165 / 466
第4章
第165話 ダンジョン潰し
しおりを挟む
プティは、ダンジョンに同情?しているみたいだけど、スタンビートの被害が甚大だから、これで何とかなるなら、やった方がいいだろう。
魔力に、まだ余裕があったので、王都近くのダンジョンでも同じようにやっておいた。
翌日、魔力が回復していたので、近いダンジョンで「魔獣の吐き出し」が始まっているところを選んで、また実行した。
4つ目のダンジョンで処理が終わった時、突然アナウンスの用な声が聞こえて来た。
ーーーーダンジョンコアの疲弊により、機能が著しく低下しました。ダンジョンの制御権が移動します。受けますか?(Yes or No)
は?
「プティ、何か言った?状態異常耐性さんとか」
(何もいってないにゃ)
ーーーーダンジョンの制御権が移動します。受けますか?(Yes or No)
アナウンスが繰り返される。えーい。
「Yes」
思い切って、「Yes」を選択した途端、力が一気に、僕の中に流れ込んで来たのがわかった。
「あ、これ、最初の永久循環のダンジョンか。」
制御権という物を手にしたからか、わかる。ダンジョンコアは、アップデート前の魔獣が居なくならないから吐き出しを続け、エネルギーを消費し続ける上に、前の魔獣の魔力が毒のようになって、力が弱まっていったんだ。そして、先ほど、限界がきた。
ダンジョンコアが機能低下したから、魔獣の吐き出しが止まった。
でも魔獣の吐き出しが出来ずに少しずつ少しずつ機能低下が進んで行っている。
ちょっと様子を見に行ってみることにした。
ダンジョン最下層にゲートを開く。制御権があるからか、楽にゲートを開く事ができた。ダンジョンも持ち家みたいな感覚だ。
ゲートをくぐり抜けると、淀んだ空気が漂っていた。
「うわ、なんだこれ。」
(ダンジョンが死にかけてるニャ)
ダンジョンコアは罅が入っているところを中心に白く濁っている。
周囲に満ちている魔力に、毒のような物が含まれているようで息苦しい。
フロアの片隅に、乾涸びたような、小さな生き物が蹲っていた。
一瞬死んでいるのかと思ったけど、ぷるぷると小さく震えている。
なんか、やせ細った狐?でもしっぽが沢山ある。
「生きてるか?どうしたんだ?」
「‥おまいがー、おまいが、やったコン‥‥。」
狐がしゃべった。ぷるぷる震えながら、ゆっくりとこちらを振り向いた。
じっと見てみたら、なんとなくわかった。
「あ、ダンジョンマスター‥‥。」
「元!コン! おまいに制御権を奪われたコン!」
ふらふらしながら、狐は起き上がり、僕を睨みつけた。
「ごめんね。スタンビートを止めないと、僕達がこまっちゃうんだよ。」
僕をじっと睨みつけていた狐は、あきらめたように再び蹲った。
「‥‥もう‥‥このダンジョンはおしまいだコン。もうすぐダンジョンが死ぬコン。」
「‥‥。」
どうしたらいいんだろう。この狐がこのまま死んでしまうのは何だか可哀想なんだけど、解決方法が思いつかない。
このままいくとダンジョンの機能も近いうちに完全に停止する。
考え込んでいたら、再びアナウンスが聞こえて来た。
ーーーーダンジョンコアの疲弊により、機能が著しく低下しました。ダンジョンの制御権が移動します。受けますか?(Yes or No)
「あ、また?」
別のだとすると、昨日、永久巡回させたもう一つのダンジョンかもしれない。
ーーーーダンジョンの制御権が移動します。受けますか?(Yes or No)
「Yes」
「No」を選択したところで、ダンジョンの疲弊は変わらなそうなので「Yes」を選択する。
また、ダンジョンマスターに恨まれるだろうけどね。
また、力が一気に入ってきたのがわかった。やっぱり、王都近くのダンジョンのようだ。
「ごめんね、向こうにも行ってくるね?」
「コン?」
狐がちらりと目を開けてこちらを見た。僕は、ゲートを開けて、もう一つのダンジョンに向った。
魔力に、まだ余裕があったので、王都近くのダンジョンでも同じようにやっておいた。
翌日、魔力が回復していたので、近いダンジョンで「魔獣の吐き出し」が始まっているところを選んで、また実行した。
4つ目のダンジョンで処理が終わった時、突然アナウンスの用な声が聞こえて来た。
ーーーーダンジョンコアの疲弊により、機能が著しく低下しました。ダンジョンの制御権が移動します。受けますか?(Yes or No)
は?
