223 / 324
第3章
第222話 魔鳥で探索
しおりを挟む
日も暮れかけていたので、宿に戻る事にした。三人は広場沿いの閉店間際の店が安売りを始めたので、買いに行くといって駆けていった。
宿に戻ると、ロビーでユリウスとマルロイ君、シン君が待っていた。
どうやら、他の宿は見つからなかったそうで、確保していた2部屋に男女別れて泊まる事にしたらしい。やや広めの部屋だったので幅の狭い簡易ベッドを2つ入れて
男子部屋はソファーも使って5人で泊まるそうだ。
以前みたいに、何名か俺達の部屋に来たらどうかと提案してみたが、簡易ベッドとソファーで人数分寝床が確保できたから問題ないらしい。
お礼を言うためにマルロイ君達がロビーで待っていたそうだ。最初は全員待っていたらしいのだが、ロビー泊の客でロビーが混んで来たので三人だけ待機していたらしい。
「感謝だっぺ。」
「ありがとうだす。」
他のメンバーも部屋に呼びに行くと言い出したのだけど、ロビーも混雑しているし別に良いと言っておいた。
夕食は彼らも宿の食堂で食べるというので、夕食時に会う約束をして各自の部屋に向かった。
宿泊予定の部屋に入ってから、窓を開けて外の様子を眺めた。日暮れは近いがまだ空は明るい。
魔鳥のケージを開けて、空に放った。
「ちょっと、感覚共有でこの辺の様子を見てくる。」
ジョセフィンにそう告げてから、椅子に腰を下ろして目を閉じた。
外に放った魔鳥から、感覚共有で雪景色の映像が送られて来た。除雪魔法で作られた雪の壁に挟まれた道に沿って南に向かう。
途中で街道を遮る様に雪の壁が出来ていて、阻まれていた。そこにメッセージの書かれた布が埋め込まれている。
アイスリザードが街道を伝って街に入って来ないように、一時的に封鎖しているらしい。
封鎖に使われた雪の壁の上を通り抜けて、更に南に進むと、途中の村や街に向かう為に分岐している道がいくつかあった。
どの道もアイスリザードが入り込まないように雪の壁でしっかり囲まれているようだった。
日がどんどん沈んできて段々辺りが暗くなって来た。そろそろ引き返えさせた方が良いか。
最後に少し上空に上がって見渡してみた。すると魔鳥が何か感知したらしい。
何か見つけたらしい方向に進んでいくと、街道からそれた支線で動く影。馬車?それとアイスリザード?
冒険者達がアイスリザードと戦闘をしている。アイスリザードは1体。冒険者は四人。火魔法と剣で戦っているようだ。
きちんと連携をとって戦っているようだし、近付きすぎると火魔法が飛んで来そうなので、確認だけしてもう一度上空に上がった。
更に道の先にもアイスリザードが1体、歩いているのが見えた。もしかしてこの道の先の何処かで雪の壁が崩れているのかもしれない。
日が沈みきってしまうと視覚情報も入って来なくなってしまうので、位置だけ覚えておいて、また明日の朝にでも見る事にしよう。
魔鳥に戻ってくる様に指示を出した。途中、まだ先程の冒険者達が戦っているのが見えた。
加勢、必要ないよね?って、魔鳥では、戦闘の役には立てそうもない。
彼らの健闘を祈って、魔鳥を呼び戻した。
感覚共有を解いてから、ジョセフィンが持っていた周辺の簡易地図で位置情報を照らし合わせた。
南に続く大街道から逸れて、進んで行く道があるのだが途中に川にあった。
橋を渡ってその先の道に進むようになっている。
「川か‥‥。橋のところって雪の壁作れたっけ?」
「橋の広さによるかと思いますけど。‥‥川からアイスリザードが入ってくるってことですか?」
「それならそこが原因って気がつきそうだけどな。でも橋に続く道にアイスリザードが出没したとなると、可能性はあるよな。」
「明日、直接調査に行きますか?」
「ああ。でも、朝、もう一度魔鳥を飛ばして、見に行ってからにするよ。」
街道自体が雪の壁で封鎖されていたので、冒険者が自由に討伐に出かけられる状態ではなさそうだったから、
現地まで行くとしたら、冒険者ギルドに確認が必要だろう。
明日の朝は魔鳥での再調査をした後、冒険者ギルドに向かう事にして、本日の調査は一旦終了。夕食を食べに食堂に向かった。
宿に戻ると、ロビーでユリウスとマルロイ君、シン君が待っていた。
どうやら、他の宿は見つからなかったそうで、確保していた2部屋に男女別れて泊まる事にしたらしい。やや広めの部屋だったので幅の狭い簡易ベッドを2つ入れて
男子部屋はソファーも使って5人で泊まるそうだ。
以前みたいに、何名か俺達の部屋に来たらどうかと提案してみたが、簡易ベッドとソファーで人数分寝床が確保できたから問題ないらしい。
お礼を言うためにマルロイ君達がロビーで待っていたそうだ。最初は全員待っていたらしいのだが、ロビー泊の客でロビーが混んで来たので三人だけ待機していたらしい。
