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第7章

第413話 企み

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ダンジョンの話はちょっと気になる。この付近のダンジョンのダンジョンマスターとは結構友達になってる。
知ってるダンジョンマスターのところかもしれない。

ヤンティス君は、毛布から少し顔を出して、むすっとした様子で言った。

『父上が言ってたのは、クリューガー領のダンジョンはキタイハズレだって。だから他のダンジョンを持っている貴族家の方が良いって‥‥。』

サミュエル君と話していた時の事を思い出した。クリューガー領のバラ絵のダンジョンが儲からないのが、婚約破棄に影響しているかもって言ってたね。
そうか。バラ絵のダンジョンに冒険者が集まらなくなったのが、影響しているのは本当だったってことか。

クラウスさんとヤンティス君兄弟のお父さんであるヴァルガー子爵は、ダンジョンで儲かりそうなマカロ男爵の家と婚約し直したいっていうことなのかな。

あれ?‥‥でも、マカロ男爵がもうすぐダンジョンを手に入れるって、まだダンジョンは持ってないってこと?
手に入れるダンジョンってどこ?

そう考えたとき、ふと、悪の総帥の姿が思い浮かんだ。黒いローブに赤い仮面をつけて叫ぶ。

ーーーーダンジョンに行きたいかー!!

マカロ男爵が、悪の総帥と同じ考えだったら、もしかして、プニョンダンジョンを手に入れようとしているの?
‥‥いやいや、他所の土地のダンジョンを手に入れようなんて普通は考えないでしょう?

でも‥‥、悪の総帥なら考えそうだなぁ‥‥。

ちょっと悪の総帥‥‥、じゃなかったマカロ男爵を探そう。
偵察君を村のあちこちに多めにばらまいてみた。
マカロ男爵の姿を条件にして検索!GO!
ああ、でも奥内に居たら偵察君の映像に映らないかもしれない。
もう夜だから、普通だったら宿に居るかな。よーし、宿をまず検索!宿を見つけたら、その内部を検索しよう。

村の中の貴族向けの宿は限られているから、場所は大体目星がついているんだよね。偵察君が宿の看板を確認したら、その位置情報に小さいゲートを開いて、偵察君を建物の中にイン!

宿の中はいろんな人がいるから、取り合えずマカロ男爵らしい人以外はスルーしてどんどん壁を抜けて行く。着替え中の人とかいたら悪いもんね。

偵察君の映像にマカロ男爵の姿がヒットしたらしい。ピコン!ってお知らせ。ストレージルームの壁に映像を映し出した。

部屋の中に二人の人物。来るっぽい服を来て恰幅が良い人物。
椅子に腰を下ろして、ゴブレットを手にしている。もう一人は、帽子を被っていて、鏡の前でポーズをとっている。あ、ピンクサーモン令嬢だ。

『お父様、この帽子やっぱり素敵ですわ!ねえ、帽子のリボンの色と合わせたイヤリングとネックレス、後、ドレスも欲しいですわ~。』
『うむ。良く似合っているよ、リズベット。だが、宝石とドレスはもう少し待ちなさい。』
『ええ~?春のこの村で、お披露目パーティを開くのでしょう?間に合うようにドレスを仕立てなくちゃ。いつになりますの?』
『だから、もう少しだよ。まだお金だって入って来てないんだから。』
『まだお金が用意出来ていなくても宝石屋と仕立て屋に、新領主になったら贔屓にするからって言って作らせればよいんじゃないかしら!ね、良い考えでしょう?』
『‥‥新領主とか、大げさに言うなよ。』
『えー?だってぇ。この村と隣の村をもらっちゃうんでしょう?領主じゃなぁい!』
『‥‥声が大きいぞ。まだ決まってはいないんだからな。』

何かおかしな会話が聞こえて来たよ。この村って‥‥アタムスン村の事?隣りの村はユガーラン?貰っちゃうって?
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