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第7章
第327話 ゴリラ登場
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クラウスさんがギロリとインゴさんを睨みつけた。目を大きく開いて顎を突き出してる。
「‥‥お前ら、依頼完了のサイン拒否しただろう!なんなんだよ!あれ!」
「ちょっ‥‥!クラウス!」
クラウスさんが今にもインゴさん掴み掛かりそうな感じで怒鳴りつけたら、イーサンさんが慌てて割って入った。
「クラウスとレナードが護衛途中にいなくなったからだろう?とてもじゃないけど依頼達成にはできなかったよ。」
「あれは人助けだ!」
イーサンさんが言うと、クラウスさんは反論しながら隣の令嬢の背中に手を回して抱き寄せた。
「そぅよぅ!クラウスさまが助けてくれたのですわ。」
令嬢が甘ったるい声で言った
「ほらみろ。リズベットが証人だ!」
クラウスさんは、得意げな顔をして口角を上げた。
「‥‥先に受けた護衛依頼を放棄した証人じゃないか。‥‥ともかくだな。俺もカイルも依頼を達成出来なかった事をギルドで報告しているよ。
一緒に村まで戻って来ていないクラウスが、依頼達成を主張するのはおかしいって自分でも判るだろ?」
「イーサンとカイルは付いていたんだろう? 何で依頼達成にならないんだよ。お前ら二人何してたんだ。」
「お前が言うか?」
イーサンさんとクラウスさんの言い争いが白熱してきてしまった。
どうしよう。止めに入った方がいいのかな。
困って顔を見合わせていたら、ゆらりと大きな影。
「おおーう、どうした?」
2mを越えてそうな大柄な男性。凄ーい筋肉。胸板がゴリラみたいだ。くすんだ銀髪でサファイアみたいに蒼い瞳をしている。
その人物がというか、その後ろに引き摺っているでっかい猪魔獣が目を引く。
「「「「きゃあーー!」」」」
令嬢達が一斉に叫んだ。引き摺られている猪魔獣の姿にびっくりしたみたいだ。誰が叫んだか叫ばなかったか判らないくらい同じタイミングだった。
「な、な、なんですか?貴方は!?」
クラウスさんが及び腰に少し後ずさりながら言った。イーサンさんは、ちょっと呆然としている。
「この辺に猪魔獣っていたの?」
村の人はこの付近には角狼くらいしか出ないって言っていたよね。まあ、蛙魔獣は出たけどあれは小さいし。
軽自動車くらいある猪魔獣が出るって聞いてないよ、と思って言ってみた。顔立ちは整っているけどゴリラみたいな体格の男性が、「んんん?」と眉を上げて僕の方を見た。
「おう!坊主!魔獣怖くないのか。」
「だって、もう死んでるでしょ?襲って来ないもん。」
「がはは!まあそうだな!」
「でも、この辺には角狼しか出ないって村の人が言ってたんだ。猪魔獣も出るの?」
「ああ~!出ないから狩りに行って来たのさ!肉食いてーから!」
どうやら猪肉を食べるために、猪魔獣が狩れる場所までわざわざ狩りに行って来たらしい。
「その場所からここ迄引き摺って来たの?」
「まさか。そこまで荷馬車に乗せて来たさ。これから解体するところだ。この宿の井戸ってどこにある?」
「ええ!?まさか、この宿で解体するの!?」
猪魔獣を見た事より、この魔獣をお宿で解体するっていう方がビックリだった。ラルフ君達も「ええー?」と否定的な声を上げた。
「おう!解体は井戸とか水があるところって決まってるからな!」
ゴリラな男性が日に焼けた肌に白い歯を見せてにやりと笑った。なんかワイルド。誰かに似ているなぁ。
「‥‥お前ら、依頼完了のサイン拒否しただろう!なんなんだよ!あれ!」
「ちょっ‥‥!クラウス!」
クラウスさんが今にもインゴさん掴み掛かりそうな感じで怒鳴りつけたら、イーサンさんが慌てて割って入った。
「クラウスとレナードが護衛途中にいなくなったからだろう?とてもじゃないけど依頼達成にはできなかったよ。」
「あれは人助けだ!」
イーサンさんが言うと、クラウスさんは反論しながら隣の令嬢の背中に手を回して抱き寄せた。
「そぅよぅ!クラウスさまが助けてくれたのですわ。」
令嬢が甘ったるい声で言った
「ほらみろ。リズベットが証人だ!」
クラウスさんは、得意げな顔をして口角を上げた。
「‥‥先に受けた護衛依頼を放棄した証人じゃないか。‥‥ともかくだな。俺もカイルも依頼を達成出来なかった事をギルドで報告しているよ。
一緒に村まで戻って来ていないクラウスが、依頼達成を主張するのはおかしいって自分でも判るだろ?」
「イーサンとカイルは付いていたんだろう? 何で依頼達成にならないんだよ。お前ら二人何してたんだ。」
「お前が言うか?」
イーサンさんとクラウスさんの言い争いが白熱してきてしまった。
どうしよう。止めに入った方がいいのかな。
困って顔を見合わせていたら、ゆらりと大きな影。
「おおーう、どうした?」
2mを越えてそうな大柄な男性。凄ーい筋肉。胸板がゴリラみたいだ。くすんだ銀髪でサファイアみたいに蒼い瞳をしている。
その人物がというか、その後ろに引き摺っているでっかい猪魔獣が目を引く。
「「「「きゃあーー!」」」」
令嬢達が一斉に叫んだ。引き摺られている猪魔獣の姿にびっくりしたみたいだ。誰が叫んだか叫ばなかったか判らないくらい同じタイミングだった。
「な、な、なんですか?貴方は!?」
クラウスさんが及び腰に少し後ずさりながら言った。イーサンさんは、ちょっと呆然としている。
「この辺に猪魔獣っていたの?」
村の人はこの付近には角狼くらいしか出ないって言っていたよね。まあ、蛙魔獣は出たけどあれは小さいし。
軽自動車くらいある猪魔獣が出るって聞いてないよ、と思って言ってみた。顔立ちは整っているけどゴリラみたいな体格の男性が、「んんん?」と眉を上げて僕の方を見た。
「おう!坊主!魔獣怖くないのか。」
「だって、もう死んでるでしょ?襲って来ないもん。」
「がはは!まあそうだな!」
「でも、この辺には角狼しか出ないって村の人が言ってたんだ。猪魔獣も出るの?」
「ああ~!出ないから狩りに行って来たのさ!肉食いてーから!」
どうやら猪肉を食べるために、猪魔獣が狩れる場所までわざわざ狩りに行って来たらしい。
「その場所からここ迄引き摺って来たの?」
「まさか。そこまで荷馬車に乗せて来たさ。これから解体するところだ。この宿の井戸ってどこにある?」
「ええ!?まさか、この宿で解体するの!?」
猪魔獣を見た事より、この魔獣をお宿で解体するっていう方がビックリだった。ラルフ君達も「ええー?」と否定的な声を上げた。
「おう!解体は井戸とか水があるところって決まってるからな!」
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