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第7章

第457話 トリック?

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「一瞬でいなくなっちゃった?どうなってるの?」

偵察君が位置を変えたけど、連続して撮影された映像だ。

「手品?イルージョン?」

ちょうどヤンティス君が手前になって、黒尽くめが映っていない間にどこかに移動したんだろうか。素早く横移動したとか?
黒尽くめの全身タイツがササっと蟹移動している姿を想像した。

「あ、そうだ、他の偵察君に映ってないかな。」

検索結果の映像はいくつかの偵察君で撮った映像の組み合わせなんだから、消えた瞬間が他の偵察君で撮影された映像にも映っている可能性はあるよね。

ストレージルームの壁に映像を4分割して表示してみた。同じ時刻の近くに配置してあった4つの偵察君の映像を同時に流してみる。なんとなく、ビルの管理人さんになったような気分。

まずは、ヤンティス君達と黒尽くめ達が一緒に映っている映像を流す。
正面からの映像で最後に黒尽くめが映っているところで一旦停止。
この時、4つのカメラで黒尽くめが映っているのは正面の映像以外には一つだけだった。もう一つに何か映っているかなぁ。

ヤンティス君が偵察君に接近して、偵察君がぐーんと移動している場面。
別の映像は画面の端っこの方に小さく人影が映っている。その映像の中の小さい黒い人影がパッと消えた。

「ああ!」

走っていた二人の人影がシュシュッて感じで見えなくなったんだ。

「本当に消えてる!ええー?どうなってるの?」

映像の時間を戻して、拡大する。そしてスローで再生してみる。

「ここで…、おお?」

黒尽くめAとBがヤンティス君達を追って走っていた。何となく真剣味が少ない感じの走り方だ。
本気でヤンティス君達を捕まえようというより、脅かす目的で追いかけているのかもしれない。
ドタドタ走っていたと思ったら、少しだけ手前を走っていた黒尽くめAが消えた、そして一瞬遅れて黒尽くめBも消えた。

「おおお!消えてる!」

少し戻してコマ送りしてみる。黒尽くめAが消える一瞬前、黒尽くめAの足元がうっすらと光って見えた。どこかで見たことあるぞ。

「もしかしてワープ池?」

映像を拡大してみてみたら、うっすらと光っている地面のところに小さい蛙魔獣の姿が見えた。
黒尽くめAが小さい蛙魔獣と一緒に消える。そしてワープ池が移動しないうちに、黒尽くめBがワープ池のところに足を置いた。
そして黒尽くめBも消える。

「あ!蛙魔獣か!」

森で増えてしまった蛙魔獣をワープ池でダンジョンに落としてたんだった。たまたま、蛙魔獣をダンジョンに落とす為に起動したワープ池に黒尽くめ達が足を置いちゃったのか。

「‥‥ということは、もしかして、黒尽くめ達はプニョンダンジョンに入っちゃったの?えー?大丈夫かな。‥‥プニョンくーん!」

もう何日も経っているよね。生きているかな?ちょっと心配になってプニョン君を呼んでみた。
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