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第7章

第420話 位置確認

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「でもさ‥‥。他領からダンジョンを手に入れるって何か無理があるんじゃない?」
ラルフ君が、顎に手を当ててて首を傾けた。

「領の境にあって、管理が面倒なだけで収益がないダンジョンだったら、他所に譲り渡すとかあるかもしれないけどさ。ダンジョンを手に入れたら、婚約の申し込みが殺到するようなダンジョンって言ってたよね。
明らかに、バラ絵のダンジョンより有利ってことでしょ。そんなダンジョンを、譲り渡す貴族がいるのかな。」

「魔獣溢れだとかで、管理が大変で嫌になったとか‥‥。それかお金に困ってるとか‥‥。」
「お金に困ってたら収益が出るダンジョンを手放したりしないんじゃない?」

「すぐお金が必要だった場合はあり得ないかな。」
「どうだろうね‥‥。すぐお金が必要なら、借金をするとかもあるでしょ。ダンジョンの収益だとかで返して行けば良いんじゃないの。」
「借金の担保がダンジョンだったとか。」
「ああ~‥‥。」

ラルフ君達が、「どんなシチュエーションだったら他領にダンジョンを譲り渡すか。」なんて議論をしてた。
マカロ男爵が欲しいのがプニョンダンジョンだったら、うちは借金とかしてませんよ!

「魔獣溢れで管理が面倒なダンジョンだった場合はさぁ。譲り受けたって管理は大変なはずだよね。
それも、今までダンジョンを保有していない領が上手く管理できるのかな。」
「それは、手に入れた後の話でしょ。管理した事ないけど上手く出来るって思ってたって不思議じゃないよ。」

「それもそうか。自分なら上手く管理できるって思ってるかもね。‥‥でも、何処のダンジョンだろ。」
「あの悪の総帥‥‥マカロ男爵って言ってたよね。マカロ男爵領って‥‥、結構近くじゃなかったっけ。」

ラルフ君達が話しながらくるっと顔を動かして僕の方を一斉に見た。

「え?」
何で僕の方を見たのかなと思ったら、ラルフ君が言う。

「ソーマ君。魔道具のマップあったよね。」
「ああ、アレ。」

僕はシーサーペントの革で作ったマップを取り出した。現在の位置と大まかな地形と魔獣の位置が表示されている。だけど、領の名前とかは表示していないものだ。
だけどエルストベルクの領境だけは表示している。何処かに移動するときに、目安になるかなって、領境は偵察君を飛ばして位置を確認したんだ。
だけど、他領の領境まで調べようとすると面倒だなと思って。
ああ、でも中継の魔道具が繋がるように、ある程度の極小魔道具は飛ばしているから、その魔道具のある場所がどこの領なのかって情報を入れれば
大まかな他領の名前は表示されるのかな。

各中継の魔道具の現在地がどこの領かって情報、入っていたかな。
配置するときに、多少は周囲の情報を入れているので、領の名前が分かっている魔道具の位置情報を集めたら良いかな。
位置情報で領の名前が入っている中継の魔道具の位置をおまとめして表示。

スイッチオン!

じわ~っとマップに文字が浮かび上がって来た。

「あ、近いね。」

現在値の表示の付近にマカロ男爵領の文字が浮かび上がってきた。でもこの辺りは連なっている山の部分はエルストベルク領だけど、山の裾野は結構色んな貴族領がある。
ごちゃっとして分かりにくいので、領の名前を昇順にした順番で表示する色の濃淡を分けて表示してみる。

「うわあ。他領の細かい領境の情報も出ちゃうの?凄いね。この魔道具!」
マップを覗き込んでいたギルベルト君が驚嘆した声を上げた。

「領境は凄く大雑把だと思うよ。」

情報が入っているところしか表示できてないからね。今度、正確な情報が入るように細かく情報収集しようかな。
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