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第3章

第299話 貢献ポイント

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「時間がかかる奴とかが多いから、今日は諦めて洗濯とか武器の手入れをしようかなって。」
「良いんじゃない?着いたばかりなんだし、無理しなくて。」
「はい。」

ロアン君達は条件の良い依頼がないので、依頼を受けるのを止めたようだが、ユリウス達の登録が済むまでちょっと待っていてくれるそうだ。

冒険者ギルドの雰囲気は場所によって結構違う。ツヴァンは建物が大きくて、受付も沢山いて明るい雰囲気だ。

「新規のご登録ですね。三ヶ月以内に冒険者ギルドに何か素材を売ったり、ギルドに貢献するようなことはされましたか。貢献度合いによって
ランクのポイントに加算されます。」
「冒険者ギルドに貢献でござるか?」
ユリウスが首を傾げた。そして「ああ!」と思いついた様子で表情を明るくした。
「イーモを差し入れたでござる!」
「イーモ、でございますか?」

受付の中年の女性が首を傾げた。何か変な方向に向かいそうだな。

「ユリウス、冒険者ギルドへの貢献は差し入れだけじゃないだろう?アイスリザードの討伐だって協力したじゃないか。」

俺は、アイスリザード討伐の後に副ギルド長から受け取った、報奨金支払いの書類を見せた。書類にはちゃんとアイスリザード討伐に協力した人の名前が記載されている。
名前の横に、ギルド員だった場合の貢献点数なども記載がされていた。

「まあ、つい最近ではないですか。貢献点数を加算しておきますね。」

受付の女性は手元で計算をした後、記載した書類を見せてきた。

「明確な討伐履歴ではないので、ランクアップまでは出来ませんが、一回依頼を達成したら、石級から青銅級にランクアップできます。」
「おお!」

ユリウスは受付の女性の言葉を聞いて目を見開き、それからロアン君達の方を振り返って手を振った。

通常は石級は討伐依頼を受ける事ができないし、荷物運びや掃除など達成ポイントが少ない依頼が多く、ランクアップするのに時間がかかるものなのだが、
一回依頼を受けたらランクアップできるという。ある意味、実力があると見なされたことになる。
それだけアイスリザード討伐の貢献ポイントが高かったということだ。

「切磋琢磨する前に追い抜いてしまいそうでござる。」
「未だランクアップしていないであろう。」

もう午後であまり条件のよい依頼はないようだが、ランクアップ目前と聞いて早く依頼を受けたいと考えているようだ。
冒険者タグが出来上がるまでの間、依頼を受けるかどうか相談をしていた。

「確かに今日ランクアップしてしまえば、明日は青銅級の依頼を受ける事ができるんだよね。」
「それならやはり今日、石級の依頼を受けておきたいでござる。」

「しょっぱなから無理はよくないからね。良い依頼があったらにしておこうよ。」
「‥‥たしかに、時間がかかりそうだったり、依頼料が少ないものばかりだな。」

掲示板に貼ってあった依頼票を眺めてトマソンが眉間に皺を寄せた。
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