「感謝だっぺ。」
「ありがとうだす。」
他のメンバーも部屋に呼びに行くと言い出したのだけど、ロビーも混雑しているし別に良いと言っておいた。
夕食は彼らも宿の食堂で食べるというので、夕食時に会う約束をして各自の部屋に向かった。
宿泊予定の部屋に入ってから、窓を開けて外の様子を眺めた。日暮れは近いがまだ空は明るい。
魔鳥のケージを開けて、空に放った。
「ちょっと、感覚共有でこの辺の様子を見てくる。」
ジョセフィンにそう告げてから、椅子に腰を下ろして目を閉じた。
外に放った魔鳥から、感覚共有で雪景色の映像が送られて来た。除雪魔法で作られた雪の壁に挟まれた道に沿って南に向かう。
途中で街道を遮る様に雪の壁が出来ていて、阻まれていた。そこにメッセージの書かれた布が埋め込まれている。
アイスリザードが街道を伝って街に入って来ないように、一時的に封鎖しているらしい。
封鎖に使われた雪の壁の上を通り抜けて、更に南に進むと、途中の村や街に向かう為に分岐している道がいくつかあった。
どの道もアイスリザードが入り込まないように雪の壁でしっかり囲まれているようだった。
日がどんどん沈んできて段々辺りが暗くなって来た。そろそろ引き返えさせた方が良いか。
最後に少し上空に上がって見渡してみた。すると魔鳥が何か感知したらしい。
何か見つけたらしい方向に進んでいくと、街道からそれた支線で動く影。馬車?それとアイスリザード?
冒険者達がアイスリザードと戦闘をしている。アイスリザードは1体。冒険者は四人。火魔法と剣で戦っているようだ。
きちんと連携をとって戦っているようだし、近付きすぎると火魔法が飛んで来そうなので、確認だけしてもう一度上空に上がった。
更に道の先にもアイスリザードが1体、歩いているのが見えた。もしかしてこの道の先の何処かで雪の壁が崩れているのかもしれない。
日が沈みきってしまうと視覚情報も入って来なくなってしまうので、位置だけ覚えておいて、また明日の朝にでも見る事にしよう。
魔鳥に戻ってくる様に指示を出した。途中、まだ先程の冒険者達が戦っているのが見えた。
加勢、必要ないよね?って、魔鳥では、戦闘の役には立てそうもない。
彼らの健闘を祈って、魔鳥を呼び戻した。
感覚共有を解いてから、ジョセフィンが持っていた周辺の簡易地図で位置情報を照らし合わせた。
南に続く大街道から逸れて、進んで行く道があるのだが途中に川にあった。
橋を渡ってその先の道に進むようになっている。
「川か‥‥。橋のところって雪の壁作れたっけ?」
「橋の広さによるかと思いますけど。‥‥川からアイスリザードが入ってくるってことですか?」
「それならそこが原因って気がつきそうだけどな。でも橋に続く道にアイスリザードが出没したとなると、可能性はあるよな。」
「明日、直接調査に行きますか?」
「ああ。でも、朝、もう一度魔鳥を飛ばして、見に行ってからにするよ。」
街道自体が雪の壁で封鎖されていたので、冒険者が自由に討伐に出かけられる状態ではなさそうだったから、
現地まで行くとしたら、冒険者ギルドに確認が必要だろう。
明日の朝は魔鳥での再調査をした後、冒険者ギルドに向かう事にして、本日の調査は一旦終了。夕食を食べに食堂に向かった。
0
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
さよなら、英雄になった旦那様~ただ祈るだけの役立たずの妻のはずでしたが…~
遠雷
恋愛
「フローラ、すまない……。エミリーは戦地でずっと俺を支えてくれたんだ。俺はそんな彼女を愛してしまった......」
戦地から戻り、聖騎士として英雄になった夫エリオットから、帰還早々に妻であるフローラに突き付けられた離縁状。エリオットの傍らには、可憐な容姿の女性が立っている。
周囲の者達も一様に、エリオットと共に数多の死地を抜け聖女と呼ばれるようになった女性エミリーを称え、安全な王都に暮らし日々祈るばかりだったフローラを庇う者はごく僅かだった。
「……わかりました、旦那様」
反論も無く粛々と離縁を受け入れ、フローラは王都から姿を消した。
その日を境に、エリオットの周囲では異変が起こり始める。
赤いりんごは虫食いりんご 〜りんごが堕ちるのは木のすぐ下〜
くびのほきょう
恋愛
10歳になった伯爵令嬢のオリーブは、前世で飼っていた猫と同じ白猫を見かけて思わず追いかけた。白猫に導かれ迷い込んだ庭園の奥でオリーブが見たのは、母とオリーブを毒殺する計画を相談している父と侍女ジョナの二人。
オリーブは父の裏切りに傷つきながらも、3日前に倒れベッドから出れなくなっていた母を救うのだと決意する。
幼馴染ラルフの手を借りて母の実家へ助けを求めたことで両親は離婚し、母とオリーブは無事母の実家へ戻った。
