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第7章
第337話 ユガーランのギルド窓口
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通りを歩いていると小さい木工細工の人形が店先に沢山並んでいる店があった。
ちょっと足を止めて見てみる。小さい人形はお土産用で、店の奥にはカッティングボードが壁にいくつもぶら下がっていた。
チラチラっとラオウル君が後方を何度か振り返った。ギルベルト君がその様子を見てボソボソと言った。
「まだこっちに来てないみたいだね。良かったよ。」
「依頼未達成になったから根に持たれたかな‥‥。」
「仕方ないよ。実際達成してなかったし。」
ラオウル君は、またクラウスさんが近くに来る事を気にしているみたいだ。後ろで騒がれちゃうと気になっちゃうよね。
通りの後方を歩いているとなると、そのうち追いつかれちゃうかもしれないし。
偵察君の位置情報で接近したらわかるようにしようかな。後ろで騒がれた程度だし、そこまでじゃないかな。
「ソーマ君。猫の人形あったよ。」
僕がそんな事を考えていると、ラルフ君が、店先に並んでいた人形を指差した。
小さく切った木を組み合わせて猫の形にしている人形だった。色はついていない。
買ってプティの柄に塗っちゃおうかな。塗らないにしてもプティへのお土産によいかも。買ってみることにした。
プティ喜ぶかな。
通りの奥に行くと、飲食店が多くなってきた気がする。
軒先で串刺し肉を焼いているお店。魚団子の店なんていうのもあった。
魚をそのまま販売しているような店は見かけなかった。
昼から賑わっている酒場があるなと思ったら、ギルベルト君が僕の肘をつついた。指差した先を見ると、酒場の隣に冒険者ギルドのマークが見えた。
「冒険者ギルド‥‥窓口かな。」
「小さいよね。」
パッと見は酒場の隣の小さい売店と言った感じだ。
「普通の冒険者ギルドと、窓口だけってどう違うんだろう。大きさだけ?」
「ギルドマスターがいないんじゃないのかな。」
ユラリとギルド窓口?の入り口から大きな人影が出て来た。ゴリオン‥‥ガリオンさんだっけ。
「あ、ギルマスいるよ?」
「ホントだ。あれ?こっち?」
僕達が見ているのに気がついたのかガリオンさんが僕達の方に向かって歩いて来た。
「おう。子供達よ。今日はダンジョンか?」
白い歯を見せてニカッと笑う。
「僕達はまだダンジョンに入れないですよ。」
ラルフ君が答えると、ガリオンさんがガハハと笑った。
「そうだったな。失礼。この村はダンジョン目的で訪れる場合が多いからな。」
「こっちでもギルドマスターなんですか?」
チラリとギルドの建物の方に目をやって、ガリオンさんに聞いてみた。
「まあ、そうだな。今のところ俺の管轄だ。」
「今のところ?」
「どっちも窓口だけだからな。もし、こっちにもギルド支部を作ったら、別のギルドマスターが赴任するかもしれん。」
「窓口って支部とどう違うんですか?」
「簡単に言うと、窓口は素材買い取りと、依頼を扱うだけ。登録やランクアップなんかは基本扱ってないんだよ。
ここの場合はそれ以外にダンジョンの入場の管理もやっているけどな。」
ガリオンさんが、湖の方に目線を向けた。ダンジョンの入り口の方角を見ているみたいだ。
「ダンジョンで沢山活躍しても、ランクアップできないってことですか?」
ラオウル君が、納得いかなそうに言った。
「いや、功績は記録されるよ。ランクアップするには他の支部で手続きが必要ってだけだ。」
「なるほど。」
話をしていると、酒場の中でお酒を飲んでいた人がガリオンさんに大声で呼びかけた。
「ギルマスぅ-!こっちに支部作ってくれよぉ~!」
「検討はしてるぞぉー。」
ガリオンさんはヒラヒラと手を振って応えていた。
ちょっと足を止めて見てみる。小さい人形はお土産用で、店の奥にはカッティングボードが壁にいくつもぶら下がっていた。
チラチラっとラオウル君が後方を何度か振り返った。ギルベルト君がその様子を見てボソボソと言った。
「まだこっちに来てないみたいだね。良かったよ。」
「依頼未達成になったから根に持たれたかな‥‥。」
「仕方ないよ。実際達成してなかったし。」
ラオウル君は、またクラウスさんが近くに来る事を気にしているみたいだ。後ろで騒がれちゃうと気になっちゃうよね。
通りの後方を歩いているとなると、そのうち追いつかれちゃうかもしれないし。
偵察君の位置情報で接近したらわかるようにしようかな。後ろで騒がれた程度だし、そこまでじゃないかな。
「ソーマ君。猫の人形あったよ。」
僕がそんな事を考えていると、ラルフ君が、店先に並んでいた人形を指差した。
小さく切った木を組み合わせて猫の形にしている人形だった。色はついていない。
買ってプティの柄に塗っちゃおうかな。塗らないにしてもプティへのお土産によいかも。買ってみることにした。
プティ喜ぶかな。
通りの奥に行くと、飲食店が多くなってきた気がする。
軒先で串刺し肉を焼いているお店。魚団子の店なんていうのもあった。
魚をそのまま販売しているような店は見かけなかった。
昼から賑わっている酒場があるなと思ったら、ギルベルト君が僕の肘をつついた。指差した先を見ると、酒場の隣に冒険者ギルドのマークが見えた。
「冒険者ギルド‥‥窓口かな。」
「小さいよね。」
パッと見は酒場の隣の小さい売店と言った感じだ。
「普通の冒険者ギルドと、窓口だけってどう違うんだろう。大きさだけ?」
「ギルドマスターがいないんじゃないのかな。」
ユラリとギルド窓口?の入り口から大きな人影が出て来た。ゴリオン‥‥ガリオンさんだっけ。
「あ、ギルマスいるよ?」
「ホントだ。あれ?こっち?」
僕達が見ているのに気がついたのかガリオンさんが僕達の方に向かって歩いて来た。
「おう。子供達よ。今日はダンジョンか?」
白い歯を見せてニカッと笑う。
「僕達はまだダンジョンに入れないですよ。」
ラルフ君が答えると、ガリオンさんがガハハと笑った。
「そうだったな。失礼。この村はダンジョン目的で訪れる場合が多いからな。」
「こっちでもギルドマスターなんですか?」
チラリとギルドの建物の方に目をやって、ガリオンさんに聞いてみた。
「まあ、そうだな。今のところ俺の管轄だ。」
「今のところ?」
「どっちも窓口だけだからな。もし、こっちにもギルド支部を作ったら、別のギルドマスターが赴任するかもしれん。」
「窓口って支部とどう違うんですか?」
「簡単に言うと、窓口は素材買い取りと、依頼を扱うだけ。登録やランクアップなんかは基本扱ってないんだよ。
ここの場合はそれ以外にダンジョンの入場の管理もやっているけどな。」
ガリオンさんが、湖の方に目線を向けた。ダンジョンの入り口の方角を見ているみたいだ。
「ダンジョンで沢山活躍しても、ランクアップできないってことですか?」
ラオウル君が、納得いかなそうに言った。
「いや、功績は記録されるよ。ランクアップするには他の支部で手続きが必要ってだけだ。」
「なるほど。」
話をしていると、酒場の中でお酒を飲んでいた人がガリオンさんに大声で呼びかけた。
「ギルマスぅ-!こっちに支部作ってくれよぉ~!」
「検討はしてるぞぉー。」
ガリオンさんはヒラヒラと手を振って応えていた。
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