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第3章

第124話 救援を待ちましょう

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ゲートから偵察君を入れて、中の様子をみると、石の床に人が倒れている映像が映った。
手足をロープに縛られた状態で、床に転がされている人が5人。一人はギュンター君のようだ。あと、ゾフィー。それから大人の男性と、他に子供が2人。

ギュンター君は気を失っているようだった。男性からうめき声が聞こえるが、意識があるかはわからない。他の人たちも動かない。
殴られて怪我をしているみたいなのでポーションをかけておいてから、叔父様に連絡した。

「叔父様、ギュンター君の居場所がわかったよ」

僕は、王都から離れた村にギュンター君が運ばれた事、奴隷商人に売られそうになっていることを説明して、映像を転送した。
村の名前‥‥、わからないや。マップの画像を送ればいいかなと思っていたら、僕の説明で叔父様は、どの村なのか分かったみたいだ。

『王都の東、馬車で一時間。冒険者ギルドと役場が一つになっているところだね。シュレーガー伯爵領のコクオック村だと思う。』

通話している間に叔父様は商会の作業室に移動して、転送した映像を確認したようだ。

『‥‥やっぱりコクオック村だ。‥‥王都の外まで映しているのかい。ソーマ、危険な事していないよね?』
「全然。」
僕は部屋から出ていないし。
『そうか‥‥。危ない事はしないでおくれよ。』

叔父様は、トリット伯爵家と、ツヴァイトベック侯爵家と、あと父様に連絡して、救出に向かうと言ってくれた。
王都から馬車で一時間位。それまで僕はギュンター君達にこれ以上危害が加わらないようにしておこう。

ギュンター君が閉じ込められていた地下室の扉の所でゲートを開いて結界の魔道具を発動させる。
これで助けが来るまでは誰も入れないようになる。
それから、破落戸達が酒盛りしているところの映像に切り替えた。

『おい、その手鏡、ローレンツの妹が持っていたやつじゃないか?こんなところに置いとくなよ』
『魅了されちゃうってやつ?』
『どうも、魅了じゃないんじゃないかって話だぜ。』
『でも貴族の坊ちゃんが、これでローレンツの妹にメロメロになったんだろ。』
『貴族の坊ちゃんはそうだが、ローレンツの奴もその手鏡手に入れてから、ちょっと様子がおかしくなってたぜ。それに俺は奴の妹に近づくとイライラして切れそうになる』
『それは話し方じゃねぇ?』

ゾフィーが持っていた手鏡のことだろうか。映像には鏡の面が直径5cmくらいの手鏡が映っていた。

ーーーー「混乱」の手鏡にゃ。長く触ると混乱するにゃ。持っている人に触るのも混乱するにゃ。

混乱の状態異常を起こした原因に間違いないようだ。

『そもそも、こんなものローレンツはどうやって手に入れたんだ?』
『酒場で、売りつけられたらしい。ちなみに売りつけた奴はどっかいっちまったそうだ。』
『怪しさしかない』

彼らはゾフィーが持っていた手鏡が「怪しいもの」と気がついていたから、酷い状態異常にはなっていないようだ。
イライラするといっていたから、少しは影響を受けているのかもしれないけれど。
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