15歳になりオリーブは学園へ入学する。学園には、父と再婚した元侍女ジョナの娘で異母妹にあたるマールム、久しぶりに再会したオリーブにだけ意地悪な幼馴染のラルフ、偶然がきっかけでよく話をするようになった王弟殿下のカイル、自身と同じ日本からの転生者で第一王子殿下の婚約者の公爵令嬢フレイアなどがいた。仲良くなったフレイアから「この世界は前世に遊んだ乙女ゲームとそっくりで、その乙女ゲーム上では庶子から伯爵令嬢となったマールムがヒロインで、カイルとラルフはマールムの攻略対象だった」と言われたオリーブは、密かに好意を持っていたカイルとマールムが仲良く笑い合っている姿を目撃した。
これは、本来なら乙女ゲーム開始前に死んでいたはずのヒロインの異母姉オリーブが、自身が死ななかったことで崩れてしまった乙女ゲームのシナリオ上を生きる物語です。
※倫理観がなかったり、思いやりやモラルがない屑な登場人物が沢山います。
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
身代わりの人質花嫁は敵国の王弟から愛を知る
夕香里
恋愛
不義の子としてこれまで虐げられてきたエヴェリ。
戦争回避のため、異母妹シェイラの身代わりとして自国では野蛮な国と呼ばれていた敵国の王弟セルゲイに嫁ぐことになった。
身代わりが露見しないよう、ひっそり大人しく暮らそうと決意していたのだが……。
「君を愛することはない」と初日に宣言し、これまで無関心だった夫がとある出来事によって何故か積極的に迫って来て──?
優しい夫を騙していると心苦しくなりつつも、セルゲイに甘やかされて徐々に惹かれていくエヴェリが敵国で幸せになる話。
平民と恋に落ちたからと婚約破棄を言い渡されました。
なつめ猫
恋愛
聖女としての天啓を受けた公爵家令嬢のクララは、生まれた日に王家に嫁ぐことが決まってしまう。
そして物心がつく5歳になると同時に、両親から引き離され王都で一人、妃教育を受ける事を強要され10年以上の歳月が経過した。
そして美しく成長したクララは16才の誕生日と同時に貴族院を卒業するラインハルト王太子殿下に嫁ぐはずであったが、平民の娘に恋をした婚約者のラインハルト王太子で殿下から一方的に婚約破棄を言い渡されてしまう。
クララは動揺しつつも、婚約者であるラインハルト王太子殿下に、国王陛下が決めた事を覆すのは貴族として間違っていると諭そうとするが、ラインハルト王太子殿下の逆鱗に触れたことで貴族院から追放されてしまうのであった。
自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません
月野槐樹
ファンタジー
家族と一緒に初めて王都にやってきたソーマは、王都の光景に既視感を覚えた。自分が作ったゲームの世界に似ていると感じて、異世界に転生した事に気がつく。
自作ゲームの中で作った猫執事キャラのプティと再会。
やっぱり自作ゲームの世界かと思ったけど、なぜか全く作った覚えがない乙女ゲームのような展開が発生。
何がどうなっているか分からないまま、ソーマは、結構マイペースに、今日も魔道具制作を楽しむのであった。
第1章完結しました。
第2章スタートしています。
死を回避したい悪役令嬢は、ヒロインを破滅へと導く
miniko
恋愛
お茶会の参加中に魔獣に襲われたオフィーリアは前世を思い出し、自分が乙女ゲームの2番手悪役令嬢に転生してしまった事を悟った。
ゲームの結末によっては、断罪されて火あぶりの刑に処されてしまうかもしれない立場のキャラクターだ。
断罪を回避したい彼女は、攻略対象者である公爵令息との縁談を丁重に断ったのだが、何故か婚約する代わりに彼と友人になるはめに。
ゲームのキャラとは距離を取りたいのに、メインの悪役令嬢にも妙に懐かれてしまう。
更に、ヒロインや王子はなにかと因縁をつけてきて……。
平和的に悪役の座を降りたかっただけなのに、どうやらそれは無理みたいだ。
しかし、オフィーリアが人助けと自分の断罪回避の為に行っていた地道な根回しは、徐々に実を結び始める。
それがヒロインにとってのハッピーエンドを阻む結果になったとしても、仕方の無い事だよね?
だって本来、悪役って主役を邪魔するものでしょう?
※主人公以外の視点が入る事があります。主人公視点は一人称、他者視点は三人称で書いています。
※連載開始早々、タイトル変更しました。(なかなかピンと来ないので、また変わるかも……)
※感想欄は、ネタバレ有り/無しの分類を一切おこなっておりません。ご了承下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる