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第3章
第199話 売込み作戦
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たかがトイレ,と言っても後何日も馬車隊で同行するんだよな‥‥。
「この馬車のトイレを提供するっていうのは‥‥無理があるな。」
トマソンが提案しかけて、取り下げた。眉間に皺がグググっと寄った。この馬車には、一応トイレが設置されている。クリーン魔法の魔法陣が付きのものだ。
でも、長時間馬車の中に居ると外の空気を吸ってリフレッシュしたくなるので、非常時だけ使うことにして、基本はトイレ休憩の際に街や村の中のトイレを利用させてもらっている。
魔道具なので、魔石を節約したいという理由もある。
トイレの魔道具に付与してある魔法陣のクリーンは、重ね掛けで臭い消しやら便座洗浄やらが一度に出来るものになっている。
「重ね掛けじゃないにしても‥‥、インターバルは減らせるか‥‥。」
折りたたみ式のミニテーブルを出して、羊皮紙を取り出した。
魔力含有インクを出したところでユリウスとマーギットさんの目が輝いた。
「お、もしかして魔法陣であるか?」
「何の魔法陣を描くでござるか?」
「クリーン。魔法陣ならインターバル要らないでしょ。」
「おお、彼らの為でござるか!優しいでござるな!」
「売りつけるんだよ。」
「買ってくれるでござるかな。」
「まあ、売れなければ俺達で使えるだろう。旅に必須だし。」
「成る程、我も描いたら販売できるだろうか。」
「個人間での販売は結構寛容だけど‥‥。等級認定も販売認定もできますよ。」
マーギットさんの質問に答えると、マーギットさんの目がギラッと輝いた。
「やはり、そうであったか。等級は中級魔法陣書士の資格は有しておるので、販売認定だけ欲しい。」
「おお、了解でーす。」
俺が、羊皮紙と魔力含有インクをマーギットさんに差し出すと、ユリウスが身を乗り出して覗き込んで来た。
「等級認定ってなんでござるか?」
「魔法陣がちゃんと使えるものかを認定するものだよ。クリーンは初級魔法なので初級の等級認定か、初級魔法陣書士の資格が有る人が描いたという印が必要なんだ。」
「初級魔法陣書士!認定試験のお知らせを見た事があるでござる!兄上は、中級を持っているでござるな。マーカス氏は等級を認定できる‥‥?どういうことでござるか?」
「等級の認定をする資格を持っているということだよ。」
「言葉のまんまでござるが、その資格を何時取ったでござるか?」
「入学前かな。」
ちなみにジョセフィンも同じ資格を持っている。一緒の家庭教師について勉強していたからね。
「‥‥魔導科に行く必要ないでござるな。」
「魔導科では魔法陣以外だって色々学ぶだろう?でも、騎士科の方がちょっと良いっておもっちゃったから騎士科に行ったんだけどね。」
「騎士科で会えたので騎士科に居てくれてよかったでござる。ところで、拙者も魔法陣を上手く描いたら売れるでござるか?」
ユリウスはワクワクした目で道具と描きかけの魔法陣を見つめていた。
「魔導科で魔法陣の授業受けた?」
「魔法陣の歴史という所の途中で学科異動になったでござる。歴史がめちゃくちゃ長かったでござる。」
「ああ~。」
ユリウスが魔導科に在籍していた時点で、まだ魔法陣の書き方まで学んでいないとなると、後ろの馬車にいる魔導科クラスの生徒達もまだそんなに魔法陣を習得していなさそうだ。これならクリーンの魔法陣も売れる気がする。
ユリウスは歴史をかじって道具を見た事がある程度で初心者だ。でも馬車旅は結構時間を持て余すし、魔法陣の描き方を教える事にした。
初歩から教えると言ったら、デリックさんとトマソンも習いたいと言い出した。謝礼は払うと言うので、魔法陣が売れるようになったら売上金で払うということにした。
実際、売れる程綺麗に描かれていなくても、旅の途中クリーンの魔法陣は結構重宝するのだ。
夜疲れて魔法を全く使いたくないような状況の時は、あらかじめ魔力を込めてある魔石を埋め込んだクリーンの魔法陣を使う事ができる。
魔石を使わない場合は,その場で魔法陣に魔力を通すのだが、クリーンの場合は普通にクリーン魔法を使った場合に必要なインターバルが魔法陣を使う場合には必要がないというメリットがある。
研究によると、クリーン魔法発動後に、自動的に発動される魔力回復の準備期間が、魔力を充分に保持している場合でも解除出来ず、連続でクリーン魔法を発動することができないということらしい。
魔法陣でクリーンを発動するときには、魔力回復モードの対象が発動した魔法陣となるので、人や次に使う魔法陣にはインターバルの影響がないそうだ。
インターバルを回避する方法としては、魔法陣を使う方法以外には、一度に複数の範囲を重ね掛けするという方法もある。もしくは適用範囲そのものを広くすることだ。
魔導科クラスの生徒達がクリーン魔法で時間がかかっているという推測が正しいなら、重ね掛けや適用範囲の拡大はしていないのではないかと予想している。
