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第3章
第257話 通行止め
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ユリウス達が両手を広げて立った。門から逃げてくる人の流れを誘導して、雪の壁を作る場所に人が突進してこないようにしてくれている。
ジョセフィンがちょっと心配そうな顔をしていた。
「今、除雪魔導士に来ていただく様に連絡をしていますが‥‥。」
「うん。除雪魔導士が来てくれたら、門に近い所にもう一か所作ってもらうように頼もう。」
「ご無理なさらずに。」
「うん。」
俺も一応除雪魔法は使えるけど、除雪魔導士みたいに普段使っているわけじゃないからな。ただでさえ魔力の消耗が激しいと言われる魔法だから、ジョセフィンも心配なんだろうな。
俺は雪の壁を設置する予定の場所向かって立ち、一度両手で杖を握りしめながら杖を見つめ意識を集中した。
周辺に積もっている雪の上に魔力をばらまくように広げる。目を閉じて、周辺から雪をかき集めて壁を作成するイメージを思い浮かべた。
積もった雪の上に広げた魔力が雪を掴む。目を開いて、杖をふるう。
ズズズズズーーー!
周辺の雪が一か所に集まって行き、壁の形に盛り上がっていった。成功したみたいだ。
「おおー?」
マーギットさんに言われて通りの一部を手を広げて塞いでいたユリウスが振り返って、ちょっと変な声を上げた。
「雪の壁が一瞬でできたでござる!」
「うん。次は、こっちに作る。」
道の片側の歩道を塞ぐように壁を作り、今度は車道部分に少しずらして平行するように壁を設置する。
壁の端と端は隙間を空けながら重なるようにした。
車道部分に三枚。人が通れる隙間がある形で壁を作る。人の流れを誘導してもらいながらさっさと作る。
急に進行方向を塞がれてビックリしている人には、隙間を通るように伝えてもらう。
「おおーー!」
三枚目の壁を作った辺りで、門から逃げて来た人達が立ち止まって壁が出来るのを見物しているのに気がついた。いや、逃げなよ?ちゃんと避難してくださいよ。
集中力が途切れるので見物人の事は見ないことにして、予定していた壁を最後まで作成してしまう。
全ての壁が出来上がった時には、拍手が聞こえて来た。道の隅の方では、駆けつけた衛兵にジョセフィンとマーギットさんが話をしている。状況を説明してくれているようだ。
「‥‥安全の為なのは判った。しかしこれでは馬車が通れないではないか。」
「寧ろ通行止めにすべきであろう。もう、アイスリザードが来ているのが見えないであるか?」
勝手に通行止めにしたので、衛兵が難色を示しているらしい。
俺は近付いて行って、衛兵に話しかけた。
「あの。勝手に壁を作ってしまいましたが、移動できなくはないです。撤去しますか?」
「‥‥少し待ってくれ。今、南門の状況を確認に行かせている。」
衛兵が言ったとおり、少ししてもう一人の衛兵が南門の方から駆けてきた。
衛兵が叫ぶ様に言った。
「現在アイスリザードが三体街に入り込んでいます!」
「まずいな‥‥!‥‥壁はこのままで!中央の警鐘を鳴らすように連絡しろ!住民の避難を!」
俺達と話していた衛兵が指示を出し、衛兵がバタバタと動き出した。
もう話は終わりかなと思ったら、去り駆けた衛兵が声を駆けて来た。
「君。まだ、雪の壁を作る事は可能だろうか?」
南門の状況を確認して、方針を変えたらしい。もっと門に近い位置にも雪の壁を設置して欲しいという。
了承しようとしたらジョセフィンが難色を示した。
「門に近いということはここより危険なんですよ。そんな場所で作業ですか?」
「アイスリザードは足が遅いから、近付いて来ても逃げられるだろ。
「しかし‥‥。」
話をしているうちに、聞き覚えがある声が聞こえて来た。
「おおーー!斬新っすねー!」
シャインさんだった。俺が作った細い通路を通って来たらしい。後方にドルートルさんが、やってくるのが見える。ドルートルさんは歩きにくそうにヨタヨタとしていた。
その後ろにユローロさんの姿も見えた。
ジョセフィンがちょっと心配そうな顔をしていた。
「今、除雪魔導士に来ていただく様に連絡をしていますが‥‥。」
「うん。除雪魔導士が来てくれたら、門に近い所にもう一か所作ってもらうように頼もう。」
「ご無理なさらずに。」
「うん。」
俺も一応除雪魔法は使えるけど、除雪魔導士みたいに普段使っているわけじゃないからな。ただでさえ魔力の消耗が激しいと言われる魔法だから、ジョセフィンも心配なんだろうな。
俺は雪の壁を設置する予定の場所向かって立ち、一度両手で杖を握りしめながら杖を見つめ意識を集中した。
周辺に積もっている雪の上に魔力をばらまくように広げる。目を閉じて、周辺から雪をかき集めて壁を作成するイメージを思い浮かべた。
積もった雪の上に広げた魔力が雪を掴む。目を開いて、杖をふるう。
ズズズズズーーー!
