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第7章

第330話 ホカホカ場所にご案内

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「ゴリ‥‥、ガリオンさん。」
「ゴリ?」
「ガリオンさん。さっき広い場所があったから聞いてみようか?解体に向いているかわからないんだけど。」
「言い間違いはスルーか。まあ、それはいいか。場所があるのか?」
「ちょっとねぇ、ホカホカなんだけど。」
「ホカホカ?」

カフェ裏の温泉水路の所にガリオンさんを案内した。カフェのマスターが水路の場所の管理もやっているらしいのでマスターがOKを出せば利用はできるんだって。
僕達が足湯をしていた水路の近くより下流は、使われていないらしいから下流の場所なら許可が出るかなと思ったんだけど、
今日は、蛙魔獣の惨劇があったばかりだから、明日綺麗にする予定なのでそれでも良ければ今なら使っても良いって言われたよ。

「なるほど、ホカホカか。」

湯気が立ち上っている水路をみて、ガリオンさんも納得した様子だった。
水が必要なのは,解体した後にナイフや場所を洗い流したり、最初に道具を洗ったりする為だから、別に温水でも構わないと言われた。
カフェのマスターに場所を借りる分、解体したお肉の一部を提供するとガリオンさんは申し出ていた。そして、案内した僕達にも分けてくれるって。

「こんなに貰って良いの?」
結果、凄く沢山のお肉を分けてもらった。荷車が必要な程の量だよ。

「いいさ。これだけ沢山あるからな。宿で振る舞う他にも、村に提供するんで村長の所にも持って行く。食べきれん分は村で保存食にでもするだろう。」
「あれ、村に提供するなら、村長に言えば村の広場とかで解体できたんじゃ。」
「ギルドの次に村長のところに訊きに言ったら,肉は嬉しいが広場での解体は今は遠慮したいってさ。」
「村のお祭りでお肉とか食べそうなのに。」
「この時期は貴族のご夫人が多いからだと。広場で解体なんてやっているのを見ると卒倒しそうだから、だとさ。」
「貴族のご夫人達とか令嬢はビックリしちゃうかもね。」

貴族が多いのは僕達が来たからかな。ああ、でも、僕達の他にも結構沢山貴族がきていたね。

エヴァンスさんは宿に提供する分を背負って、宿に戻って行った。村に提供する分はカフェで預かってもらって、取りに来てもらうことにしたんだそうだ。
明日あたり、村のお祭りとか開催されそうなお肉の量だった。

僕達も、僕達が宿泊している方の宿にお肉を持って帰った。アリサ姉様とマーリエが凄く喜んでいた。お肉料理が食べたかったらしい。
角狼のお肉料理は時々でるけど、固いからあまり好きじゃないみたいだ。
僕も、猪魔獣のお肉は楽しみだ。

宿の厨房でステーキとしゃぶしゃぶをリクエストしておいた。
こっちの宿はある意味貸し切り状態なんだ。ラルフ君一家だとかギルベルト君とか知っている人達しか泊まっていないから、お料理のリクエストは結構聞いてもらえるんだよ。

肉を薄ーく切って,しゃぶしゃぶ用のお肉を用意することはできたんだけど、
ポン酢とかが存在しないことに気がついた。
でもシェフは、すりおろしたタマネギのドレッシングとかニンニクのピリ辛ソースとか色々と作ってくれたんだ。
だんだんと「肉祭り」が「タレ祭り」って感じになってきちゃったよ。でも美味しいのはよいことだね。

しゃぶしゃぶ肉の茹でて味つけていないところを食べてプティもご満悦。
「にゃーん。」
(美味しいニャ。ゴリラにゃかにゃかやるにゃ。)
(プティ。見てたのー?)

プティは、ストレージルームから映像で見ていたらしい。足湯のところで偵察君を沢山投げたからそこからの映像が映っていたのを見たんだって。

僕、「ゴリラ」って言ってないのになぁ。プティもガリオンさんを見て「ゴリラ」を連想したみたいだ。
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