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第7章
第325話 気分直し
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「もう!だから嫌って言ってたのに!」
「いやー!!まだ動いてる~!!」
地面に転がった蛙魔獣の足がまだぴくぴくと痙攣する様に動いていた。
リヒャルトさんとインゴさんが、冬眠した蛙魔獣を温水に入れる危険性について注意をしていたけど、二人はまだ蛙魔獣に襲い掛かられたショックから立ち直っていないらしくて青い顔をしてコクコクと頷いていただけだった。
気がつくと、ホットレモネードのカップも転がっていて、中身が地面に流れてしまっていた。ああ、せっかくキャッチしてもらったのになぁ。
「何だ!何があった?」
騒がしい様子を聞きつけて誰かやって来たと思ったら、イーサンさんとカイルさんだった。
キョロキョロして、僕達と目があって一瞬ビクッとした。
「イーサンお兄様!」
「カイルお兄様!」
令嬢二人がイーサンさんとカイルさんの方に駆けていった。
令嬢達は実は二人ともイーサンさんの姪なんだそうだ。姉妹ではなく従姉妹同士らしい。
ニコラちゃんがイーサンさんのお姉さんの子で、ミリーちゃんがお兄さんの子なんだそうだ。一族でアタムスン村の保養地に来ているんだって。
ニコラちゃんとミリーちゃん。二人とも7歳でとても仲良しらしい。
マイルズ君は、レナードさんの弟でヤンティス君は、クラウスさんの弟なんだって。
イーサンさん一家がこの保養地に何度も来た事があって、その伝手でイーサンさんと学園で同級生の彼らのお兄さんと一緒に冬の間アタムスン村に滞在しているそうだ。
「‥‥ホント、蛙魔獣とか、やめてほしい。」
「ねぇ~。」
場所を変えて落ち着いてからも、ニコラちゃん達はまだ蛙魔獣の記憶を引き摺っていた。
水路近辺が、惨状になってしまったので気分を変えて、カフェのテラスの所にストーブを置いてストーブカフェみたいにしてもらったんだ。
そこに、ニコラちゃんとミリーちゃんとサミュエル君も加わった。
サミュエル君は、実はクラウスさんの婚約者の弟さんだそうだ。
お姉さんのエッダさんと一緒にアタムスン村に滞在しているそうだ。エッダさんも貴族学園の生徒なんだって。
「あの二人も一応反省しているようだよ。‥‥友人の弟達が迷惑をかけて申し訳ない。‥‥友人達もだけど‥‥。」
イーサンさんは、ニコラちゃん達の隣で申し訳なさそうに座っている。
マイルズ君とヤンティス君は魔獣に襲われたショックが薄れて来たら改めてイーサンさん達から注意をするということで、カイルさんが宿に送って行った。
「お待たせしましたー!ホットチョコレートです!炙ったマシュマロを浮かべてみてくださいね。」
ストーブの上に網があって、串刺ししたマシュマロをちょっとだけ炙ってからホットチョコレートの上に乗っける。
ニコラちゃん達が歓声を上げた。
「チョコって‥‥、王都で人気だったお菓子のチョコ?」
「フワフワ、え?何これ面白ーい!」
歓声を聞いて、お姉さんがガッツポーズを取った。このカフェはエルスト商会の経営なのでチョコドリンクもストーブカフェもお願いできるんだ。
ウェイトレスをしているお姉さんはレイリーさん。春には貴族学園に入学予定で、今はバイトで王都での生活費を稼いでいるそうだ。
「あの水路の所で皆集まっていたのは何をしていたの?」
ホットチョコレートをニコニコして楽しんでいたミリーちゃんが、ふと思い出したように顔を上げて僕達を見回した。
「そうよ?あの場所ってお洗濯のところでしょ?何かお洗濯?」
ニコラちゃんも首を傾げて僕達を見た。
「ああ、足湯してたんだよ。」
ギルベルト君が答えた。うん、うんとラルフ君とロルフ君がシンクロした動きで頷いた。
「あしゆ?」
「温かいお湯に足を浸けるんだ。気持ち良いし皆で浸かっていると楽しいよ。」
「わあ!やってみたい!」
ニコラちゃんとミリーちゃんの顔がパアッと明るくなった。
しかし、すぐに微妙な表情になった。
「あの場所はちょっと‥‥、蛙魔獣が怖いけど‥‥。」
「ああ‥‥。」
皆残念そうな顔になった。もうね、蛙魔獣は退治されたけど嫌な思い出が出来ちゃったよね。それに、他の人がやってきて水路に何かぶちまけたり出来ちゃう場所だと
