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第5章
第195話 バラ絵のダンジョン
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夕方にさしかかったタイミングで、大きな街に入った。
宿が取れれば、そのまま滞在して、宿が取れないようなら次の街まで行く予定なんだって。
大勢での移動なので、宿が取れない場合もある。エルストベルクから王都に向かっていた時は、騎士が少し先にいって宿の情報を集めに行っていたけど、
今回はずっと高速で移動しているので、先発隊なしで、街に到着してから、宿の確認をするみたい。
行きの時にも泊まった宿だった。慣れているのか対応がスムーズ。
街の代官らしき人が、父様に挨拶にきて話をしていた。兄様も一緒に話をしに行くのかと思ったら、僕の傍に居るんだって。
ツヴァイトベック侯爵家は親戚だから、屋敷の中で結構自由にしていたけど、それ以外の場所は何があるかわからないから、うろちょろしたらダメだって言われちゃった。
宿の部屋も兄様との二人部屋だった。
「プティも一緒でいいって言われてよかった。」
「にゃーん。」
(ちょっと寒い部屋にゃ)
宿で、プティも一緒でいいか確認したらOKだって言われた。もしかしたら辺境伯家だから特別ってことだったのかもしれない。
ダメだった場合、他の宿を捜すのか、馬車にプティを残して泊まるのかとか色々考えないと行けないところだった。馬車にプティを残す場合は、結局ストレージルームに
居ることになるんだけど、問題なく泊まれるほうがいいよね。
夕食の案内が来るまで、自由時間になったけど、外をうろうろしちゃダメだっていうので、部屋で地図を眺める。
位置でみると、2日目の夜で、既に旅程の半分を超えているみたい。
そして、ラルフ君達が、「つまらないダンジョン」と言っていたダンジョンの近くだった。
ダンジョンの近くなら、この付近の冒険者ならダンジョンに行ったことがあるかもしれない。
シーサーペントの革で作った本を取り出して来て開いた。これは魔力を流したひとしか見られないように設定しているモニターになっている。
偵察君を外に飛ばして、映像を本のページに表示する。音声はイヤーカフから聞こえてくる。
着いたのが夕方だったから、既に辺りは暗くなっていた。灯りがするところに飛ばしてみると酒場だった。
冒険者っぽい人達が飲んでいた。
『へぇ、バラ絵のダンジョンに行ったのか。そりゃご苦労さんだったな!』
『はぁ~噂通りというか噂以上につまらなかったよ。』
『だから、言っただろ。つまらないって。』
『そもそもなんで<バラ絵のダンジョン>っていうんだ?』
『そう言うってことは第一階層までしか行けてないだろ。』
『なんでわかんだよ!』
冒険者らしき格好をした人が、隣りのテーブルの人と話していた。隣りのテーブルの人達は、冒険者なのか仕事帰りの人なのか分からないけど、普段着っぽい格好だ。
『第二階層のボス部屋まで行ってれば、<バラ絵>の意味がわかるからさ!』
『その<バラ絵>が分かるところまで行けば、何かいいドロップ品があるのか?』
『よしとけ、つまらないダンジョンは、つまらないダンジョンだぜ。』
ガハハと普段着の人達がジョッキを片手に、口を大きく開けて笑っている。
「バラ絵のダンジョン」というのが、例の「つまらないダンジョン」の事らしい。
『あの第一階層ボスってなんだよ。わけわからないぜ。攻撃しても何も起きないし、幻影かなんかなのか。剣も弓も素通りだったぜ。しかもいつの間にかダンジョン入り口まで飛ばされてるしよ。』
『ああ、あれ、わけわからないよな』
『どうやって攻略するんだよ』
『‥‥‥‥。』
『ああ‥‥、女将さん、この人にエールを一杯!』
『ありがとよ!‥‥攻略方法か‥‥。何度も行くしかないな。』
『は?どういうことだよ?』
『運しかねぇ。一階でクリアする奴も入れば10回行っても、クリアできない奴もいる。』
『ボスの倒し方は?』
『倒せねえ。言っとくが魔法も効かないぜ。』
『倒さなくてもクリアできるのか?』
『運がよければな。』
『はぁ?何だよそれ。訳分からねえ、じゃないか。』
