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禁忌の子

目覚めたら知らない部屋?

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(う~寒いな~また灯ちゃんに布団剥がされたのかな~まだ眠いのにぃ~)

「灯ちゃ~ん、もうちょっと寝かせてよぉ」

私の言葉に、返事はなかった。

(あれ?何もしてこない……いつもは無理矢理起こされるのに……もしかして、昨日途中で寝ちゃたから怒ってる!?)

――ガバッ

「ごめん、灯ちゃん!ちゃんと起きたよ!!」

またも、返事がない。
私は辺りを見回したが、

「………あれ?誰もいない……ていうか、何か暗いし、ここどこなの?」

(私の部屋じゃないし、孤児院いえの他の部屋でもないよね……これって……布?私、布の上で寝てたみたい……寒いはずだよね。明かりも、電気じゃなくてランプ1つだから暗いし……)

もう一度、辺りを見回してみたら、ドアを見つけた。

「ドアだ!?とりあえず、外に出てみよぉ~っと」

私はドアに駆け寄り、ドアノブに手を伸ばしても届かず、背伸びしてみたらギリギリ届いたのでドアノブを回したが

――ガチャガチャ

「開かない……鍵がかかっているみたい」

(出れないかぁ~……それにしても、私が背伸びしないと届かないって、ドア大き過ぎじゃない?……まって?ドアが大きいんじゃなくて、もしかしてっ)

私は、慌てて部屋のすみに置いてあるランプの側に行き、自分の体を確認した。
ランプに照らされて見えたものは、子どものような小さな体だった。

(やっぱり!?……子どもになってるの?でも何でだろう?昨日は、医大の合格発表に行って、孤児院いえに帰る途中で眠っちゃたんだよね~…………って、違うよ!いくら私でも、歩いてる途中で眠るわけないよ……たぶん……)

私は一度落ち着く為に、眠っていた布の上に座り込み、ゆっくり思い出してみた。

(たしか、駅に向かってる途中で男の人がぶつかってきて、お腹が痛いなって思ったら倒れたんだよね……それから、凄く眠くなってきて……灯ちゃんが泣いてた)

「……私、もしかして刺されたのかな?……なら死んだってこと?……でも、私はここにいる……子どもになってるけど……眠ってて夢を見てるだけなのかも」

私は、夢か確かめる為に、おもいっきり頬っぺたをつねってみた。

「あ痛っ!?……痛いって事は夢じゃないの?」

考えたが分からなかったので、情報を集める為に、何かないか部屋を探すことにしました。

――ガサガサ――ガサガサ

「ん~特に何もないなぁ……というか、物無さすぎだよね……」

部屋にあったのは寝てた布と机にイス、羽ペンと紙の束、トイレっぽいのに、本棚だった。

「本は結構あるなぁ……よし!本に何か情報があるかも」

私は、本を調べる事にしました。
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