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第4章
第145話 魔寄せのブローチ
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入れ食いって、魔獣狩りをするにはいいのか。でも、これを持って来た人は魔獣に追われたって言ってたよね。
知らないで持っていたら危険なものな気がするので、買って叔父様に見てもらおうかな。
「銀貨2枚。」
「ん?坊主、仕入れ値聞いちまったからなぁ。だが、儲けがほぼないから、銀貨2枚と銅貨8枚だ。」
「‥‥、やっぱやめとくか‥‥。」
「ま、まて‥‥。」
お店のおじさんも、内心、仕入れたもの以外を置いておきたくなかったのか、結局銀貨2枚と銅貨4枚で売ってくれた。
これは、持っていると影響あるかもしれないから鞄に入れる振りをして、ストレージボックスに放り込んだ。
他は特に気になるものはなくて、もう一度食料品エリアを巡って、その日の買い物は終了した。
魔寄せのブローチを叔父様に見てもらおうと、帰りにもう一度エルスト商会に寄った。
叔父様は接客中だというので、従業員作業室に行ってみた。作業室は何部屋にも別れていて、ヘンリーさんがいるところは、
記録魔石の解析室になってる。他に、先日の色換えとか簡単な魔道具の組み立てをする作業室がある。
「へんりーさん、こんにちは!」
「やあ、ソーマ君。今日は、プティちゃんは一緒じゃないのかい?」
ヘンリーさんは相変わらず、プティLOVEな人だ。プティも、ヘンリーさんは会うといつもお祈りみたいな感じになって神力があがるというから
今度連れて来てあげよう。
「今日は、一緒じゃないんだ。叔父様が接客中っていうからこっちにきちゃった。市場で買ったものを見てもらいたくて。」
「なんだぁ。掘り出し物かい?見せてごらん。」
ヘンリーさんは、書いていた書類を脇において、こちらを向いて両手を伸ばして来た。
僕は布に包んだ状態で、ブローチをヘンリーさんに手渡した。
「うん‥?これって‥‥。」
ブローチを見た途端険しい表情になる。
布にくるまれたままのそれを机の上に置いて、引き出しから小瓶を取り出した。
「ソーマ君、念のため、これシュッシュして。聖水。君たちも。」
霧すっきり君の小型版だ。除菌スプレーっぽい扱い。
僕たちが手にシュッシュッと吹きかけて刷り込んでいる間に、ヘンリーさんは部屋の隅に設置していた霧すっきり君も作動させた。
少し安心した顔つきになったヘンリーさんは、手袋をして、もう一度、ブローチの包みを開いた。
「これ、魔寄せの呪石だね。こんなのが市場にあったの?」
僕は、このブローチを買った経緯をヘンリーさんに説明した。
沢山出回っているんではなさそうなので、ほっとした様子だ。
「これを持っていると魔獣が寄ってきてしまうんだよ。王都の周りには結界があるから大丈夫では有るけれど。
ただでさえ魔獣が多い時期に知らずにこれを身に付けて街の外にでたら大変だよ。」
「シュッシュしたってことは、呪いなの?」
「これは小さいし、魔法陣で増幅もされていないから大丈夫そうだけど、力が強い石は、効果が移ったりするんだよ。こんな石を装備品として加工するなんて。」
「魔獣を沢山狩る為とか?」
「どうだろう。どんな人物が持って来たか聞いてみるから、場所を教えて。」
あの市場のおじさんのところにブローチを持ってきた人は、魔獣に追われたって言っていたから、知らないで持っていた可能性が高そうだけどどの街から来たとか、何か手がかりがあるかもしれないから、聞き込みにいって、他にも市場に出回っていないか、調査するってことになった。
知らないで持っていたら危険なものな気がするので、買って叔父様に見てもらおうかな。
「銀貨2枚。」
「ん?坊主、仕入れ値聞いちまったからなぁ。だが、儲けがほぼないから、銀貨2枚と銅貨8枚だ。」
「‥‥、やっぱやめとくか‥‥。」
「ま、まて‥‥。」
お店のおじさんも、内心、仕入れたもの以外を置いておきたくなかったのか、結局銀貨2枚と銅貨4枚で売ってくれた。
これは、持っていると影響あるかもしれないから鞄に入れる振りをして、ストレージボックスに放り込んだ。
他は特に気になるものはなくて、もう一度食料品エリアを巡って、その日の買い物は終了した。
魔寄せのブローチを叔父様に見てもらおうと、帰りにもう一度エルスト商会に寄った。
叔父様は接客中だというので、従業員作業室に行ってみた。作業室は何部屋にも別れていて、ヘンリーさんがいるところは、
記録魔石の解析室になってる。他に、先日の色換えとか簡単な魔道具の組み立てをする作業室がある。
「へんりーさん、こんにちは!」
「やあ、ソーマ君。今日は、プティちゃんは一緒じゃないのかい?」
ヘンリーさんは相変わらず、プティLOVEな人だ。プティも、ヘンリーさんは会うといつもお祈りみたいな感じになって神力があがるというから
今度連れて来てあげよう。
「今日は、一緒じゃないんだ。叔父様が接客中っていうからこっちにきちゃった。市場で買ったものを見てもらいたくて。」
「なんだぁ。掘り出し物かい?見せてごらん。」
ヘンリーさんは、書いていた書類を脇において、こちらを向いて両手を伸ばして来た。
僕は布に包んだ状態で、ブローチをヘンリーさんに手渡した。
「うん‥?これって‥‥。」
ブローチを見た途端険しい表情になる。
布にくるまれたままのそれを机の上に置いて、引き出しから小瓶を取り出した。
「ソーマ君、念のため、これシュッシュして。聖水。君たちも。」
霧すっきり君の小型版だ。除菌スプレーっぽい扱い。
僕たちが手にシュッシュッと吹きかけて刷り込んでいる間に、ヘンリーさんは部屋の隅に設置していた霧すっきり君も作動させた。
少し安心した顔つきになったヘンリーさんは、手袋をして、もう一度、ブローチの包みを開いた。
「これ、魔寄せの呪石だね。こんなのが市場にあったの?」
僕は、このブローチを買った経緯をヘンリーさんに説明した。
沢山出回っているんではなさそうなので、ほっとした様子だ。
「これを持っていると魔獣が寄ってきてしまうんだよ。王都の周りには結界があるから大丈夫では有るけれど。
ただでさえ魔獣が多い時期に知らずにこれを身に付けて街の外にでたら大変だよ。」
「シュッシュしたってことは、呪いなの?」
「これは小さいし、魔法陣で増幅もされていないから大丈夫そうだけど、力が強い石は、効果が移ったりするんだよ。こんな石を装備品として加工するなんて。」
「魔獣を沢山狩る為とか?」
「どうだろう。どんな人物が持って来たか聞いてみるから、場所を教えて。」
あの市場のおじさんのところにブローチを持ってきた人は、魔獣に追われたって言っていたから、知らないで持っていた可能性が高そうだけどどの街から来たとか、何か手がかりがあるかもしれないから、聞き込みにいって、他にも市場に出回っていないか、調査するってことになった。
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