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第7章
第369話 ビューッとしてざー
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叔父様に聞いたら、雨が降る度にぬかるみを伝ってオタマジャクシ魔獣が出る事を懸念して捜索したりしていくより、突貫工事でもぬかるみが出来ないように道を舗装する方が良いってことになったんだって。
山から水が流れ込んでくるような場所にも柵が付けられたのだそうだ。
これで村の中にオタマジャクシ魔獣が現れる心配は減ったけど、村の外には出没する可能性があるから注意しろって言われたよ。
村の中での出没の可能性がゼロじゃないのは、既に村に入り込んでいてどこかに潜んでいるのもいるかもしれないからだ。
特に寒いうちは、冬眠状態になっているかもしれないので、春までは警戒のために冒険者が巡回するそうだ。
「うわぁ、すっかり雰囲気変わったね!」
「明るく見えるね!」
舗装された道を見回して、ラルフ君とロルフ君が感嘆の声を上げた。ギルベルト君とラオウル君も頷いている。
道が白っぽくて光を反射しているから明るい印象になっていた。
散歩しながら、今までとの違いを確認して歩いて行くと、空き地で測量みたいな事をしている人達がいた。
何か建物が造られる予定のようだ。
「あ、看板にエルスト商会って書いてあるよ。」
「え、あ、本当だ。」
測量をしている敷地の傍に、小さい看板が打ち立てられていたのだけど、見覚えがあるロゴが書かれている。
「何が出来るんだろうね。お店かな。カフェかな。」
「テーブルボールの会場かもよ。」
「それもいいね。」
皆で、あれがいい、これがいいと予想というか希望を言い合いながら建設予定地の前を通り過ぎた。
商店街の方まで見に行ってみると、こちらも店の前の通りが石畳になっていた。
「凄いよね。この短期間に。」
「土魔法かな、やっぱり。」
「だよねぇ。」
ラルフ君がしゃがんで、石畳の石をじっと見つめた。同じ大きさの石が均等に並んでいる様子はなんとなく見覚えがある。
「エルストエルクの領都の通りと同じ感じだ。石畳の石は運んで来たのかも。」
「ああ、そういえば同じ感じのを見たね。石畳ごと一気に魔法で作っているのではないってこと。」
「そうかなって思って。だって一つの魔法だとしたらかなり複雑そうじゃん。」
商店街の店先でそんなことを話していたら、土産物屋さんのおじさんが声をかけてきた。
「すごいだろう?魔導士先生達がきてビューッとしてざー!あっという間さ。」
「ビューッとして。」
「ざー?」
石畳を敷くところを見ていたというおじさんの話を聞いて見たけど、どうやら大きく二種類の魔法ガ使われたんじゃないかってことくらいしか判らなかった。
「きっとさ、『ビューッ』で道を平に整えて、『ざー』で石畳を敷くんだよ。」
「うーん。大雑把過ぎぃ。」
おじさんの説明は良くわからなかったけど、しばらく「ビューッ」と「ざー」が僕達の中で流行った。
「ねえねえ、この後、何処行く?ビューって全体回る?」
「ざーっとこの道を冒険者ギルド辺りまで行ったら、その先何もないからビューッとしてざーっとしようよ。」
「最後の方、わからん。」
「あはは。」
ちょっとふざけたりしながら、歩いてくと冒険者ギルド前まで来た。
「おおっと‥‥。」
「あ、すみません。」
後ろ向きに歩いていたラルフ君とロルフ君は、ギルド横の小道から出て来た人と危うく接触しそうになった。
身体が大きくて癖のある焦げ茶色の髪と髭をした男性だ。口髭とあご髭がワサワサしている。目つきが鋭くて、ちょっと仕立てが良さそうな外套を着ている。
山から水が流れ込んでくるような場所にも柵が付けられたのだそうだ。
これで村の中にオタマジャクシ魔獣が現れる心配は減ったけど、村の外には出没する可能性があるから注意しろって言われたよ。
村の中での出没の可能性がゼロじゃないのは、既に村に入り込んでいてどこかに潜んでいるのもいるかもしれないからだ。
特に寒いうちは、冬眠状態になっているかもしれないので、春までは警戒のために冒険者が巡回するそうだ。
「うわぁ、すっかり雰囲気変わったね!」
「明るく見えるね!」
舗装された道を見回して、ラルフ君とロルフ君が感嘆の声を上げた。ギルベルト君とラオウル君も頷いている。
道が白っぽくて光を反射しているから明るい印象になっていた。
散歩しながら、今までとの違いを確認して歩いて行くと、空き地で測量みたいな事をしている人達がいた。
何か建物が造られる予定のようだ。
「あ、看板にエルスト商会って書いてあるよ。」
「え、あ、本当だ。」
測量をしている敷地の傍に、小さい看板が打ち立てられていたのだけど、見覚えがあるロゴが書かれている。
「何が出来るんだろうね。お店かな。カフェかな。」
「テーブルボールの会場かもよ。」
「それもいいね。」
皆で、あれがいい、これがいいと予想というか希望を言い合いながら建設予定地の前を通り過ぎた。
商店街の方まで見に行ってみると、こちらも店の前の通りが石畳になっていた。
「凄いよね。この短期間に。」
「土魔法かな、やっぱり。」
「だよねぇ。」
ラルフ君がしゃがんで、石畳の石をじっと見つめた。同じ大きさの石が均等に並んでいる様子はなんとなく見覚えがある。
「エルストエルクの領都の通りと同じ感じだ。石畳の石は運んで来たのかも。」
「ああ、そういえば同じ感じのを見たね。石畳ごと一気に魔法で作っているのではないってこと。」
「そうかなって思って。だって一つの魔法だとしたらかなり複雑そうじゃん。」
商店街の店先でそんなことを話していたら、土産物屋さんのおじさんが声をかけてきた。
「すごいだろう?魔導士先生達がきてビューッとしてざー!あっという間さ。」
「ビューッとして。」
「ざー?」
石畳を敷くところを見ていたというおじさんの話を聞いて見たけど、どうやら大きく二種類の魔法ガ使われたんじゃないかってことくらいしか判らなかった。
「きっとさ、『ビューッ』で道を平に整えて、『ざー』で石畳を敷くんだよ。」
「うーん。大雑把過ぎぃ。」
おじさんの説明は良くわからなかったけど、しばらく「ビューッ」と「ざー」が僕達の中で流行った。
「ねえねえ、この後、何処行く?ビューって全体回る?」
「ざーっとこの道を冒険者ギルド辺りまで行ったら、その先何もないからビューッとしてざーっとしようよ。」
「最後の方、わからん。」
「あはは。」
ちょっとふざけたりしながら、歩いてくと冒険者ギルド前まで来た。
「おおっと‥‥。」
「あ、すみません。」
後ろ向きに歩いていたラルフ君とロルフ君は、ギルド横の小道から出て来た人と危うく接触しそうになった。
身体が大きくて癖のある焦げ茶色の髪と髭をした男性だ。口髭とあご髭がワサワサしている。目つきが鋭くて、ちょっと仕立てが良さそうな外套を着ている。
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