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第4章

第152話 薬草採取

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その姿を見送って、ラルフ君とロルフ君が同時に肩を竦めた。

「なんか、すげーな。」
「どうすんのこれ。」
「まあ、冊子みてみようよ。」

ぱらりと冊子を広げてみると、色付きで薬草の説明が書かれていた。

「おお、ちょっとわかりやすいんじゃない。」
「この冊子欲しいな。」

冊子で、今日の薬草採取の依頼にあったという、白イヤシ草と、赤ダミ草の特徴と採取方法を確認して
ちょっとホッとした様子のラルフ君達。

王子達の方を見ると、ピンクツインテールが、はしゃいで走り回っている。

「気持ちいーぃ!こういうところでピクニックしたーいぃ」
「ハハ、また今度連れて来てやろう。」
「嬉しーい。」
「殿下ー、こちらを拠点にしましょう。」
「おお、岩の上に座るのだな。」

木の近くに座って休めそうな岩が有る場所を陣取ることにしたようだ。
確かに、荷物とかを置く場所の確保は必要なのかもしれないけど、見習い冒険者をほったらかしてない?

ギュンター君達は指導をあきらめたのか、依頼書の紙と、周囲の植物を見比べてキョロキョロとしている。

馬車を引いていた馬も木に繋がれていた。3頭は木陰で草を食べていて、もう一頭は御者に連れられて小川の方に歩いていっている。
一頭ずつ水を飲ませに行っているらしい。

初めて王都の外へのお出かけだというのに、何だかうきうき感が全然ないな。

「‥‥木陰でお昼寝しようかなー‥‥。」

グーンと伸びをして、つぶやく。

「採取しないんですか?」

リヒャルトさんが、ラルフ君に借りた依頼書を眺めている。

「‥‥僕が採取しても、実は成果にならないんじゃない?」

僕が依頼を受けているわけではないけど、僕が採取した薬草をラルフ君達に渡すのってズルってことにならないだろうか。

「薬草採取は、納品依頼なので、ソーマ坊ちゃんが採取した分を譲っても問題ないですよ。」
「そうなんだ。ちょっと安心した。」

納品する力があればいいので、極端な話買って来た薬草を納品してもありなんだって。財力、人脈、労働力、どれを使ってもいいので納品すれば成果として見なされるらしい。
それなら、と少し離れた木の陰を目指しながら途中に生えた薬草を採ることにした。

ーーーー白イヤシ草にゃ。かじると一寸苦いニャ。
ーーーー赤ダミ草にゃ。茎から出る汁が臭いにゃ。
ーーーー青シビ草にゃ。お魚と一緒に食べるとうまいにゃ。
ーーーー黄ニセイヤシ草にゃ。かじると凄く苦いニャ。

薬草採りは、辺境でもやっていたので、鑑定なくても大体はわかるんだけど、試しに鑑定してみたら、味とかの感想ばっかりだ。
薬草なんだけどね。黄ニセイヤシ草は、白イヤシ草と間違えやすい草。白イヤシ草と違って、葉っぱの裏のラインが黄色っぽい。
効能もほとんどない。青シビ草は、ちょっと大葉に似た薬草だ。

リヒャルトさんとインゴさんは、僕が採取するのを少し眺めていたけど、サポートしなくても問題なさそうだと思ったのか、自分達も採取を始めた。でも僕から2mも離れない位置に必ずどちらかが居る。
リヒャルトさんは時々立ち上がって周囲を見て、蛇とかがいると、木の枝を使って、遠くに放り投げてくれた。
少し離れた木のところまでたどり着いたときには、もう依頼量の何倍か集まっていた。

依頼達成にはなりそうだけど、競争ってことは、更に量を競うつもりってことなのかな。
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