周辺の雪が一か所に集まって行き、壁の形に盛り上がっていった。成功したみたいだ。
「おおー?」
マーギットさんに言われて通りの一部を手を広げて塞いでいたユリウスが振り返って、ちょっと変な声を上げた。
「雪の壁が一瞬でできたでござる!」
「うん。次は、こっちに作る。」
道の片側の歩道を塞ぐように壁を作り、今度は車道部分に少しずらして平行するように壁を設置する。
壁の端と端は隙間を空けながら重なるようにした。
車道部分に三枚。人が通れる隙間がある形で壁を作る。人の流れを誘導してもらいながらさっさと作る。
急に進行方向を塞がれてビックリしている人には、隙間を通るように伝えてもらう。
「おおーー!」
三枚目の壁を作った辺りで、門から逃げて来た人達が立ち止まって壁が出来るのを見物しているのに気がついた。いや、逃げなよ?ちゃんと避難してくださいよ。
集中力が途切れるので見物人の事は見ないことにして、予定していた壁を最後まで作成してしまう。
全ての壁が出来上がった時には、拍手が聞こえて来た。道の隅の方では、駆けつけた衛兵にジョセフィンとマーギットさんが話をしている。状況を説明してくれているようだ。
「‥‥安全の為なのは判った。しかしこれでは馬車が通れないではないか。」
「寧ろ通行止めにすべきであろう。もう、アイスリザードが来ているのが見えないであるか?」
勝手に通行止めにしたので、衛兵が難色を示しているらしい。
俺は近付いて行って、衛兵に話しかけた。
「あの。勝手に壁を作ってしまいましたが、移動できなくはないです。撤去しますか?」
「‥‥少し待ってくれ。今、南門の状況を確認に行かせている。」
衛兵が言ったとおり、少ししてもう一人の衛兵が南門の方から駆けてきた。
衛兵が叫ぶ様に言った。
「現在アイスリザードが三体街に入り込んでいます!」
「まずいな‥‥!‥‥壁はこのままで!中央の警鐘を鳴らすように連絡しろ!住民の避難を!」
俺達と話していた衛兵が指示を出し、衛兵がバタバタと動き出した。
もう話は終わりかなと思ったら、去り駆けた衛兵が声を駆けて来た。
「君。まだ、雪の壁を作る事は可能だろうか?」
南門の状況を確認して、方針を変えたらしい。もっと門に近い位置にも雪の壁を設置して欲しいという。
了承しようとしたらジョセフィンが難色を示した。
「門に近いということはここより危険なんですよ。そんな場所で作業ですか?」
「アイスリザードは足が遅いから、近付いて来ても逃げられるだろ。
「しかし‥‥。」
話をしているうちに、聞き覚えがある声が聞こえて来た。
「おおーー!斬新っすねー!」
シャインさんだった。俺が作った細い通路を通って来たらしい。後方にドルートルさんが、やってくるのが見える。ドルートルさんは歩きにくそうにヨタヨタとしていた。
その後ろにユローロさんの姿も見えた。
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