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第3章
第221話 クリーンな寝袋
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意外な答えで俺は驚いたのだが、マーギットさんは当然という感じで胸を張った。
「そういうものである。我も安さで選んだ宿の部屋が酷く汚くて暗い気持ちになった事が何度もあるである!」
「そ、そうでしたか‥‥。」
三人は自信満々に言うマーギットさんの顔を見ながら、どうして良いか判らないような様子だった。
「だが。」
マーギットさんは唇の端を上げて細長い指を空中で輪を描く様に動かして言った。
「そのくらい、クリーン魔法でどうにでもなる範囲である。」
「え?クリーン魔法?」
「そうである。多少の汚さはクリーン魔法で対応できるのであまり気にしなくても良いのである。」
「魔法‥‥。」
三人がしゅんっとなった。俯いて少し目をそらした。
「うむ?もしかしてあまり魔法は得意ではないであるか?」
「‥‥はい‥‥。魔法、習った事なくて。魔力もあまり多くないし‥‥。」
ローレ嬢がちょっと恥ずかしそうに言った。
「そうであったか‥‥。うむ‥‥。」
マーギットさんは、周囲を見回した。そして俺の耳元でぼそりと言った。
「彼らの寝袋にクリーン魔法をかけてやるくらいしようと思うのであるが、ここでやるのはまずいであるな?」
「‥‥ええ。ここでクリーン魔法を使うと,他の冒険者からもやってくれって殺到されるかもしれないですね。」
変に目立つと後で彼らが他の冒険者に絡まれる可能性もあるので、一旦冒険者ギルドの外に出て、物陰に隠れてクリーン魔法を発動することにした。
「凄い!匂わなくなった!」
「洗い立てみたい。‥‥ありがとうございます!」
寝袋がクリーン魔法でキレイになって、彼らは目を輝かせていた。しかし学園に入学するのに生活魔法も使えないというのはちょっと心配だな。
「生活魔法は覚えておいた方が良いよ。特にクリーン魔法は寮生活をするなら使えた方が良い。」
「あ‥‥、でもどうやって覚えたら良いのか判らなくって‥‥。」
俺が言うと彼らは顔を見合わせた。
「お兄さんとかお姉さんがいるんだよね。教わる事はできないの?」
「忙しそうで‥‥。そもそも兄や姉がクリーン魔法使えるかどうかわからないです。」
「学園で寮生活をしてたのなら使ってたんじゃないかと思うけどね。他には教会とかでも日曜あたりに生活魔法の教室を開催してる事があるから、聞いてみると良いよ。」
「そうなんですね。教会で聞いてみます。クリーン魔法覚えたいです!」
キラキラと瞳を輝かせて彼らはそう言った。なんだか、兄や姉に教わるという手段はあっさり却下になったようだ。
何だろう、家で放っておかれているんだろうか‥‥。ロアン君達は4番目と5番目って言っていたな。デヴィン君の方は兄弟がいるのかも聞いていないけど‥‥。
日が暮れかけた広場は,既に先程、本日最後の便が出たので静かになっている。完全に人がいなくなってはいない。所在無さげにうろうろしている人は、馬車が出ない事を諦めきれないのかもしれない。
広場沿いの店が片付け始めていた。でもまだ営業を終えてはいないようだ。客らしき人が一人入って行った。
その様子をちらりと見た後、三人に向き直った。
「明日、討伐の手伝いは出来そう?」
俺がそう言うと彼らは互いに顔を見合わせた後、コクンと頷いた。
「やります。一応護衛任務受けてるくらいなので、戦いになったってできるはず。」
「三人で角狼倒した事だってあるんです!」
「俺はこの三人の中じゃ、一番力があるんです。」
聞いているとちょっと心配にはなってくるが、彼らの冒険者の等級は青銅級。脅威度が低い魔獣の討伐や中距離程度の護衛依頼は受けられるというレベルだ。護衛依頼の実績を詰んでいる最中といったところだ。
