側妃にすると言われたので従者と一緒に逃げることにしました。

「彼女を正妃として、お前は側妃にする」

結婚式の一週間前にオデット・アルバネル公爵令嬢は呼び出され、婚約者である王太子アルノーからそう告げられる。

その場には国王も彼女の父もおり、納得済みだと言う。

アルノーとオデットの婚約は政略的なもので当人同士の気持ちで結ばれたものではない。

アルノーは学園に在学中にキャロリン・ルーキエ男爵令嬢を見初めて恋人になるが、キャロリンは男爵令嬢故にアルノーの正式な婚約者であるオデットを退けた上で王太子の配偶者に迎えるには色々問題があった。

そこでアルノーはオデットに側妃になってもらい、表向きの政務はオデットにやってもらうことにしたのだ。


彼女はこのふざけた提案が告げられた時、決意する。

逃げよう、と。

そして彼女は従者と共に国を出ることにした。


※設定は緩いです。物語としてお楽しみ下さい。

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