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第3章
第308話 オデって言ってた
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デリックさんが眉間に皺を寄せて、クレイリー君に尋ねた。
「絡んで来た相手を冒険者ギルド側は止めなかったのか?」
「止めてくれたよぉ。一応ね、冒険者同士の争いとかはギルドは不介入だったりするから放っておかれるかと思ったんだけどぉ。配達物を受け取った時に体当たりしてきたから配達物を落っことしそうになったんだ。だから依頼妨害だとかで怒られてたよ。」
クレイリー君の言葉を聞いて、ユリウスはビックリした様子でクレイリー君に詰め寄った。
「体当たりされたでござるか!」
「うん。何か僕より年下の男の子が何か言って来たと思ったら、後ろから大男がドーンって。配達物がすっとんでギルドの受付の人がキャッチしてくれたんだよぉ。
その男の子と大男が仲間だったみたいでぇ、ギルドの人に注意されてたよ。」
「依頼の品が壊されそうになったから、注意したってことか。」
ツヴァンの冒険者ギルドの職員の顔を思い出しながら考えていると、マーギットさんが半歩前に出た。
「大男と言ったであるか?妙な言葉遣いをしていなかったであるか?」
マーギットさんの質問に、クレイリー君は目をパチパチとさせた。
「あー、確かに、言葉がたどたどしかったかも‥‥。自分の事を『オデ』って呼んでたよぉ‥。」
クレイリー君の返答を聞いて、ユリウスはハッとした。
「オデ君に会ったでござるか。」
「知り合いなの?」
「知り合いではないでござるっ。拙者達が冒険者ギルドに行ったときに、目立ってたでござるよ!」
「そっかぁ。」
クレイリー君はそう言うと、小さい溜め息をついた。
マーギットさんがクレイリー君に向かって言った。
「二度絡まれたと言っていたであるな?」
「ああ、うん‥‥。帰りぃ。配達終わってギルドに戻って来たら、ギルドの前に居てぇ。配達終わったのか!依頼票見せろ!とかってぇ。
大男が腕を掴もうとして来たから振り切って、窓口まで逃げたんだよ。そうしたら、追いかけて来てさぁ。もう‥‥。」
クレイリー君は、思い出したくなさそうに首を振った。
「どうなったでござるか!」
ユリウスはハラハラした様子でクレイリー君の顔を覗き込んだ。距離が近過ぎたのかクレイリー君がちょっと仰け反っている。
「うん‥‥。依頼は自分達でもできたはずだとかなんとか。」
「報酬を寄越せって言って来たでござるか?」
「ううん。そこまでは聞いてないよ。言ってたのかもしれないけどね。ただ、『こんなヒョロイ奴に出来るなら自分達にだって出来たはずだ』ってぇ。酷いよねぇ。」
「それはムカつくでござるなぁ。」
「ねぇ‥‥。その後、他の冒険者が受けようとしていた依頼の方に興味が行ったらしくて、そこで終わったんだけどねぇ。
ちょっと疲れちゃったよぉ。」
「それはお疲れ様だったね。」
クレイリー君の依頼遂行や報酬には影響しなかったのは、まだ良かったけれど、ユリウス曰く「オデ君とその相棒」は、ツヴァンの冒険者ギルドの周辺をずっとウロウロしているのだとすると、低ランクの冒険者がまた絡まれるかもしれない。
ユリウス達だって青銅級にランクアップしたと言っても、絡まれないとは言いきれない。
ツヴァンには一週間程滞在して冒険者活動などもしようと思っていたのだが、ちょっと面倒かもしれない。
オデ君の相棒の方の男の子は、少し仕立てが良さそうな、でも、よれよれした格好をしていた。オデ君の方もクリーン魔法が使えるというし
もしかして貴族の子供が家出して来たとか、それとも貴族の庶子とかだろうか。
「絡んで来た相手を冒険者ギルド側は止めなかったのか?」
「止めてくれたよぉ。一応ね、冒険者同士の争いとかはギルドは不介入だったりするから放っておかれるかと思ったんだけどぉ。配達物を受け取った時に体当たりしてきたから配達物を落っことしそうになったんだ。だから依頼妨害だとかで怒られてたよ。」
クレイリー君の言葉を聞いて、ユリウスはビックリした様子でクレイリー君に詰め寄った。
「体当たりされたでござるか!」
「うん。何か僕より年下の男の子が何か言って来たと思ったら、後ろから大男がドーンって。配達物がすっとんでギルドの受付の人がキャッチしてくれたんだよぉ。
その男の子と大男が仲間だったみたいでぇ、ギルドの人に注意されてたよ。」
「依頼の品が壊されそうになったから、注意したってことか。」
ツヴァンの冒険者ギルドの職員の顔を思い出しながら考えていると、マーギットさんが半歩前に出た。
「大男と言ったであるか?妙な言葉遣いをしていなかったであるか?」
マーギットさんの質問に、クレイリー君は目をパチパチとさせた。
「あー、確かに、言葉がたどたどしかったかも‥‥。自分の事を『オデ』って呼んでたよぉ‥。」
クレイリー君の返答を聞いて、ユリウスはハッとした。
「オデ君に会ったでござるか。」
「知り合いなの?」
「知り合いではないでござるっ。拙者達が冒険者ギルドに行ったときに、目立ってたでござるよ!」
「そっかぁ。」
クレイリー君はそう言うと、小さい溜め息をついた。
マーギットさんがクレイリー君に向かって言った。
「二度絡まれたと言っていたであるな?」
「ああ、うん‥‥。帰りぃ。配達終わってギルドに戻って来たら、ギルドの前に居てぇ。配達終わったのか!依頼票見せろ!とかってぇ。
大男が腕を掴もうとして来たから振り切って、窓口まで逃げたんだよ。そうしたら、追いかけて来てさぁ。もう‥‥。」
クレイリー君は、思い出したくなさそうに首を振った。
「どうなったでござるか!」
ユリウスはハラハラした様子でクレイリー君の顔を覗き込んだ。距離が近過ぎたのかクレイリー君がちょっと仰け反っている。
「うん‥‥。依頼は自分達でもできたはずだとかなんとか。」
「報酬を寄越せって言って来たでござるか?」
「ううん。そこまでは聞いてないよ。言ってたのかもしれないけどね。ただ、『こんなヒョロイ奴に出来るなら自分達にだって出来たはずだ』ってぇ。酷いよねぇ。」
「それはムカつくでござるなぁ。」
「ねぇ‥‥。その後、他の冒険者が受けようとしていた依頼の方に興味が行ったらしくて、そこで終わったんだけどねぇ。
ちょっと疲れちゃったよぉ。」
「それはお疲れ様だったね。」
クレイリー君の依頼遂行や報酬には影響しなかったのは、まだ良かったけれど、ユリウス曰く「オデ君とその相棒」は、ツヴァンの冒険者ギルドの周辺をずっとウロウロしているのだとすると、低ランクの冒険者がまた絡まれるかもしれない。
ユリウス達だって青銅級にランクアップしたと言っても、絡まれないとは言いきれない。
ツヴァンには一週間程滞在して冒険者活動などもしようと思っていたのだが、ちょっと面倒かもしれない。
オデ君の相棒の方の男の子は、少し仕立てが良さそうな、でも、よれよれした格好をしていた。オデ君の方もクリーン魔法が使えるというし
もしかして貴族の子供が家出して来たとか、それとも貴族の庶子とかだろうか。
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