だから、「いざという時にインターバルのいらない魔法陣を持っていると便利」と言って、売り込んでみようと思うのだ。
「この馬車のトイレを提供するっていうのは‥‥無理があるな。」
トマソンが提案しかけて、取り下げた。眉間に皺がグググっと寄った。この馬車には、一応トイレが設置されている。クリーン魔法の魔法陣が付きのものだ。
でも、長時間馬車の中に居ると外の空気を吸ってリフレッシュしたくなるので、非常時だけ使うことにして、基本はトイレ休憩の際に街や村の中のトイレを利用させてもらっている。
魔道具なので、魔石を節約したいという理由もある。
トイレの魔道具に付与してある魔法陣のクリーンは、重ね掛けで臭い消しやら便座洗浄やらが一度に出来るものになっている。
「重ね掛けじゃないにしても‥‥、インターバルは減らせるか‥‥。」
折りたたみ式のミニテーブルを出して、羊皮紙を取り出した。
魔力含有インクを出したところでユリウスとマーギットさんの目が輝いた。
「お、もしかして魔法陣であるか?」
「何の魔法陣を描くでござるか?」
「クリーン。魔法陣ならインターバル要らないでしょ。」
「おお、彼らの為でござるか!優しいでござるな!」
「売りつけるんだよ。」
「買ってくれるでござるかな。」
「まあ、売れなければ俺達で使えるだろう。旅に必須だし。」
「成る程、我も描いたら販売できるだろうか。」
「個人間での販売は結構寛容だけど‥‥。等級認定も販売認定もできますよ。」
マーギットさんの質問に答えると、マーギットさんの目がギラッと輝いた。
「やはり、そうであったか。等級は中級魔法陣書士の資格は有しておるので、販売認定だけ欲しい。」
「おお、了解でーす。」
俺が、羊皮紙と魔力含有インクをマーギットさんに差し出すと、ユリウスが身を乗り出して覗き込んで来た。
「等級認定ってなんでござるか?」
「魔法陣がちゃんと使えるものかを認定するものだよ。クリーンは初級魔法なので初級の等級認定か、初級魔法陣書士の資格が有る人が描いたという印が必要なんだ。」
「初級魔法陣書士!認定試験のお知らせを見た事があるでござる!兄上は、中級を持っているでござるな。マーカス氏は等級を認定できる‥‥?どういうことでござるか?」
「等級の認定をする資格を持っているということだよ。」
「言葉のまんまでござるが、その資格を何時取ったでござるか?」
「入学前かな。」
ちなみにジョセフィンも同じ資格を持っている。一緒の家庭教師について勉強していたからね。
「‥‥魔導科に行く必要ないでござるな。」
「魔導科では魔法陣以外だって色々学ぶだろう?でも、騎士科の方がちょっと良いっておもっちゃったから騎士科に行ったんだけどね。」
「騎士科で会えたので騎士科に居てくれてよかったでござる。ところで、拙者も魔法陣を上手く描いたら売れるでござるか?」
ユリウスはワクワクした目で道具と描きかけの魔法陣を見つめていた。
「魔導科で魔法陣の授業受けた?」
「魔法陣の歴史という所の途中で学科異動になったでござる。歴史がめちゃくちゃ長かったでござる。」
「ああ~。」
ユリウスが魔導科に在籍していた時点で、まだ魔法陣の書き方まで学んでいないとなると、後ろの馬車にいる魔導科クラスの生徒達もまだそんなに魔法陣を習得していなさそうだ。これならクリーンの魔法陣も売れる気がする。
ユリウスは歴史をかじって道具を見た事がある程度で初心者だ。でも馬車旅は結構時間を持て余すし、魔法陣の描き方を教える事にした。
初歩から教えると言ったら、デリックさんとトマソンも習いたいと言い出した。謝礼は払うと言うので、魔法陣が売れるようになったら売上金で払うということにした。
実際、売れる程綺麗に描かれていなくても、旅の途中クリーンの魔法陣は結構重宝するのだ。
夜疲れて魔法を全く使いたくないような状況の時は、あらかじめ魔力を込めてある魔石を埋め込んだクリーンの魔法陣を使う事ができる。
魔石を使わない場合は,その場で魔法陣に魔力を通すのだが、クリーンの場合は普通にクリーン魔法を使った場合に必要なインターバルが魔法陣を使う場合には必要がないというメリットがある。
研究によると、クリーン魔法発動後に、自動的に発動される魔力回復の準備期間が、魔力を充分に保持している場合でも解除出来ず、連続でクリーン魔法を発動することができないということらしい。
魔法陣でクリーンを発動するときには、魔力回復モードの対象が発動した魔法陣となるので、人や次に使う魔法陣にはインターバルの影響がないそうだ。
インターバルを回避する方法としては、魔法陣を使う方法以外には、一度に複数の範囲を重ね掛けするという方法もある。もしくは適用範囲そのものを広くすることだ。
魔導科クラスの生徒達がクリーン魔法で時間がかかっているという推測が正しいなら、重ね掛けや適用範囲の拡大はしていないのではないかと予想している。
だから、「いざという時にインターバルのいらない魔法陣を持っていると便利」と言って、売り込んでみようと思うのだ。
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