攻略方法が良くわからないダンジョンってことなのかな。第一階層クリアは運?その先に行くと、「バラ絵」の意味がわかるってところまではわかった。
宿が取れれば、そのまま滞在して、宿が取れないようなら次の街まで行く予定なんだって。
大勢での移動なので、宿が取れない場合もある。エルストベルクから王都に向かっていた時は、騎士が少し先にいって宿の情報を集めに行っていたけど、
今回はずっと高速で移動しているので、先発隊なしで、街に到着してから、宿の確認をするみたい。
行きの時にも泊まった宿だった。慣れているのか対応がスムーズ。
街の代官らしき人が、父様に挨拶にきて話をしていた。兄様も一緒に話をしに行くのかと思ったら、僕の傍に居るんだって。
ツヴァイトベック侯爵家は親戚だから、屋敷の中で結構自由にしていたけど、それ以外の場所は何があるかわからないから、うろちょろしたらダメだって言われちゃった。
宿の部屋も兄様との二人部屋だった。
「プティも一緒でいいって言われてよかった。」
「にゃーん。」
(ちょっと寒い部屋にゃ)
宿で、プティも一緒でいいか確認したらOKだって言われた。もしかしたら辺境伯家だから特別ってことだったのかもしれない。
ダメだった場合、他の宿を捜すのか、馬車にプティを残して泊まるのかとか色々考えないと行けないところだった。馬車にプティを残す場合は、結局ストレージルームに
居ることになるんだけど、問題なく泊まれるほうがいいよね。
夕食の案内が来るまで、自由時間になったけど、外をうろうろしちゃダメだっていうので、部屋で地図を眺める。
位置でみると、2日目の夜で、既に旅程の半分を超えているみたい。
そして、ラルフ君達が、「つまらないダンジョン」と言っていたダンジョンの近くだった。
ダンジョンの近くなら、この付近の冒険者ならダンジョンに行ったことがあるかもしれない。
シーサーペントの革で作った本を取り出して来て開いた。これは魔力を流したひとしか見られないように設定しているモニターになっている。
偵察君を外に飛ばして、映像を本のページに表示する。音声はイヤーカフから聞こえてくる。
着いたのが夕方だったから、既に辺りは暗くなっていた。灯りがするところに飛ばしてみると酒場だった。
冒険者っぽい人達が飲んでいた。
『へぇ、バラ絵のダンジョンに行ったのか。そりゃご苦労さんだったな!』
『はぁ~噂通りというか噂以上につまらなかったよ。』
『だから、言っただろ。つまらないって。』
『そもそもなんで<バラ絵のダンジョン>っていうんだ?』
『そう言うってことは第一階層までしか行けてないだろ。』
『なんでわかんだよ!』
冒険者らしき格好をした人が、隣りのテーブルの人と話していた。隣りのテーブルの人達は、冒険者なのか仕事帰りの人なのか分からないけど、普段着っぽい格好だ。
『第二階層のボス部屋まで行ってれば、<バラ絵>の意味がわかるからさ!』
『その<バラ絵>が分かるところまで行けば、何かいいドロップ品があるのか?』
『よしとけ、つまらないダンジョンは、つまらないダンジョンだぜ。』
ガハハと普段着の人達がジョッキを片手に、口を大きく開けて笑っている。
「バラ絵のダンジョン」というのが、例の「つまらないダンジョン」の事らしい。
『あの第一階層ボスってなんだよ。わけわからないぜ。攻撃しても何も起きないし、幻影かなんかなのか。剣も弓も素通りだったぜ。しかもいつの間にかダンジョン入り口まで飛ばされてるしよ。』
『ああ、あれ、わけわからないよな』
『どうやって攻略するんだよ』
『‥‥‥‥。』
『ああ‥‥、女将さん、この人にエールを一杯!』
『ありがとよ!‥‥攻略方法か‥‥。何度も行くしかないな。』
『は?どういうことだよ?』
『運しかねぇ。一階でクリアする奴も入れば10回行っても、クリアできない奴もいる。』
『ボスの倒し方は?』
『倒せねえ。言っとくが魔法も効かないぜ。』
『倒さなくてもクリアできるのか?』
『運がよければな。』
『はぁ?何だよそれ。訳分からねえ、じゃないか。』
攻略方法が良くわからないダンジョンってことなのかな。第一階層クリアは運?その先に行くと、「バラ絵」の意味がわかるってところまではわかった。
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