「プティ、何か言った?状態異常耐性さんとか」
(何もいってないにゃ)
ーーーーダンジョンの制御権が移動します。受けますか?(Yes or No)
アナウンスが繰り返される。えーい。
「Yes」
思い切って、「Yes」を選択した途端、力が一気に、僕の中に流れ込んで来たのがわかった。
「あ、これ、最初の永久循環のダンジョンか。」
制御権という物を手にしたからか、わかる。ダンジョンコアは、アップデート前の魔獣が居なくならないから吐き出しを続け、エネルギーを消費し続ける上に、前の魔獣の魔力が毒のようになって、力が弱まっていったんだ。そして、先ほど、限界がきた。
ダンジョンコアが機能低下したから、魔獣の吐き出しが止まった。
でも魔獣の吐き出しが出来ずに少しずつ少しずつ機能低下が進んで行っている。
ちょっと様子を見に行ってみることにした。
ダンジョン最下層にゲートを開く。制御権があるからか、楽にゲートを開く事ができた。ダンジョンも持ち家みたいな感覚だ。
ゲートをくぐり抜けると、淀んだ空気が漂っていた。
「うわ、なんだこれ。」
(ダンジョンが死にかけてるニャ)
ダンジョンコアは罅が入っているところを中心に白く濁っている。
周囲に満ちている魔力に、毒のような物が含まれているようで息苦しい。
フロアの片隅に、乾涸びたような、小さな生き物が蹲っていた。
一瞬死んでいるのかと思ったけど、ぷるぷると小さく震えている。
なんか、やせ細った狐?でもしっぽが沢山ある。
「生きてるか?どうしたんだ?」
「‥おまいがー、おまいが、やったコン‥‥。」
狐がしゃべった。ぷるぷる震えながら、ゆっくりとこちらを振り向いた。
じっと見てみたら、なんとなくわかった。
「あ、ダンジョンマスター‥‥。」
「元!コン! おまいに制御権を奪われたコン!」
ふらふらしながら、狐は起き上がり、僕を睨みつけた。
「ごめんね。スタンビートを止めないと、僕達がこまっちゃうんだよ。」
僕をじっと睨みつけていた狐は、あきらめたように再び蹲った。
「‥‥もう‥‥このダンジョンはおしまいだコン。もうすぐダンジョンが死ぬコン。」
「‥‥。」
どうしたらいいんだろう。この狐がこのまま死んでしまうのは何だか可哀想なんだけど、解決方法が思いつかない。
このままいくとダンジョンの機能も近いうちに完全に停止する。
考え込んでいたら、再びアナウンスが聞こえて来た。
ーーーーダンジョンコアの疲弊により、機能が著しく低下しました。ダンジョンの制御権が移動します。受けますか?(Yes or No)
「あ、また?」
別のだとすると、昨日、永久巡回させたもう一つのダンジョンかもしれない。
ーーーーダンジョンの制御権が移動します。受けますか?(Yes or No)
「Yes」
「No」を選択したところで、ダンジョンの疲弊は変わらなそうなので「Yes」を選択する。
また、ダンジョンマスターに恨まれるだろうけどね。
また、力が一気に入ってきたのがわかった。やっぱり、王都近くのダンジョンのようだ。
「ごめんね、向こうにも行ってくるね?」
「コン?」
狐がちらりと目を開けてこちらを見た。僕は、ゲートを開けて、もう一つのダンジョンに向った。
1
お気に入りに追加
172
あなたにおすすめの小説
スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
【リクエスト作品】邪神のしもべ 異世界での守護神に邪神を選びました…だって俺には凄く気高く綺麗に見えたから!
