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第6章
第254話 ギルドの窓口
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「ケン様、またその女と一緒とはどういうことですの!?」
「やあ、ベルティーナ。ルイーサは冒険者ギルドに来た事がないというから、この僕が案内をしていたんだよ。」
「ケン様に案内していただいていたんですわぁ。」
「また名前呼びをして!婚約者のいる男性を名前呼びするなんて、マナー違反ですわ!」
「そーよ!そーよ!」
令嬢二人はルフラン子爵姉妹だったっけ‥‥。レストランに続き冒険者ギルドでも一行が揉め始めてしまった。
番号が書かれた板を持ったギルド職員が窓口のカウンターの向こう側に立った。
「6番の番号札をお持ちの方、赤色1番窓口へどうぞ。」
ベンチに腰を下ろしていた2m位の身体の大きい男性が大きな荷物を持ってのっそりと立ち上がった。呼ばれた窓口に向っていって窓口前に立つと、ルイーサと呼ばれたピンク髪の令嬢が抗議の声を上げた。
「ちょっと!なんで窓口に立ってるのよ!私達が先でしょ‥‥ヒッ!」
窓口前に立った男性に文句を言いかけていたが、男性が振り向いたらビクッとして後退した。
振り向いた男性はもの凄く機嫌悪そうに眉間に皺を寄せて彼らを睨みつけていた。
「あっちに並べって言われてんだろうが。さっきからうっせえぞ。」
「‥‥あぅ‥‥。」
「き、き、き、君!ルイーサが怯えているじゃないか‥‥。」
身体の大きい冒険者に怒鳴られて怯えた様子のルイーサ嬢を庇うように、ケン様が立つ。でも声が震えている。ちょっと内股になってる。
カウンターの端の扉が開いて窓口前のフロアにギルド職員が出て来た。切れ長の目をしたひょろりと痩せた職員がニコニコしながら冒険者と彼らの間に立った。番号札を配る窓口を指し示す。
「どうぞあちらでご用件をおっしゃって番号札を受け取ってください。今なら空いておりますので。」
後からギルド内に入って来た人も状況を察知したのか、窓口に並ばずに様子を伺っていたので、番号札の窓口前も今は無人になっていた。
番号札の窓口にいる職員も、ニコニコ笑顔を浮かべて待っている。
「あ、ああ‥‥。」
睨んでいる冒険者から逃れたかったのか、ケン様一行は今度はあっさりと番号札の窓口に向かって行った。
「‥‥依頼を受けたいのだが。」
「ではこの番号札を持ってお待ち下さい。順番にご案内をしておりますので。」
「なに?待つというのか?」
「順番にご案内しておりますので。」
「しかし‥‥。」
「この番号札を持ってお待ち下さい。順番にご案内をしておりますので。」
番号札の窓口の従業員が、まるでロボットのように同じ台詞を機械的に繰り返した。
「‥‥。」
諦めたのか、ケン様が番号札を受け取った。
「ケン様、何をなさるおつもりですの?そこの職員、その札をわたくしにもよこしなさい。」
「お姉様!私も!」
ルフラン子爵令嬢姉妹がツカツカと番号札窓口に行って手を伸ばした。
番号札窓口の職員は貼付けたような笑顔を浮かべながら言った。
「ようこそ冒険者ギルドへ。ご用件をどうぞ。」
「ケン様と同じ用件よ!番号札を寄越しなさい。」
「然様ですか。ではこの番号札を持ってお待ち下さい。」
職員が番号札を差し出すと、ベルティーナ嬢は手を伸ばした後、躊躇するように手を引っ込めた。
「何か‥‥薄汚れているのではなくて?」
「何コレ‥‥。平民が持つようなものをお姉様に持たせようというの?」
番号札は木で出来た板に黒インクで番号が書かれたものだった。木の板を手にしたくないらしい。
「やあ、ベルティーナ。ルイーサは冒険者ギルドに来た事がないというから、この僕が案内をしていたんだよ。」
「ケン様に案内していただいていたんですわぁ。」
「また名前呼びをして!婚約者のいる男性を名前呼びするなんて、マナー違反ですわ!」
「そーよ!そーよ!」
令嬢二人はルフラン子爵姉妹だったっけ‥‥。レストランに続き冒険者ギルドでも一行が揉め始めてしまった。
番号が書かれた板を持ったギルド職員が窓口のカウンターの向こう側に立った。
「6番の番号札をお持ちの方、赤色1番窓口へどうぞ。」
ベンチに腰を下ろしていた2m位の身体の大きい男性が大きな荷物を持ってのっそりと立ち上がった。呼ばれた窓口に向っていって窓口前に立つと、ルイーサと呼ばれたピンク髪の令嬢が抗議の声を上げた。
「ちょっと!なんで窓口に立ってるのよ!私達が先でしょ‥‥ヒッ!」
窓口前に立った男性に文句を言いかけていたが、男性が振り向いたらビクッとして後退した。
振り向いた男性はもの凄く機嫌悪そうに眉間に皺を寄せて彼らを睨みつけていた。
「あっちに並べって言われてんだろうが。さっきからうっせえぞ。」
「‥‥あぅ‥‥。」
「き、き、き、君!ルイーサが怯えているじゃないか‥‥。」
身体の大きい冒険者に怒鳴られて怯えた様子のルイーサ嬢を庇うように、ケン様が立つ。でも声が震えている。ちょっと内股になってる。
カウンターの端の扉が開いて窓口前のフロアにギルド職員が出て来た。切れ長の目をしたひょろりと痩せた職員がニコニコしながら冒険者と彼らの間に立った。番号札を配る窓口を指し示す。
「どうぞあちらでご用件をおっしゃって番号札を受け取ってください。今なら空いておりますので。」
後からギルド内に入って来た人も状況を察知したのか、窓口に並ばずに様子を伺っていたので、番号札の窓口前も今は無人になっていた。
番号札の窓口にいる職員も、ニコニコ笑顔を浮かべて待っている。
「あ、ああ‥‥。」
睨んでいる冒険者から逃れたかったのか、ケン様一行は今度はあっさりと番号札の窓口に向かって行った。
「‥‥依頼を受けたいのだが。」
「ではこの番号札を持ってお待ち下さい。順番にご案内をしておりますので。」
「なに?待つというのか?」
「順番にご案内しておりますので。」
「しかし‥‥。」
「この番号札を持ってお待ち下さい。順番にご案内をしておりますので。」
番号札の窓口の従業員が、まるでロボットのように同じ台詞を機械的に繰り返した。
「‥‥。」
諦めたのか、ケン様が番号札を受け取った。
「ケン様、何をなさるおつもりですの?そこの職員、その札をわたくしにもよこしなさい。」
「お姉様!私も!」
ルフラン子爵令嬢姉妹がツカツカと番号札窓口に行って手を伸ばした。
番号札窓口の職員は貼付けたような笑顔を浮かべながら言った。
「ようこそ冒険者ギルドへ。ご用件をどうぞ。」
「ケン様と同じ用件よ!番号札を寄越しなさい。」
「然様ですか。ではこの番号札を持ってお待ち下さい。」
職員が番号札を差し出すと、ベルティーナ嬢は手を伸ばした後、躊躇するように手を引っ込めた。
「何か‥‥薄汚れているのではなくて?」
「何コレ‥‥。平民が持つようなものをお姉様に持たせようというの?」
番号札は木で出来た板に黒インクで番号が書かれたものだった。木の板を手にしたくないらしい。
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