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第3章

第222話 魔鳥で探索

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日も暮れかけていたので、宿に戻る事にした。三人は広場沿いの閉店間際の店が安売りを始めたので、買いに行くといって駆けていった。

宿に戻ると、ロビーでユリウスとマルロイ君、シン君が待っていた。
どうやら、他の宿は見つからなかったそうで、確保していた2部屋に男女別れて泊まる事にしたらしい。やや広めの部屋だったので幅の狭い簡易ベッドを2つ入れて
男子部屋はソファーも使って5人で泊まるそうだ。

以前みたいに、何名か俺達の部屋に来たらどうかと提案してみたが、簡易ベッドとソファーで人数分寝床が確保できたから問題ないらしい。

お礼を言うためにマルロイ君達がロビーで待っていたそうだ。最初は全員待っていたらしいのだが、ロビー泊の客でロビーが混んで来たので三人だけ待機していたらしい。

「感謝だっぺ。」
「ありがとうだす。」

他のメンバーも部屋に呼びに行くと言い出したのだけど、ロビーも混雑しているし別に良いと言っておいた。
夕食は彼らも宿の食堂で食べるというので、夕食時に会う約束をして各自の部屋に向かった。

宿泊予定の部屋に入ってから、窓を開けて外の様子を眺めた。日暮れは近いがまだ空は明るい。
魔鳥のケージを開けて、空に放った。

「ちょっと、感覚共有でこの辺の様子を見てくる。」

ジョセフィンにそう告げてから、椅子に腰を下ろして目を閉じた。
外に放った魔鳥から、感覚共有で雪景色の映像が送られて来た。除雪魔法で作られた雪の壁に挟まれた道に沿って南に向かう。
途中で街道を遮る様に雪の壁が出来ていて、阻まれていた。そこにメッセージの書かれた布が埋め込まれている。
アイスリザードが街道を伝って街に入って来ないように、一時的に封鎖しているらしい。

封鎖に使われた雪の壁の上を通り抜けて、更に南に進むと、途中の村や街に向かう為に分岐している道がいくつかあった。
どの道もアイスリザードが入り込まないように雪の壁でしっかり囲まれているようだった。
日がどんどん沈んできて段々辺りが暗くなって来た。そろそろ引き返えさせた方が良いか。
最後に少し上空に上がって見渡してみた。すると魔鳥が何か感知したらしい。
何か見つけたらしい方向に進んでいくと、街道からそれた支線で動く影。馬車?それとアイスリザード?
冒険者達がアイスリザードと戦闘をしている。アイスリザードは1体。冒険者は四人。火魔法と剣で戦っているようだ。
きちんと連携をとって戦っているようだし、近付きすぎると火魔法が飛んで来そうなので、確認だけしてもう一度上空に上がった。

更に道の先にもアイスリザードが1体、歩いているのが見えた。もしかしてこの道の先の何処かで雪の壁が崩れているのかもしれない。
日が沈みきってしまうと視覚情報も入って来なくなってしまうので、位置だけ覚えておいて、また明日の朝にでも見る事にしよう。

魔鳥に戻ってくる様に指示を出した。途中、まだ先程の冒険者達が戦っているのが見えた。
加勢、必要ないよね?って、魔鳥では、戦闘の役には立てそうもない。
彼らの健闘を祈って、魔鳥を呼び戻した。

感覚共有を解いてから、ジョセフィンが持っていた周辺の簡易地図で位置情報を照らし合わせた。
南に続く大街道から逸れて、進んで行く道があるのだが途中に川にあった。
橋を渡ってその先の道に進むようになっている。

「川か‥‥。橋のところって雪の壁作れたっけ?」
「橋の広さによるかと思いますけど。‥‥川からアイスリザードが入ってくるってことですか?」
「それならそこが原因って気がつきそうだけどな。でも橋に続く道にアイスリザードが出没したとなると、可能性はあるよな。」
「明日、直接調査に行きますか?」
「ああ。でも、朝、もう一度魔鳥を飛ばして、見に行ってからにするよ。」

街道自体が雪の壁で封鎖されていたので、冒険者が自由に討伐に出かけられる状態ではなさそうだったから、
現地まで行くとしたら、冒険者ギルドに確認が必要だろう。

明日の朝は魔鳥での再調査をした後、冒険者ギルドに向かう事にして、本日の調査は一旦終了。夕食を食べに食堂に向かった。
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