冒険者ギルドも危険な依頼は出さないだろう。
「そういうものである。我も安さで選んだ宿の部屋が酷く汚くて暗い気持ちになった事が何度もあるである!」
「そ、そうでしたか‥‥。」
三人は自信満々に言うマーギットさんの顔を見ながら、どうして良いか判らないような様子だった。
「だが。」
マーギットさんは唇の端を上げて細長い指を空中で輪を描く様に動かして言った。
「そのくらい、クリーン魔法でどうにでもなる範囲である。」
「え?クリーン魔法?」
「そうである。多少の汚さはクリーン魔法で対応できるのであまり気にしなくても良いのである。」
「魔法‥‥。」
三人がしゅんっとなった。俯いて少し目をそらした。
「うむ?もしかしてあまり魔法は得意ではないであるか?」
「‥‥はい‥‥。魔法、習った事なくて。魔力もあまり多くないし‥‥。」
ローレ嬢がちょっと恥ずかしそうに言った。
「そうであったか‥‥。うむ‥‥。」
マーギットさんは、周囲を見回した。そして俺の耳元でぼそりと言った。
「彼らの寝袋にクリーン魔法をかけてやるくらいしようと思うのであるが、ここでやるのはまずいであるな?」
「‥‥ええ。ここでクリーン魔法を使うと,他の冒険者からもやってくれって殺到されるかもしれないですね。」
変に目立つと後で彼らが他の冒険者に絡まれる可能性もあるので、一旦冒険者ギルドの外に出て、物陰に隠れてクリーン魔法を発動することにした。
「凄い!匂わなくなった!」
「洗い立てみたい。‥‥ありがとうございます!」
寝袋がクリーン魔法でキレイになって、彼らは目を輝かせていた。しかし学園に入学するのに生活魔法も使えないというのはちょっと心配だな。
「生活魔法は覚えておいた方が良いよ。特にクリーン魔法は寮生活をするなら使えた方が良い。」
「あ‥‥、でもどうやって覚えたら良いのか判らなくって‥‥。」
俺が言うと彼らは顔を見合わせた。
「お兄さんとかお姉さんがいるんだよね。教わる事はできないの?」
「忙しそうで‥‥。そもそも兄や姉がクリーン魔法使えるかどうかわからないです。」
「学園で寮生活をしてたのなら使ってたんじゃないかと思うけどね。他には教会とかでも日曜あたりに生活魔法の教室を開催してる事があるから、聞いてみると良いよ。」
「そうなんですね。教会で聞いてみます。クリーン魔法覚えたいです!」
キラキラと瞳を輝かせて彼らはそう言った。なんだか、兄や姉に教わるという手段はあっさり却下になったようだ。
何だろう、家で放っておかれているんだろうか‥‥。ロアン君達は4番目と5番目って言っていたな。デヴィン君の方は兄弟がいるのかも聞いていないけど‥‥。
日が暮れかけた広場は,既に先程、本日最後の便が出たので静かになっている。完全に人がいなくなってはいない。所在無さげにうろうろしている人は、馬車が出ない事を諦めきれないのかもしれない。
広場沿いの店が片付け始めていた。でもまだ営業を終えてはいないようだ。客らしき人が一人入って行った。
その様子をちらりと見た後、三人に向き直った。
「明日、討伐の手伝いは出来そう?」
俺がそう言うと彼らは互いに顔を見合わせた後、コクンと頷いた。
「やります。一応護衛任務受けてるくらいなので、戦いになったってできるはず。」
「三人で角狼倒した事だってあるんです!」
「俺はこの三人の中じゃ、一番力があるんです。」
聞いているとちょっと心配にはなってくるが、彼らの冒険者の等級は青銅級。脅威度が低い魔獣の討伐や中距離程度の護衛依頼は受けられるというレベルだ。護衛依頼の実績を詰んでいる最中といったところだ。
冒険者ギルドも危険な依頼は出さないだろう。
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