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第3章
第292話 復路の相談
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ちゃんと安全を考慮して護衛を雇う事も考えているなら、まあ、安心かな。
自分達の馬車まで戻って乗り込んだところで丁度出発を告げる笛が鳴り響いた。
馬車が動き出すと、ユリウスは窓から街並を眺めていた。トマソンは早速、魔法陣を描き始めた。それを見て、デリックさんも腰を上げて席を移動した。
「ふむ。追加分を作っておくか。」
デリックさんがひらりと、羊皮紙をつまみ上げてインクの準備を始めた。
マーギットさんは、作成済みの魔法陣の束をパラパラとめくっている。何が残っているかを確認しているようだ。
窓から馬車の中に目線を戻したユリウスが、はっと目を見開いた。
「炎のやつでござるか?クリーンでござるか?」
「どれもかなり使ってしまったようであるな。ツヴァンまではクリーンを作っておくとしよう。」
ツヴァンまでは魔導科クラスが一緒だから、クリーン魔法の魔法陣は買い取ってもらえるだろう。同級生相手にどうしても儲けたいという訳ではないから、必要があったらって感じだけど。
火魔法関連の魔法陣もかなり消費してしまったのは確かだ。次にまた攻撃用の魔法陣玉が必要な事態にならないとは限らないけど、攻撃は他の方法でも出来るし、後回しだ。
夕方に宿泊予定の街に到着するまで、せっせと勤勉に魔法陣を描き続けた。
ユリウスは、魔法陣を描くのがかなり上達したようだ。アイスリザード討伐で魔法陣玉を結構使ったから、安定した魔力の流し方のコツを掴んだのかもしれない。
思ったより沢山、魔法陣を作成することができた。
魔導科クラスの宿泊先は俺達と同じ宿を手配しておいた。
数日分遅延していた馬車隊が移動しているから、宿が混むのは予想済みだったので、宿に到着予定を連絡するときに一緒に頼んでおいたのだ。
「ありがとう。しかし、いつもどうやって予約をしているんだい?」
「そうだっぺ。ミラクルだっぺ。」
「だすだす!」
もう明日の夕方にはツヴァンに到着予定という頃になってから、宿の手配の方法について聞かれた。
事前に予約をしても、途中で足止めを食らうと予定がズレる事もあるし、手配費用もかかるので、到着後に宿を取る派だったみたいなのだが、ツヴァンで解散した以降のことを考え始めたのかもしれない。
「商業ギルドに魔鷹便を頼むのが良いと思うよ。冒険者ギルドでも頼めるけどね。」
俺は魔鷹の他に魔鳥だとかも自分で保持しているし、滞在予定の地に近い、商会の関係者に依頼することもできるが、そういった伝手がなくても、料金さえ払えば魔鷹便で宿に連絡を事前にとることはできる。
「魔鷹便か‥‥。高いけど、混雑時にはアリだね。‥‥一人だと高い宿に泊まるくらいになっちゃうけど。」
「魔鷹便でなくても、前払いでズレそうな日数分を払っておくって手もあるよ。ただ、ちゃんと連絡しておかないと有耶無耶にされることもあるかもしれない。」
「有耶無耶?」
「遅い時間についたら、到着が遅かった事を理由にその日の部屋は既に埋まってるとかね。」
「前払いなのに?」
「当日キャンセル扱いってこと。何時までに到着しなかったらその日はキャンセルで良いとか、予め伝えておくと良いよ。そういった連絡は商業ギルド経由の方が冒険者ギルド経由よりスムーズなんだ。」
「なるほど。」
「王都に戻るときは、馬車だけでなく宿も予約するっぺ。」
「だすだす。」
うんうんと頷いている魔導科クラスのメンバーに、ちょっと疑問に思って尋ねてみた。
「王都に戻る時って皆実家からでしょ。集まるの?各自で宿を取るの?」
「「「あ!」」」
休み明けに王都に戻る時の事は深く考えず、同じように、魔導科クラスの面々で移動すると考えていたらしい。大丈夫か?
