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冒険者~学園騒動~
状況確認
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目的の魔物を探すグレースたちは、周りを警戒しながら森の中を進んでいたが、一向に見付からず困惑していた。
「おかしいですね。この辺りで確認されたはずなのですが……ガイ、お聞きしても宜しいですか?」
「どうした?」
「今回の演習で狩る魔物の生息地は、冒険者ギルドで事前に確認されているのですよね?」
「あぁ、二日前に確認しているぞ」
「二日前……では、今日までの間に魔物が移動した可能性はありますか?」
「なくはないが……ここ最近は、演習に影響が出ないようにこの森での冒険者活動は禁止されてたからな。移動したとすれば、なにか原因があったはずだ」
「そうですか……なんにしろ、このまま探しても埒がありません。一度、先生に報告した方が良いでしょう。何か異変が起きているのかもしれません。三人とも宜しいですか?」
「「「はい」」」
ガイの話を聞いてグレースたちは一度戻る事にしたようだ。
帰りのルートを確認している四人を見守りながら護衛組も話し合っていた。
「さて、どう思う?」
「不審過ぎるよね」
「フェリーチェ様、不審とは?」
「ここまで来るのに魔物がいなかったからですよ。ブレンダさん」
「移動したからでは?」
「ま~なくはないだろうけど、この辺りに全くいないのは流石におかしいよ」
「全くいない!?本当ですかアルベルト様!」
「うん」
「グレースたちの標的はグレートウルフだろ?なら群で行動するし、拠点を頻繁に移動する種でもない」
「借りにグレートウルフが移動したとしても、他の魔物までいないのはおかしいという事ですね」
「あぁ」
状況を確認して深刻な空気が流れる中、フェリーチェは見覚えがあるものを目の端に捕らえたのでそれに近付き拾い上げた。
「これって何処かで……う~ん……何処だっけ?」
「フェリ、何持ってるの?」
「う~ん……アル、これ見覚えがあるんだけど、何処で見たのかが思い出せなくて」
「どれ?」
アルベルトがフェリーチェの手に持っている物を見ると顔をしかめた。
フェリーチェが拾ったものは、柔なか素材でできた手のひらサイズの球体だった。
しかもその球体の中心には魔石が埋め込まれている。
「うわぁ……これって確か……ということは、この状況の原因ってまさか……」
「アル?何か分かったの?」
「分かったというか、分かりたくなかったというか……あくまで可能性の話なんだけど。フェリ、耳かして」
「うん?」
球体を見て何か思いあたったのか、アルベルトは顔を引きつらせながら、フェリーチェに耳打ちで何かを伝えた。
フェリーチェは、その内容に目を見開き顔を引きつらせ、そのあと話を聞いたガイも同じく顔を引きつらせた。
「みんなに話した方が良いのかな?」
「あくまで可能性の話だからね。違うかもしれないし」
「連絡とれば確証が持てるんだがな。……なぁ、アル」
「嫌だ。よろしくリーダー」
「ぐっ……フェリは…」
「頑張ってね。リーダー」
「お、お前ら…こんな時ばっかり!?」
「「ナンノコトヤラ」」
明後日を向くフェリーチェとアルベルトを睨んだガイは、ガックリと肩を落としある人物へと連絡を取るのだった。
「おかしいですね。この辺りで確認されたはずなのですが……ガイ、お聞きしても宜しいですか?」
「どうした?」
「今回の演習で狩る魔物の生息地は、冒険者ギルドで事前に確認されているのですよね?」
「あぁ、二日前に確認しているぞ」
「二日前……では、今日までの間に魔物が移動した可能性はありますか?」
「なくはないが……ここ最近は、演習に影響が出ないようにこの森での冒険者活動は禁止されてたからな。移動したとすれば、なにか原因があったはずだ」
「そうですか……なんにしろ、このまま探しても埒がありません。一度、先生に報告した方が良いでしょう。何か異変が起きているのかもしれません。三人とも宜しいですか?」
「「「はい」」」
ガイの話を聞いてグレースたちは一度戻る事にしたようだ。
帰りのルートを確認している四人を見守りながら護衛組も話し合っていた。
「さて、どう思う?」
「不審過ぎるよね」
「フェリーチェ様、不審とは?」
「ここまで来るのに魔物がいなかったからですよ。ブレンダさん」
「移動したからでは?」
「ま~なくはないだろうけど、この辺りに全くいないのは流石におかしいよ」
「全くいない!?本当ですかアルベルト様!」
「うん」
「グレースたちの標的はグレートウルフだろ?なら群で行動するし、拠点を頻繁に移動する種でもない」
「借りにグレートウルフが移動したとしても、他の魔物までいないのはおかしいという事ですね」
「あぁ」
状況を確認して深刻な空気が流れる中、フェリーチェは見覚えがあるものを目の端に捕らえたのでそれに近付き拾い上げた。
「これって何処かで……う~ん……何処だっけ?」
「フェリ、何持ってるの?」
「う~ん……アル、これ見覚えがあるんだけど、何処で見たのかが思い出せなくて」
「どれ?」
アルベルトがフェリーチェの手に持っている物を見ると顔をしかめた。
フェリーチェが拾ったものは、柔なか素材でできた手のひらサイズの球体だった。
しかもその球体の中心には魔石が埋め込まれている。
「うわぁ……これって確か……ということは、この状況の原因ってまさか……」
「アル?何か分かったの?」
「分かったというか、分かりたくなかったというか……あくまで可能性の話なんだけど。フェリ、耳かして」
「うん?」
球体を見て何か思いあたったのか、アルベルトは顔を引きつらせながら、フェリーチェに耳打ちで何かを伝えた。
フェリーチェは、その内容に目を見開き顔を引きつらせ、そのあと話を聞いたガイも同じく顔を引きつらせた。
「みんなに話した方が良いのかな?」
「あくまで可能性の話だからね。違うかもしれないし」
「連絡とれば確証が持てるんだがな。……なぁ、アル」
「嫌だ。よろしくリーダー」
「ぐっ……フェリは…」
「頑張ってね。リーダー」
「お、お前ら…こんな時ばっかり!?」
「「ナンノコトヤラ」」
明後日を向くフェリーチェとアルベルトを睨んだガイは、ガックリと肩を落としある人物へと連絡を取るのだった。
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