愛’でもあり‘友愛’でもあるけど、それだけじゃないんだ。前に言ったけど僕にとってフェリーチェは一番で唯一で、大切にしたい。でも……フェリーチェにとって僕が一番で唯一じゃないと赦せない……って思う事もあるんだ。可笑しいよね」
「……それは」
フィアフルが素直に胸の内を言葉にすると、チェイスたちは絶句した。
「心配するなアル、その気持ちは深い愛情からくるものだ。可笑しな事ではないさ」
「いや……それはそうだが」
「そうなの?ならいいや!」
「いやいやいや、ちゃんと考えた方がいいと思うぞ」
フェリーチェを心配して、フィアフルに考えさせようとするチェイスをロイが止めて、小声で話し出した。
「隊長、あまり首を突っ込まない方がいいですよ」
「そおっすよ。邪魔するとヤバいっていうでしょ?」
「こう言うことは、周りが口出すと拗れますからな」
「いやだからっ、4歳なんだよ」
「隊長、忘れたんですか?彼は龍です」
「だから?」
「鈍いな~龍といえば?」
「分からん」
「番ですな」
「つがっ!?……そういうことか。だからクロード殿はああ言ったのか」
「彼はまだ自覚してないようですから、余計なことは言わない方がいいでしょうね」
「そうだな」
話し合い?の結論が出た時、フィアフルがブータンたちをどうするかクロードに聞いていた。
「こいつらどうするのお父様」
「地下に牢があるからそこに運ぼう。奴隷は部屋を用意するからそこに運ぶ。見張りをおいた方がいいな」
「見張りは俺たちがやりますよ」
「いいのか?」
「はい、今回見張りと尾行しかしてないのでやらせて下さい」
「では頼む」
ひとまずブータンと部下の3人を地下牢に運び、奴隷たちの部屋を用意している間に、チェイスたちは宿に転移して部屋を引き払い戻って来た。
ちょうど、準備が出来ていたので奴隷たちを運びフィアフルが魔法を解かない限り目覚めないと言ったので全員、仮眠をとることにした。
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