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第2章
第41話 王都で虫取り
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夏期休暇が明けて、新学期が始まった。
早朝のお茶会にやって来たトリー殿下に魔鳥の小鳥ピーサンを渡した。
「これで、離れていてもお話しできるの?」
トリー殿下が、小鳥の入った鳥かごを抱えて目をキラキラさせている。
「話しっていうか、手紙のやりとりだね。これ、今のところ人に知られたくないのもあって、お互いが部屋に居る時しか使えないけど。
後、俺からの召還と送還になるから、忙しい時も出来ないと思う。一日のうち決まった時間帯に1~2回くらいかな。」
「それでも凄いよ!うわー、嬉しい!」
トリー殿下は顔を上気させ、鳥かごを持ち上げて、ピーサンを見つめた。
トリー殿下のこういう時の表情は、幼く見える。俺より誕生日は一ヶ月くらい早いはずだけど、弟っぽいんだよね。
「学園で、お友達作ろうと思って、声をかけたり、お手紙出そうとするんだけど、セキュリティ‥‥とかでダメって言われちゃって‥‥。
マーカス達とのことは内緒にしているのでお手紙出してみてないけど、多分ダメって言われちゃうんだろうなと思ってたんだ。」
「やっぱり、そういう制限とかあるんだ。」
「うん。学園に入ったらもっと自由にできるかなって思ってたんだけどね。」
ふぅーっと溜め息をついて、トリー殿下が鳥かごをテーブルの端に置く。
「‥‥僕も召還魔法とかできたら、いいんだけどなぁ。」
「できるでしょ。練習すれば。属性に左右される魔法じゃないし。」
難易度高めで、マスターするのに個人差あるけど、ジョセフィンも数日で魔黄金虫なら召還できるようになっている。
「え? ぼ、僕にも出来る?‥‥あの、教えてもらえる?」
おずおず、と聞いてくるトリー殿下。
俺とジョセフィンは迷い無く頷いた。
放課後、俺とジョセフィンは王都内の公園に来ていた。古代の神殿跡の柱が沢山あるエリアから、外れた隅の方の薄暗い草地。
地面に水たまりのように魔力が溜まって渦巻いている。
神殿跡地だけあって、この公園は魔力が集まりやすいエリアだ。柱がある付近は何か浄化作用でもあるのか、神聖な空気を感じるけれど、
少し外れた場所には、魔力が淀んでたまっているところがたまにある。そういうところだと、魔黄金虫が見つかる。
王都は周辺を結界で囲まれていて、基本的にテイムした魔獣以外は中に入れない。でも、王都内で生まれてくる魔獣は結界で阻めない。
とはいえ、こういった小さな魔力溜まりに、魔黄金虫とかが出てくる程度で大きな魔獣が現れたという話は聞いた事が無い。
夕暮れの薄暗い草地にしゃがみ込んで、魔黄金虫を見つけては、触らないように注意しながら捕獲して籠に入れる。
触れてしまうと、魔力でうっかりテイムしてしまうかもしれないからだ。
「5匹捕まえました。もう日が暮れてきましたし、このくらいでいいですかね。」
「こっちは6匹。とりあえずは十分だろう。」
何をやっているかというと、トリー殿下のテイミングと召還の練習用の魔黄金虫の確保だ。
俺とジョセフインが確保しているのは、既にテイム済みだから、練習用にテイムされていない魔黄金虫が必要だったのだ。
「これが、上手く行ったとして、魔鳥とか魔ネズミとかどうするんです?結界で外からは持ち込めないでしょ。」
「まあ、それはその時考えよう。」
虫かごを持って立ち上がる。続いて立ち上がったジョセフィンが、ぷっと笑った。
「何か、王都に来てまで虫取りとかちょっと笑えますね。」
「楽しくていいじゃないか。」
二人でけらけら笑い、夕暮れの中、少し秋らしい風を感じながら、歩いて行った。
早朝のお茶会にやって来たトリー殿下に魔鳥の小鳥ピーサンを渡した。
「これで、離れていてもお話しできるの?」
トリー殿下が、小鳥の入った鳥かごを抱えて目をキラキラさせている。
「話しっていうか、手紙のやりとりだね。これ、今のところ人に知られたくないのもあって、お互いが部屋に居る時しか使えないけど。
後、俺からの召還と送還になるから、忙しい時も出来ないと思う。一日のうち決まった時間帯に1~2回くらいかな。」
「それでも凄いよ!うわー、嬉しい!」
トリー殿下は顔を上気させ、鳥かごを持ち上げて、ピーサンを見つめた。
トリー殿下のこういう時の表情は、幼く見える。俺より誕生日は一ヶ月くらい早いはずだけど、弟っぽいんだよね。
「学園で、お友達作ろうと思って、声をかけたり、お手紙出そうとするんだけど、セキュリティ‥‥とかでダメって言われちゃって‥‥。
マーカス達とのことは内緒にしているのでお手紙出してみてないけど、多分ダメって言われちゃうんだろうなと思ってたんだ。」
「やっぱり、そういう制限とかあるんだ。」
「うん。学園に入ったらもっと自由にできるかなって思ってたんだけどね。」
ふぅーっと溜め息をついて、トリー殿下が鳥かごをテーブルの端に置く。
「‥‥僕も召還魔法とかできたら、いいんだけどなぁ。」
「できるでしょ。練習すれば。属性に左右される魔法じゃないし。」
難易度高めで、マスターするのに個人差あるけど、ジョセフィンも数日で魔黄金虫なら召還できるようになっている。
「え? ぼ、僕にも出来る?‥‥あの、教えてもらえる?」
おずおず、と聞いてくるトリー殿下。
俺とジョセフィンは迷い無く頷いた。
放課後、俺とジョセフィンは王都内の公園に来ていた。古代の神殿跡の柱が沢山あるエリアから、外れた隅の方の薄暗い草地。
地面に水たまりのように魔力が溜まって渦巻いている。
神殿跡地だけあって、この公園は魔力が集まりやすいエリアだ。柱がある付近は何か浄化作用でもあるのか、神聖な空気を感じるけれど、
少し外れた場所には、魔力が淀んでたまっているところがたまにある。そういうところだと、魔黄金虫が見つかる。
王都は周辺を結界で囲まれていて、基本的にテイムした魔獣以外は中に入れない。でも、王都内で生まれてくる魔獣は結界で阻めない。
とはいえ、こういった小さな魔力溜まりに、魔黄金虫とかが出てくる程度で大きな魔獣が現れたという話は聞いた事が無い。
夕暮れの薄暗い草地にしゃがみ込んで、魔黄金虫を見つけては、触らないように注意しながら捕獲して籠に入れる。
触れてしまうと、魔力でうっかりテイムしてしまうかもしれないからだ。
「5匹捕まえました。もう日が暮れてきましたし、このくらいでいいですかね。」
「こっちは6匹。とりあえずは十分だろう。」
何をやっているかというと、トリー殿下のテイミングと召還の練習用の魔黄金虫の確保だ。
俺とジョセフインが確保しているのは、既にテイム済みだから、練習用にテイムされていない魔黄金虫が必要だったのだ。
「これが、上手く行ったとして、魔鳥とか魔ネズミとかどうするんです?結界で外からは持ち込めないでしょ。」
「まあ、それはその時考えよう。」
虫かごを持って立ち上がる。続いて立ち上がったジョセフィンが、ぷっと笑った。
「何か、王都に来てまで虫取りとかちょっと笑えますね。」
「楽しくていいじゃないか。」
二人でけらけら笑い、夕暮れの中、少し秋らしい風を感じながら、歩いて行った。
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