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第2章
第34話 婚約とかは自力でしたい派です
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朝食の場に向かうと、少し遅れて母がやってきた。
挨拶をして席につくと、母から声をかけられる。
「マーカス。またお庭で遊んでいたのね。」
「母上。あれは実験なんですよ。」
「いつもそう言うじゃないの。」
お茶を淹れていたジョセフィンが、ふ、と肩を震わせたのが分かった。
「母上‥‥。庭には泥とかだけでなく、良い香りの花など沢山あるんですよ。香りの良い花を使って何か母上にプレゼントを考えています。」
「まあ!フフフ! 楽しみにしているわ!」
母が目をパッと輝かせ嬉しそうに笑った。よかった。機嫌が良くなったみたいだ。
兄のアンドレが、到着した。後ろに、兄の奥さんのエマ義姉さんとその子供達、ケニーとアリサもいる。
「おはようございます!マー兄様!」
「まーにいしゃま、おはようございましゅ。」
甥っ子のケニーと、姪のアリサが元気よく挨拶して、抱きついて来てくれた。
4歳のケニーは、大分言葉がしっかりしてきた。舌ったらずなアリサも、一生懸命に話しかけてくれて可愛い。
「おはよう。ケニー、アリサ。」
二人まとめてハグする。
父も到着して、朝食を食べ始める。
貴族の中には、子供は食事のマナーがきちんとできるまでは、部屋で食べさせるという家もあるけど、
エルストベルク家は、気にせず家族一緒に食事をとる。ケニーやアリサが、読んだ絵本や発見した事などの話を聞きながら食事をするのは楽しい。
「近いうちにツヴァイトベックの双子の顔を見に行くが、マーカス、御前も来るか?王都に戻る途中に寄れるだろう?」
ツヴァイトベック侯爵家は、エマ義姉さんの実家だ。エマ義姉さんの兄のところに、去年生まれた双子の男の子の顔を久々に見に行くというのだ。
ツヴァイトベック領は、少しだけ遠回りをすれば、王都に戻る途中で寄れる位置にある。
夏期休暇の限られた日数で往復だと厳しいけれど、少し寄るくらいなら問題ないので頷く。
俺が一緒に行くときいて、ケニーとアリサが笑顔になった。
「お土産の品を持って行かなくてはね。」
エマ義姉さんが言う。
「あ、商会からお勧めの品を持ってこさせようか。持って来た中から選んでもいいし、何か希望があったら取り寄せることもできるよ。」
ツヴァイトベック家に行く予定があるということは事前に聞いていたので、王都でも良さそうなものをある程度選んで、エルストベルクの商会に送っておいたのだ。
俺も、兄達が選んだ品以外から、選ぶ予定だ。
「お願いできる?助かるわ。」
エマ義姉さんがほっとした微笑みを見せる。ふふっと母が笑った。
「そういうところ、すっかり商人さんっぽいのに、どうして騎士を目指すのかしらねぇ。」
「好きな女の子を護りたいんだろ。」
兄上、直球でいうのやめてください。
「そんなに、気に入っている娘なら、婚約を申し込むか?」
父が、想定外の事を言い出したんで、ビックリして飛び上がりそうになった。
「マー兄様、結婚するの?」
「まーにいしゃま、けっこん?」
ケニー達が騒ぎ出す。やめて。
兄達も笑っている。
きっぱり言っておかないと、本当に婚約を申し込みかねない。
俺はカトラリーを置いて、父を見据えた。
「‥‥エルストベルク家から婚約の打診がきたら、断りにくいでしょう? ちゃんと、気持ちが通じてから、申し込みたいんだ。」
「おや、そうか。」
父は特に意外そうな顔もせず、すんなり頷いた。大丈夫そう? そういっておいて、さらっと婚約の打診しに行ったりしないよね?
挨拶をして席につくと、母から声をかけられる。
「マーカス。またお庭で遊んでいたのね。」
「母上。あれは実験なんですよ。」
「いつもそう言うじゃないの。」
お茶を淹れていたジョセフィンが、ふ、と肩を震わせたのが分かった。
「母上‥‥。庭には泥とかだけでなく、良い香りの花など沢山あるんですよ。香りの良い花を使って何か母上にプレゼントを考えています。」
「まあ!フフフ! 楽しみにしているわ!」
母が目をパッと輝かせ嬉しそうに笑った。よかった。機嫌が良くなったみたいだ。
兄のアンドレが、到着した。後ろに、兄の奥さんのエマ義姉さんとその子供達、ケニーとアリサもいる。
「おはようございます!マー兄様!」
「まーにいしゃま、おはようございましゅ。」
甥っ子のケニーと、姪のアリサが元気よく挨拶して、抱きついて来てくれた。
4歳のケニーは、大分言葉がしっかりしてきた。舌ったらずなアリサも、一生懸命に話しかけてくれて可愛い。
「おはよう。ケニー、アリサ。」
二人まとめてハグする。
父も到着して、朝食を食べ始める。
貴族の中には、子供は食事のマナーがきちんとできるまでは、部屋で食べさせるという家もあるけど、
エルストベルク家は、気にせず家族一緒に食事をとる。ケニーやアリサが、読んだ絵本や発見した事などの話を聞きながら食事をするのは楽しい。
「近いうちにツヴァイトベックの双子の顔を見に行くが、マーカス、御前も来るか?王都に戻る途中に寄れるだろう?」
ツヴァイトベック侯爵家は、エマ義姉さんの実家だ。エマ義姉さんの兄のところに、去年生まれた双子の男の子の顔を久々に見に行くというのだ。
ツヴァイトベック領は、少しだけ遠回りをすれば、王都に戻る途中で寄れる位置にある。
夏期休暇の限られた日数で往復だと厳しいけれど、少し寄るくらいなら問題ないので頷く。
俺が一緒に行くときいて、ケニーとアリサが笑顔になった。
「お土産の品を持って行かなくてはね。」
エマ義姉さんが言う。
「あ、商会からお勧めの品を持ってこさせようか。持って来た中から選んでもいいし、何か希望があったら取り寄せることもできるよ。」
ツヴァイトベック家に行く予定があるということは事前に聞いていたので、王都でも良さそうなものをある程度選んで、エルストベルクの商会に送っておいたのだ。
俺も、兄達が選んだ品以外から、選ぶ予定だ。
「お願いできる?助かるわ。」
エマ義姉さんがほっとした微笑みを見せる。ふふっと母が笑った。
「そういうところ、すっかり商人さんっぽいのに、どうして騎士を目指すのかしらねぇ。」
「好きな女の子を護りたいんだろ。」
兄上、直球でいうのやめてください。
「そんなに、気に入っている娘なら、婚約を申し込むか?」
父が、想定外の事を言い出したんで、ビックリして飛び上がりそうになった。
「マー兄様、結婚するの?」
「まーにいしゃま、けっこん?」
ケニー達が騒ぎ出す。やめて。
兄達も笑っている。
きっぱり言っておかないと、本当に婚約を申し込みかねない。
俺はカトラリーを置いて、父を見据えた。
「‥‥エルストベルク家から婚約の打診がきたら、断りにくいでしょう? ちゃんと、気持ちが通じてから、申し込みたいんだ。」
「おや、そうか。」
父は特に意外そうな顔もせず、すんなり頷いた。大丈夫そう? そういっておいて、さらっと婚約の打診しに行ったりしないよね?
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