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第4章

第164話 対策方法考案

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「ねえ、プティ。ダンジョンから出て行った魔獣ってさ、なんとかダンジョンの中に戻ってはくれないのかな。」

僕はストレージルームの中で、大平原を爆走する魔獣の群れの映像を眺めながら言った。
ダンジョンから飛び出した魔獣がどこかに行ってくれればいいんだけど、Uターンして元の場所に戻ってくれる方法が有ればいいと思うんだよね。

(それは無理にゃ。ダンジョンコアがバージョンアップすると、以前のバージョンの魔力の魔獣はうけつけないにゃ。入ったとしてもまた吐き出すにゃ。)

「他所のダンジョンから来た魔獣は入って行けるんだよね。どうやって区別してんのかな。」

(拒否リストみたいな感じかにゃ)

「うーん、だったらさあ、ダンジョンとダンジョンをゲートで繋いで魔獣を入れ替えできれば楽なんだけどなぁ。」

(それはありにゃん。)

「でも僕の魔力と熟練度だと、小さいゲートでしかも短い時間しか繋げられないよね。」

(そうにゃ。距離が離れたところのゲート同士を繋ぐのは、難易度が高いにゃ。)

「うん?ゲートとゲートの距離が近ければ、もっとゲートのサイズを大きくしたり時間を長くしたりできるってこと?」

(そうにゃ。試してみるニャ?)

プティがそういうのでちょっと試してみることにした。
クローゼットの扉を開けて、扉の表と裏をゲートで接続する。ゲート間の距離は数センチだ。
ゲートで繋ぐのは無駄な距離だけど。

ブォンと、黒い大きな渦ができた。ストレージルームに入る時のサイズより大きい。
そのまま通ってみると、クローゼットの扉画ないかのように通り抜けられた。

「なんというか、不思議。そうすると、壁抜けとか楽にできちゃうね。」

まあ、ゲートを使えば隣の部屋でなくても、行けるわけだけど、壁がない物みたいに通り抜けられると面白いな。

ふと、ダンジョンの壁を思い出した。
もし、ダンジョンの内側と外側、距離が近いところにゲートを開いたら?

試したくなったので、早速王都から、離れた現在絶賛「魔獣の入れ替え」中のダンジョンで実験をしてみることにした。
王都から離れたところを選んだのは、失敗して王都に何か会ったら困るから。
規模も中規模でそこ迄大きくはないダンジョンだ。
すでに、大分前から断続的に、魔獣を吐き出していて、付近に冒険者とかは居ない。

やってみたいことは、ダンジョンの入り口付近に大きな穴を掘って、ダンジョンから吐き出された魔獣を穴の中に落とす。
穴をどんどん深くしていって、ダンジョンの壁と近いところでダンジョンの内と外でゲートに繋いで、魔獣をダンジョン内に戻す。
戻された魔獣はまた、ダンジョン外に吐き出される訳だけど、吐き出されたらまた、穴に落ちて、ゲートからダンジョン内に戻る。それの繰り返し。

「これだったら、近辺の村とかに被害がでないでしょう。」

(‥‥なんか、恐ろしいニャ)

プティが珍しく怖がったようなことを言う。ダンジョンがずっと吐き出しを繰り返していると、ダンジョン探索とかはできなくはなるけど、
被害が続くよりマシじゃない?

(颯真にゃん‥‥。時々ちょっと大雑把すぎにゃ‥‥。)

うん、どういう意味だろう‥‥。
早速、ダンジョンの入り口付近に偵察の魔道具を飛ばす。
丁度、ダンジョンから大量に魔獣が飛び出しているところだった。
入り口付近に、極小さいゲートを開いて、そこから魔法を展開。土魔法で、ダンジョンの入り口前に穴を開けた。

ドーン、ドドドドドド!魔獣が穴に落ちて行った。どんどん落ちるのですぐに溢れた。溢れた魔獣の上を、ダンジョンの入り口から出て来た魔獣が踏みつけて通り抜けて行く。
更に穴を深くしていく。

ドーン、ドドドドドド!
もっと深く。もっと深く。

ドーン、ドーン、ドドドドドド!
更に深く、どんどん深く。

穴が深くなっていって、魔獣が溢れなくなって来た頃、穴の底の壁に、強い力が有る部分を感じた。ダンジョンの壁が近いのかもしれない。
そこの壁に向って穴を掘すすめると、それ以上進める事が出来ないポイント迄たどり着いた。
その場所と、その場所の先約1mの距離にゲートを作って繋げる。

ドドドドドドドド!ドドドドドドドドドド!

ゲートの中に魔獣がなだれ込んで行った。あまり魔力は消費していない。これなら長い時間ゲートを維持できそうだけど、どのくらい維持できるかまあ、やってみよう。
穴に落ちた魔獣はそのまま息絶えた物も居たけど、大半は多少ダメージを受けても、活発に動いていて、ゲートが開くとなだれ込むように進んで行く。
ダンジョンの入り口から出た魔獣が、ゲートを通して、またダンジョンに戻って行く。

既に周辺に散らばってしまった魔獣は戻せないけれど、これ以上、このダンジョンから魔獣がでないようになった。

「やった、これでスタンビートが解決しそうじゃない?」

(にゃんかダンジョンがちょっと気の毒になってくるにゃ‥‥。)
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