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第6章
第263話 お兄さん枠
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「あ、もういいですよ。」
リヒャルトさんとインゴさんの間から顔を覗かせてそう言ったら、テッサがニコッと笑った。
「よかった!私はテッサです。」
テッサはそう言うとちょっと片足を後ろに下げて膝をちょんと折った。
貴族だよね、この女の子。というよりお揃いで立派な革鎧を身に付けているから、全員貴族かな。
「ソーマです。」
相手が家名を名乗らなかったので、とりあえず僕も名前だけの自己紹介をした。そして他の人とも自己紹介をする。
肩にかかるくらいのふんわりとした栗色の髪をした優等生っぽい雰囲気のクリフォードさんは、テッサのお兄さんで15歳。
クリフォードさんより少しだけ背が高くて身体がガッチリしているフォンゾさんという人も15歳。深緑色の髪をしていてちょっと無口なイメージだ。
二人が冒険者の登録をするというので、他の三人が付いて来たそうだ。そして見習い冒険者登録をしたばかりらしい。
緑色の髪をしているバルドリック君はフォンゾさんの弟で10歳。オレンジ色の髪のキーランド君はフォンゾさん達の従兄弟で9歳。僕と同い年だ。
テッサも僕と同い年らしい。
クリフォードさんの実家とフォンゾさんの実家は、エルストベルク領より北西、王都の西方面にあって魔獣被害が多かった地域なんだって。
魔獣被害が少なかったキーランド君の実家のある地域に一時期避難していたことがあって知り合ったんだそうだ。
今はお母さんと一緒にエルストベルクに冬越しに来ているんだって。
「こっそりフォンゾと一緒に冒険者活動をする予定だったんだけど、情報が漏れちゃってね。付いてくるって聞かなかったんだ。」
「だって、面白そうなんだもの。それに見習い冒険者は危険な依頼はないんでしょ。」
クリフォードさんは少し困った顔をしていたけど、テッサは唇を尖らせて腰に手をあてて胸を反らした。
「そちらはご兄弟ではないのですか?」
リヒャルトさんとインゴさんの事を誰かのお兄さんだと思っていたらしくて、クリフォードさんが少し不思議そうな顔をした。
「お兄さんみたいなものだよ。すっごく頼りになるの。リヒャルトさんもインゴさんも。」
僕がクリフォードさんの言葉に応えたら、ギルベルト君が横から不満そうな声を上
げて僕のお腹をつついた。
「え!僕は?僕だってちょっとだけお兄さんなのに!」
「ギルベルト君は、うーん、友達って感じ?」
「うん‥‥。いいけどぉ。」
ギルベルト君がなんだかモニョッモニョと口を歪めた。お兄さん枠じゃないの不満なのかな。
ギルベルト君は僕より1歳年上だけど、お兄さんって感じではないんだよね。
リヒャルトさんとインゴさんが中堅どころの冒険者って雰囲気があったから、クリフォードさんは冒険者活動の話を聞いてみたかったらしい。
リヒャルトさんとインゴさんの間から顔を覗かせてそう言ったら、テッサがニコッと笑った。
「よかった!私はテッサです。」
テッサはそう言うとちょっと片足を後ろに下げて膝をちょんと折った。
貴族だよね、この女の子。というよりお揃いで立派な革鎧を身に付けているから、全員貴族かな。
「ソーマです。」
相手が家名を名乗らなかったので、とりあえず僕も名前だけの自己紹介をした。そして他の人とも自己紹介をする。
肩にかかるくらいのふんわりとした栗色の髪をした優等生っぽい雰囲気のクリフォードさんは、テッサのお兄さんで15歳。
クリフォードさんより少しだけ背が高くて身体がガッチリしているフォンゾさんという人も15歳。深緑色の髪をしていてちょっと無口なイメージだ。
二人が冒険者の登録をするというので、他の三人が付いて来たそうだ。そして見習い冒険者登録をしたばかりらしい。
緑色の髪をしているバルドリック君はフォンゾさんの弟で10歳。オレンジ色の髪のキーランド君はフォンゾさん達の従兄弟で9歳。僕と同い年だ。
テッサも僕と同い年らしい。
クリフォードさんの実家とフォンゾさんの実家は、エルストベルク領より北西、王都の西方面にあって魔獣被害が多かった地域なんだって。
魔獣被害が少なかったキーランド君の実家のある地域に一時期避難していたことがあって知り合ったんだそうだ。
今はお母さんと一緒にエルストベルクに冬越しに来ているんだって。
「こっそりフォンゾと一緒に冒険者活動をする予定だったんだけど、情報が漏れちゃってね。付いてくるって聞かなかったんだ。」
「だって、面白そうなんだもの。それに見習い冒険者は危険な依頼はないんでしょ。」
クリフォードさんは少し困った顔をしていたけど、テッサは唇を尖らせて腰に手をあてて胸を反らした。
「そちらはご兄弟ではないのですか?」
リヒャルトさんとインゴさんの事を誰かのお兄さんだと思っていたらしくて、クリフォードさんが少し不思議そうな顔をした。
「お兄さんみたいなものだよ。すっごく頼りになるの。リヒャルトさんもインゴさんも。」
僕がクリフォードさんの言葉に応えたら、ギルベルト君が横から不満そうな声を上
げて僕のお腹をつついた。
「え!僕は?僕だってちょっとだけお兄さんなのに!」
「ギルベルト君は、うーん、友達って感じ?」
「うん‥‥。いいけどぉ。」
ギルベルト君がなんだかモニョッモニョと口を歪めた。お兄さん枠じゃないの不満なのかな。
ギルベルト君は僕より1歳年上だけど、お兄さんって感じではないんだよね。
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