安心して足湯に浸かっていられないことがわかっちゃった。足湯カフェとか良さそうだったのに。
「いやー!!まだ動いてる~!!」
地面に転がった蛙魔獣の足がまだぴくぴくと痙攣する様に動いていた。
リヒャルトさんとインゴさんが、冬眠した蛙魔獣を温水に入れる危険性について注意をしていたけど、二人はまだ蛙魔獣に襲い掛かられたショックから立ち直っていないらしくて青い顔をしてコクコクと頷いていただけだった。
気がつくと、ホットレモネードのカップも転がっていて、中身が地面に流れてしまっていた。ああ、せっかくキャッチしてもらったのになぁ。
「何だ!何があった?」
騒がしい様子を聞きつけて誰かやって来たと思ったら、イーサンさんとカイルさんだった。
キョロキョロして、僕達と目があって一瞬ビクッとした。
「イーサンお兄様!」
「カイルお兄様!」
令嬢二人がイーサンさんとカイルさんの方に駆けていった。
令嬢達は実は二人ともイーサンさんの姪なんだそうだ。姉妹ではなく従姉妹同士らしい。
ニコラちゃんがイーサンさんのお姉さんの子で、ミリーちゃんがお兄さんの子なんだそうだ。一族でアタムスン村の保養地に来ているんだって。
ニコラちゃんとミリーちゃん。二人とも7歳でとても仲良しらしい。
マイルズ君は、レナードさんの弟でヤンティス君は、クラウスさんの弟なんだって。
イーサンさん一家がこの保養地に何度も来た事があって、その伝手でイーサンさんと学園で同級生の彼らのお兄さんと一緒に冬の間アタムスン村に滞在しているそうだ。
「‥‥ホント、蛙魔獣とか、やめてほしい。」
「ねぇ~。」
場所を変えて落ち着いてからも、ニコラちゃん達はまだ蛙魔獣の記憶を引き摺っていた。
水路近辺が、惨状になってしまったので気分を変えて、カフェのテラスの所にストーブを置いてストーブカフェみたいにしてもらったんだ。
そこに、ニコラちゃんとミリーちゃんとサミュエル君も加わった。
サミュエル君は、実はクラウスさんの婚約者の弟さんだそうだ。
お姉さんのエッダさんと一緒にアタムスン村に滞在しているそうだ。エッダさんも貴族学園の生徒なんだって。
「あの二人も一応反省しているようだよ。‥‥友人の弟達が迷惑をかけて申し訳ない。‥‥友人達もだけど‥‥。」
イーサンさんは、ニコラちゃん達の隣で申し訳なさそうに座っている。
マイルズ君とヤンティス君は魔獣に襲われたショックが薄れて来たら改めてイーサンさん達から注意をするということで、カイルさんが宿に送って行った。
「お待たせしましたー!ホットチョコレートです!炙ったマシュマロを浮かべてみてくださいね。」
ストーブの上に網があって、串刺ししたマシュマロをちょっとだけ炙ってからホットチョコレートの上に乗っける。
ニコラちゃん達が歓声を上げた。
「チョコって‥‥、王都で人気だったお菓子のチョコ?」
「フワフワ、え?何これ面白ーい!」
歓声を聞いて、お姉さんがガッツポーズを取った。このカフェはエルスト商会の経営なのでチョコドリンクもストーブカフェもお願いできるんだ。
ウェイトレスをしているお姉さんはレイリーさん。春には貴族学園に入学予定で、今はバイトで王都での生活費を稼いでいるそうだ。
「あの水路の所で皆集まっていたのは何をしていたの?」
ホットチョコレートをニコニコして楽しんでいたミリーちゃんが、ふと思い出したように顔を上げて僕達を見回した。
「そうよ?あの場所ってお洗濯のところでしょ?何かお洗濯?」
ニコラちゃんも首を傾げて僕達を見た。
「ああ、足湯してたんだよ。」
ギルベルト君が答えた。うん、うんとラルフ君とロルフ君がシンクロした動きで頷いた。
「あしゆ?」
「温かいお湯に足を浸けるんだ。気持ち良いし皆で浸かっていると楽しいよ。」
「わあ!やってみたい!」
ニコラちゃんとミリーちゃんの顔がパアッと明るくなった。
しかし、すぐに微妙な表情になった。
「あの場所はちょっと‥‥、蛙魔獣が怖いけど‥‥。」
「ああ‥‥。」
皆残念そうな顔になった。もうね、蛙魔獣は退治されたけど嫌な思い出が出来ちゃったよね。それに、他の人がやってきて水路に何かぶちまけたり出来ちゃう場所だと
安心して足湯に浸かっていられないことがわかっちゃった。足湯カフェとか良さそうだったのに。
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