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第3章

第279話 呼び出し

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ロアン君達も臨時パーティのメンバーだから、パーティリーダーであるラドロがまとめて受け取ることは出来るようだ。
とはいえ、ロアン君達も呼んでおいた方が良いよな。

魔鳥に手紙を持たせて、渡して来てもらう事にした。

ロアン君達はマーギットさんやユリウスと一緒に行動していたらしくて、暫くしたら、皆で広場に戻って来た。

俺とジョセフィンの姿を見つけると、ユリウスが駆けて来た。

「受け取ったでござる~!この!手で!導きの書を!」
魔鳥に持たせた手紙を握りしめて、ハイテンションでポーズをとる。
導きの書ってなんだ?

「ユリウス、興奮しすぎである。そもそもそれはロアン君宛であろう?」
「『ロアン君達』と書いてあったでござる!『達』に拙者達も入っているでござろう?」
ユリウスが俺とマーギットさんの顔を交互に見た。ユリウス、ごめん。「達」に入ってるのはローレ嬢とデヴィン君のつもりだった。

俺の微妙な表情で察したのか、ユリウスが急に肩を落として、手紙をロアン君に差し出した。
「すまなかったでござる。てっきり、ロアン氏の友達枠で入ってると思ってたでござる。」
「え、あの‥‥。」
しゅんとしているユリウスにロアン君は戸惑った様子だ。ローレ嬢がユリウスを慰めるように言った。
「これは、冒険者パーティって意味だと思うわ。ユリウスさん達はお友達よ!」
「ローレ氏~。」
「その呼び方は微妙だけど‥‥。」

手紙自体はロアン君、ローレ嬢、デヴィン君宛のつもりだったが、ユリウス達にも会う用件がある。
俺はユリウス宛の革袋を掲げた。

「ユリウス達の分の報酬は受け取って来たんだ。ロアン君とローレ嬢とデヴィン君の分は、今ラドロが手続きに行っているから取りに行ってね。
あと、明日の朝出発かもしれないから、依頼人に確認に行ってね。」

「「「あ、はい!」」」
「ほ、報酬?」
ロアン君達は慌てて冒険者ギルドに向かって駆けて行った。
ユリウスは報酬と聞いてキョトンとしていた。
マーギットさんやデリックさんも、想定外という顔をして革袋を手にとった。
「我らは冒険者登録もしていないし、魔獣討伐の協力は貴族として当然なのであるが。」
「そうだよ。それに‥‥、結構な金額だよ。」
「『ユリウス様へ』って!書いてあるでござる!感謝の言葉が述べられているでござるぅ!」
「‥‥いいのか?」

ユリウス以外は、マーギットさんもデリックさんもトマソンも、報酬を受け取って良いのか判らないという顔をしている。
一人ずつギルドからメッセージが書かれていて良かった。俺がまとめて受け取って分配とかしようとしたら、受け取ってくれなかったかもしれない。

「討伐に協力したのだから報酬は出るものですよ。」
「芋を投げていただけで‥‥。」
「魔法陣玉もね。労力の対価は受け取っておきましょう。それより,明日朝出発らしいですよ。」

報酬の入った革袋を手にして困ったような顔をしていたのに、出発の話をしたら、皆の表情が変わった。
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