「そうだったっぺ。シンの所は通り道だからなんとかなるっぺ。でも、他はバラバラだっぺ。」
「だすだす。」
「まあ‥‥、普通に各自戻るか‥‥。」
それぞれ旅費さえあれば各自で移動はできるわけだが、集団で移動するのが楽しかったのか、皆残念そうだった。
自分達の馬車まで戻って乗り込んだところで丁度出発を告げる笛が鳴り響いた。
馬車が動き出すと、ユリウスは窓から街並を眺めていた。トマソンは早速、魔法陣を描き始めた。それを見て、デリックさんも腰を上げて席を移動した。
「ふむ。追加分を作っておくか。」
デリックさんがひらりと、羊皮紙をつまみ上げてインクの準備を始めた。
マーギットさんは、作成済みの魔法陣の束をパラパラとめくっている。何が残っているかを確認しているようだ。
窓から馬車の中に目線を戻したユリウスが、はっと目を見開いた。
「炎のやつでござるか?クリーンでござるか?」
「どれもかなり使ってしまったようであるな。ツヴァンまではクリーンを作っておくとしよう。」
ツヴァンまでは魔導科クラスが一緒だから、クリーン魔法の魔法陣は買い取ってもらえるだろう。同級生相手にどうしても儲けたいという訳ではないから、必要があったらって感じだけど。
火魔法関連の魔法陣もかなり消費してしまったのは確かだ。次にまた攻撃用の魔法陣玉が必要な事態にならないとは限らないけど、攻撃は他の方法でも出来るし、後回しだ。
夕方に宿泊予定の街に到着するまで、せっせと勤勉に魔法陣を描き続けた。
ユリウスは、魔法陣を描くのがかなり上達したようだ。アイスリザード討伐で魔法陣玉を結構使ったから、安定した魔力の流し方のコツを掴んだのかもしれない。
思ったより沢山、魔法陣を作成することができた。
魔導科クラスの宿泊先は俺達と同じ宿を手配しておいた。
数日分遅延していた馬車隊が移動しているから、宿が混むのは予想済みだったので、宿に到着予定を連絡するときに一緒に頼んでおいたのだ。
「ありがとう。しかし、いつもどうやって予約をしているんだい?」
「そうだっぺ。ミラクルだっぺ。」
「だすだす!」
もう明日の夕方にはツヴァンに到着予定という頃になってから、宿の手配の方法について聞かれた。
事前に予約をしても、途中で足止めを食らうと予定がズレる事もあるし、手配費用もかかるので、到着後に宿を取る派だったみたいなのだが、ツヴァンで解散した以降のことを考え始めたのかもしれない。
「商業ギルドに魔鷹便を頼むのが良いと思うよ。冒険者ギルドでも頼めるけどね。」
俺は魔鷹の他に魔鳥だとかも自分で保持しているし、滞在予定の地に近い、商会の関係者に依頼することもできるが、そういった伝手がなくても、料金さえ払えば魔鷹便で宿に連絡を事前にとることはできる。
「魔鷹便か‥‥。高いけど、混雑時にはアリだね。‥‥一人だと高い宿に泊まるくらいになっちゃうけど。」
「魔鷹便でなくても、前払いでズレそうな日数分を払っておくって手もあるよ。ただ、ちゃんと連絡しておかないと有耶無耶にされることもあるかもしれない。」
「有耶無耶?」
「遅い時間についたら、到着が遅かった事を理由にその日の部屋は既に埋まってるとかね。」
「前払いなのに?」
「当日キャンセル扱いってこと。何時までに到着しなかったらその日はキャンセルで良いとか、予め伝えておくと良いよ。そういった連絡は商業ギルド経由の方が冒険者ギルド経由よりスムーズなんだ。」
「なるほど。」
「王都に戻るときは、馬車だけでなく宿も予約するっぺ。」
「だすだす。」
うんうんと頷いている魔導科クラスのメンバーに、ちょっと疑問に思って尋ねてみた。
「王都に戻る時って皆実家からでしょ。集まるの?各自で宿を取るの?」
「「「あ!」」」
休み明けに王都に戻る時の事は深く考えず、同じように、魔導科クラスの面々で移動すると考えていたらしい。大丈夫か?
「そうだったっぺ。シンの所は通り道だからなんとかなるっぺ。でも、他はバラバラだっぺ。」
「だすだす。」
「まあ‥‥、普通に各自戻るか‥‥。」
それぞれ旅費さえあれば各自で移動はできるわけだが、集団で移動するのが楽しかったのか、皆残念そうだった。
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