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第4章

第147話 繁盛店

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ーーーー熟練度があがったにゃ。美味しいお魚が手に入りやすくなったにゃ。

お魚でしたか。そうだ、プティのために、お魚は買えるうちに買っておかないとね。わかりましたよ。
その後、お魚屋さんに行ったら、丁度、鮮度の良いお魚が入荷したって言われた。よかったね、プティ。

お昼近くになったので、リーヌス食堂に行ってみることにした。
市場のメイン通りから一本奥の通りにはいったら、なんだか行列が出来ている。
リーヌス食堂の前に沢山人が並んでいた。

「はい、2個で銀貨1枚。熱々できたてだよ。」

店先でマルセル君がクロケーパンを販売していた。大繁盛のようだ。
行列に並んでみた。僕たちが近づくと、マルセル君がちらりとこちらを見て、にっこりと笑った。
あれからエルスト商会の人が、話をしにいって、業務提携することになったらしい。ソースだけでなくパンもクロケーパン用にふんわりしたタイプを商会から卸すことになったんだって。

コッペパンのようなパンの上に切れ目が入れられていて、縦に切ったクロケーとキャベツを挟み込んでソースが掛けられている。
見た目はまさにコロッケパンな、クロケーパンだ。

「よう!すげー人気でちゃってさー。」

商会で、市場で働く人や冒険者に宣伝をしたらしくて、あっという間に人気が出たらしい。
冒険者をしているマルセル君のお兄さんも、冒険者活動をお休みして、今は店の手伝いをしているんだって。
冒険者ギルドに休業申請を出しておくと、ランクはそのまま、強制依頼はない状態になるらしい。
魔獣の活動が活発になって行っているので、いずれ魔獣討伐の強制依頼がでるだろうと予測されていて、女将さんがマルセル君のお兄さんのことを心配して店を手伝わないかと、誘ったんだって。

その後、食堂が予想以上に繁盛していて、お兄さんは、「これもある意味強制依頼だ。」と冗談まじりに言っているんだそうだ。
お店の中を見ると、以前はいなかった背の高い男性が料理を運んでいる姿が見えた。食堂の中も満席で忙しそうだ。

「ありがとな。」

マルセル君がニカッと笑う。商会の利益にもなっているし、こちらとしてもありがたいことだと、嬉しい気分になる。
お土産にもしようと思って、クロケーパンを多めに買った。

屋台で果実水を買って、ベンチでクロケーパンを食べた。
揚げたて熱々のクロケーと、シャキシャキのキャベツの千切り。ソースがきりりと味を引き締め、ふんわりパンが、全体を優しく包み込む。
以前、食堂でクロケーを食べたリヒャルトさんとインゴさんも、クロケーパンの美味しさは驚きだったようだ。

「食堂で食べるのとは、また違いますね。これは人気がでるの納得ですよ。」
「千切りキャベツとソースのバランスが最高です。」
「うん。美味しいねー。」

二人が気に入ってくれたようで嬉しい。
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