石のやっさん
ファンタジー
主人公の黒木瞳(男)は小さい頃に事故に遭い精神障害をおこす。
その障害は『美醜逆転』ではなく『美恐逆転』という物。
一般人から見て恐怖するものや、悍ましいものが美しく見え、美しいものが醜く見えるという物だった。
幼い頃には通院をしていたが、結局それは治らず…今では周りに言わずに、1人で抱えて生活していた。
そんな辛い日々の中教室が光り輝き、クラス全員が異世界転移に巻き込まれた。
白い空間に声が流れる。
『我が名はティオス…別世界に置いて創造神と呼ばれる存在である。お前達は、異世界ブリエールの者の召喚呪文によって呼ばれた者である』
話を聞けば、異世界に召喚された俺達に神々が祝福をくれると言う。
幾つもの神を見ていくなか、黒木は、誰もが近寄りさえしない女神に目がいった。
金髪の美しくまるで誰も彼女の魅力には敵わない。
そう言い切れるほど美しい存在…
彼女こそが邪神エグソーダス。
災いと不幸をもたらす女神だった。
今回の作品は『邪神』『美醜逆転』その二つのリクエストから書き始めました。
もっと甘やかして! ~人間だけど猫に変身できるのは秘密です~
いずみず
ファンタジー
気が付いたら赤ちゃんになっていた。えっ、魔法や魔道具があるの? もしかしてここって異世界?!
う~ん、ちゃんと生きて行けるのか心配だ。よし、親や周りの大人達にカワイイ演技やら大好きアピールをしまくろう。可愛がって育ててくれるはず。みんなに甘やかされるためなら何でもするぞー!
じゃあ今日はね、あらすじを読んでくれたあなたに特別サービス。今まで頑張ってきた成果を見せちゃおうかな。僕が頼めば何でもしてくれるんだよ。
「まんま、えぐぅ(ママ、抱っこして)」
「え、またおっぱいなの? ママ疲れちゃったから嫌よ。もう今日だけで何度目かしらね。早く卒業して欲しいわ」
「うええええええええええん!」
前世の記憶を持ったまま赤ん坊に生まれ変わった男の子。彼にはとんでもない秘密があった。
これはのんびりスローライフを目標としつつ、裏では猫の姿で冒険するけど皆には内緒にしているお話。猫の姿のときはいっぱい魔法を使え、空間を壊したりブレスも吐くけど普通だよね?
たまたま見つけて読んでくれた皆様ありがとうございます。甘えん坊な主人公の気持ちになって読むと面白いと思います。赤ちゃんから成長して学園通ったりラブコメしたりと騒がしくなる予定です。
小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、ノベルアップ+で同時掲載してます。更新は不定期です。面白い、続き読みたいと思えるような作品を目指して頑張ります。
異世界から帰ってきたら終末を迎えていた ~終末は異世界アイテムでのんびり過ごす~
十本スイ
ファンタジー
高校生の時に異世界に召喚された主人公――四河日門。文化レベルが低過ぎる異世界に我慢ならず、元の世界へと戻ってきたのはいいのだが、地球は自分が知っている世界とはかけ離れた環境へと変貌していた。文明は崩壊し、人々はゾンビとなり世界は終末を迎えてしまっていたのだ。大きなショックを受ける日門だが、それでも持ち前のポジティブさを発揮し、せっかくだからと終末世界を異世界アイテムなどを使ってのんびり暮らすことにしたのである。
辺境伯令嬢に転生しました。
織田智子
ファンタジー
ある世界の管理者(神)を名乗る人(?)の願いを叶えるために転生しました。
アラフィフ?日本人女性が赤ちゃんからやり直し。
書き直したものですが、中身がどんどん変わっていってる状態です。
異世界の大賢者が僕に取り憑いた件
黄昏人
ファンタジー
中学1年生の僕の頭に、異世界の大賢者と自称する霊?が住み着いてしまった。彼は魔法文明が栄える世界で最も尊敬されていた人物だという。しかし、考えを共有する形になった僕は、深く広い知識は認めるけど彼がそんな高尚な人物には思えない。とは言え、偉人と言われた人々もそんなものかもしれないけどね。
僕は彼に鍛えられて、ぽっちゃりだった体は引き締まったし、勉強も含めて能力は上がっていったし、そして魔法を使えるようになった。だけど、重要なのはそこでなくて、魔法に目覚めるための“処方”であり、異世界で使っている魔道具なんだよ。
“処方”によって、人は賢くなる。そして、魔道具によって機械はずっと効率が良くなるんだ。例えば、発電所は電子を引き出す魔道具でいわば永久機関として働く。自動車は電気を動力として回転の魔道具で動くのだ。これを、賢くなった人々が作り、使うわけだから、地球上の温暖化とエネルギーの問題も解決するよね。
そして、日本がさらに世界の仕組みがどんどん変わっていくのだけど、その中心に大賢者が取り憑いた僕がいるんだよ。僕はもう少しのんびりしたいのだけどね。
25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい
こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。
社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。
頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。
オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる